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第5章
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しおりを挟むその現状を知ったゼアス様は「これ以上野放しにしてはおけない!」と、これまで蓄えてきた炎の国の力で、一気に叩き潰そうとクウォンに進軍を命じた。
……けれど。
クウォンはそれを望んではいない。
戦うのではなく、彼はなんとか水の王との交渉の場を設け、長く続いたこの啀み合いを終わらせたいと考えていた。
傷付け合い、血を流し合い、命を奪い合う……。この世で”仕方ない”と、当たり前の事のように皆が武器を持って進む道を、クウォンは必死に変えようとしている。
尊敬する、彼の姿。
私が幼い頃から憧れ続けた、大好きな人。
クウォンを助ける為に、彼の力になる為に。
たくさん色んな事を学んできた。
そして、クウォンと共に夢を叶える。
その為に、今私はここに居るの。
炎の国の使者として、クウォンの代わりとして、私は明日水の国王様と会って話をする。
水の国の警戒を解く為にクウォンが考えた策。
私の部隊は彼が特別に結成してくれた女性のみの小部隊。相手が女性ならば向こうの警戒心は多少薄れるだろうし、私は次期炎の国王であるクウォンの唯一の側室。
今回の交渉に最も適していると判断された。
勿論、水の国の出方次第でこちらに危険や不利な状況も考えられるが、クウォンは女官長の任を解いてまでメルを私の側に置いてくれたり、万が一に備えて色々と対策を考えていると言っていた。
……大丈夫。
何も不安に思う事はない。
私はクウォンを信じていれば、いいだけ。
自分を落ち着ける為に、私はクウォンと別れる日の事を思い出した。
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