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第22章(2)紫夕side
22-2-4
しおりを挟む子供達から話を聞いて、連れ去ったのが風磨だと分かっている以上、雪の居場所が橘の元である事はほぼ間違いない。
雪は今、間違いなく橘の研究所に居るだろう。
居心地が良い筈がない。
橘は雪を息子ではなく、実験動物としか思ってないからな。
当然お腹の子だって、橘がまともに扱うなんて考えられなかった。
一刻も早く、助け出さなくてはーー……。
本当は、そうしたい気持ちでいっぱいだった。
……でも。
マリィに話を聞いてもらう内に、思ったんだ。
確かに、橘の元に乗り込み、雪をもう一度この手に取り戻す事は不可能ではないだろう。
けど、その先はーー?
雪は橘の息子。
そして、人型魔物なんだ。産まれてくる子も当然、少なからずその血を受け継いでいる。
一生、逃げ回るのかーー……?
守護神を裏切り、人型魔物を造り出した橘は指名手配人。
その息子であり、人型魔物本人である雪も、当然人々から疎まれ、疎外されてしまうだろう。
そんな中で、雪は……。
産まれてくる子供は、幸せになれるのかーー?
そう、心の中で疑問を抱いて、俺は思ったんだ。
この、今の世の中を変えなくては何の解決にもならないのだ、……と。
雪と居られれば、いいと思ってた。
雪と居れば、幸せになれると思ってた。
けど、それは本当の幸せではないと、俺は雪との逃亡生活の中で悟っていたんだ。
そして、決めたんだ。
雪の描いた夢と、俺が抱いた夢を実現させる。
ーーそう。
人間と魔物が、共存出来る世界を創るーー。
その為には、地位が必要だった。
魔物を敵対する守護神を内部から変える為に、俺には本部内で様々な事を動かせるようになる力が必要だった。
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