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第18章(3)雪side
18-3-1
しおりを挟む「さぁ、どうぞ。今夜はこの部屋で一泊だ」
そう言って、ある町のホテルの一室にオレは案内された。
風磨さんに連れられて、ずっと柵の付いた檻みたいな車で移動してたけど、暗くなって来たからだろう。
今夜はここで一泊ーー。
そう言われて、内心ホッとしていた。
弱音は吐けないからずっと我慢していたけど、悪阻なのか、寝不足からなのか、珍しく酔ってしまったらしくずっと気持ち悪かった。
幸い、もっと酷い扱いを受けるかと思ったけど、この部屋も普通みたいだし、拘束は首輪だけで手足は自由。
今は一刻も早く、ベッドに横になりたかった。
……けど。
「お前達は下がれ」と言われて、ガタイの良い男達は去って行ったのに、何故か風磨さんはオレと同じ部屋に残ってしまった。
リュックを両手で胸に抱き締めたままチラッと様子を伺うと、目の合った風磨さんが「フッ」と笑った。
でも、目は全然笑っていなくて、まるで獲物を見るような瞳に背筋がゾクリとした。
目を逸らしたいけど、逸らしたら最後。何かされるような気がして暫く見つめ合っていると、風磨さんが口を開く。
「……子供」
「!……え?」
「君は本当に、子供が好きなんだね?」
思いがけない質問に、一瞬、呆気に取られた。
その言葉を自分なりに理解しようとして、ハル君とリンちゃんを人質に使った事でオレがあっさりと抵抗を止めて付いてきたからだと思った。
けど、その後に続く言葉は更にオレを驚かせるもの……。
「なら、作ろうか?」
「……え?」
「作ろうか、赤ちゃん」
ーー……。
意味が、分からなかった。
「……、っ……なに、言って……」
風磨さんの言葉に、混乱すると同時に身体が小刻みに震え出した。
呼吸が止まる。一瞬で冷や汗が出る。
「そのままの言葉通りだよ?花嫁さん」
花嫁さんーー。
その言葉に、全身に鳥肌が立つ。
風磨さんが何故そう呼ぶのか、オレの全てが何かを悟ったように暴れた。
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