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第6章
6-3
しおりを挟む大好きな二人が……。
クウォンとヨシュア兄様が、争い合うなんて…………。
耳も、目も、塞ぎたくなる私に、羽交い締めにしているクウォンが私の首元に……。剣を突き付けた。
「……妹姫の命が惜しければ、降伏しろ」
ククッと、感情のない、渇いた笑いが、私の耳元で響く。
「全てはこの日の為に、こいつを生かしてきたんだ。
炎の国に全てを明け渡すと誓え、ヨシュア王。たった一人の大事な肉親だ。
……もう、失いたくないだろう?」
私の大好きな声、じゃない。
冷たい、低い、ゾクッとする響き。
……
…………もう、聴けないの?
もう、呼んでくれないの?
”ガーネット”って、あの優しい声で……。
「っ……嘘。
……こんなの、違う……ッ」
自分の前に回されているクウォンの腕を、私は震える手で握り締めた。
この戦が終わったら、私を正室にしてくれるって……。
ずっと、永遠に傍にいてって……。
愛してる、って……クウォンは言ってくれた。
こんな、私を人質にするような事。
相手を強請るような真似、する筈ない。
「……。
俺はお前が大切だよ」
今にも崩れてしまいそうな私の心に、クウォンの声が滲みる。
信じたい。
貴方を、信じたい。
クウォンの言葉を、聴きたい。
彼の一言が、あれば良かった。
”ガーネット、愛してる”
そう言ってくれたら、私は……。
「ーー大切な大切な、交渉の材料だ。
俺の役に立ちたかったんだろう?炎の国に勝利をもたらす石に、なっておくれ」
期待した私に届いたのは、そんな言葉。
心がヒビ割れて、胸が張り裂けそう。
クウォンの心があれば、どんな過去があっても、何が真実でも私は良かった。
ずっと貴方の傍で輝く''宝石"でいられたのにーー!!
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