白き髪のガーネット【改訂版】

☆リサーナ☆

文字の大きさ
34 / 85
第5章

5-1

しおりを挟む
【ガーネット16歳】

久し振りに夢を見た。
それは幼い頃、時々見ていた夢。

真っ赤な辺り。
そこはおそらく戦場で、武装をした人や馬に乗った人が戦っている。
剣と剣がぶつかり合う金属音、歓声、怒鳴り声、悲鳴。

私は誰かに守られるように、抱き締められていて……。
でも、何が起こっているのか気になって……。
その腕の隙間から、見てしまうの。


いつもならそこで目が醒めて、ハッキリとしない夢の続きが……。
初めて、その先が見えた。

腕の隙間から覗いた、その瞬間。
私の瞳に映るのは戦い合う、二人の男性の一騎討ち。

青い髪の男性の剣が、紅い髪の男性の左肩を貫くの。

青い人の、勝ちーー。

そう、思った。

……でも。
でも、ね……っ。

……
…………。


「……ネット……ま。……ガーネ……様?
……、ーーガーネット様ッ!!」

名前を呼ばれて、私はハッとした。

「お疲れでございますか?ガーネット様」

椅子に座って、前のテーブルに頬杖をついて寝ていた私に声をかけてくれたのはメル。

「っ……、ごめんなさい。
少し休憩を、って思ったらつい寝ちゃったみたい」

心配そうな彼女に舌を出して微笑むと、私は自分の今の状況を思い出した。

私が今居るのは、水の国に近い場所に造った炎の軍が滞在する砦。
これから始まる水の国との戦に備えて進軍しやすいように、ゼアス様が築いた砦だ。


炎の国と水の国は昔から対立していて、未だにそのわだかまりが解ける事はない。
今から10年くらい前に、炎の国は一度水の国の砦を落としたのだが、本土までは攻め込めず失敗に終わり……。その際に生き延びた王子を有能な家臣達がかくまって密かに育てていたという話。
今はその生き残りの王子が水の国の王となり、同盟国の風の国達に支えられて勢力を伸ばしている。
全ては炎の国に復讐する為にーー。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない

くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、 軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。 言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。 ――そして初めて、夫は気づく。 自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。 一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、 「必要とされる存在」として歩き始めていた。 去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。 これは、失ってから愛に気づいた男と、 二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。 ――今さら、遅いのです。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

王子様への置き手紙

あおき華
恋愛
フィオナは王太子ジェラルドの婚約者。王宮で暮らしながら王太子妃教育を受けていた。そんなある日、ジェラルドと侯爵家令嬢のマデリーンがキスをする所を目撃してしまう。ショックを受けたフィオナは自ら修道院に行くことを決意し、護衛騎士のエルマーとともに王宮を逃げ出した。置き手紙を読んだ皇太子が追いかけてくるとは思いもせずに⋯⋯ 小説家になろうにも掲載しています。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あなたが決めたことよ

アーエル
恋愛
その日は私の誕生日パーティーの三日前のことでした。 前触れもなく「婚約の話は無かったことにしよう」と言われたのです。 ‪✰他社でも公開

お飾りの侯爵夫人

悠木矢彩
恋愛
今宵もあの方は帰ってきてくださらない… フリーアイコン あままつ様のを使用させて頂いています。

挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】 今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。 「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」 そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。 そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。 けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。 その真意を知った時、私は―。 ※暫く鬱展開が続きます ※他サイトでも投稿中

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...