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第23章(1)雪side
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しおりを挟む響夜は変わった。去年、守護神で会った時からは勿論、一緒に暮らし始めてから特に……。
一緒に生活をして、一緒に過ごす時間の中で見られる彼の新しい姿。そして、新しい一面を知る度、喜びを感じ始めている自分も居る。
ずっと嫌われてる、って思ってたし。オレ自身も嫌いじゃないけど、絶対に好きになれない、って思ってたのにーー……。
今の状況が辛いのは、紫夕への想いや響夜への罪悪感だけじゃない。
胸の痛みと同時に、オレはキュッと甘く締め付けられる胸の苦しみも感じていたからなんだ。
……
…………。
「……あれ?弥夜君、もう寝ちゃったの?」
「……ああ」
お風呂から上がって、オレも寝る準備をして寝室に来ると珍しく弥夜君はすでにベッドの中で寝息を立てていた。
最近は毎夜のように「おとことおとこのおはなしです!」って、響夜と遅くまで喋っていた事もあったのに……。
「今日は、疲れてたのかな?」
そんな弥夜君を枕元に座って見つめる響夜の傍に行って、オレも可愛い寝顔を一緒に見つめる。
可愛い……。
最初、「おかあさん」って言われた時は驚いたし戸惑ったけど、今はとても愛おしいんだ。
オレは弥夜君が本当に可愛くて、自分の子供じゃなくても……。例え、お腹の子供が生まれても、同じように可愛がっていける自信があった。
離れたくない。
ずっと、一緒に居たいーー。
いつしか、そう思うようになってたんだ。
それから、…………。
ーー……優しい、瞳。
オレはふと、弥夜君の寝顔を見つめる響夜の横顔を見ていた。
以前、「橘さんに言われたから、弥夜君を作った」って言ってたけど、その瞳や表情に、オレは愛情を感じていた。
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