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第9章
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しおりを挟む彼女も、剣を捨てていた。
全く同じ瞬間に……。
「っ……無理、だよ。
私には……出来ないよぉ……ッ」
絞り出されたような、震えた声。
目にいっぱい涙を溜めた瞳で見上げられて……。まるで清らかな水が激しい炎を消すように、俺の嘘を打ち消す。
「……うん。
……。俺も、無理」
そう言ってガーネットの両脇に自分の手を入れると、幼い子供に高い高いをするように持ち上げて俺は微笑った。
「もう、演技なんて……出来ない」
見上げた先には俺の笑顔を見て微笑む彼女と、彼女の首に掛かったガーネットのペンダント。
「プレゼント。
突っ返されたのかと思った」
彼女を地面に降ろして、俺も自分の首に掛かったガーネットのペンダントを服の襟から出して見せた。
「まさか。
”変わらない一途な愛”、でしょう?」
ガーネットが、そう言って微笑んだ。
数日前、彼女が送ってきたペンダントは俺が贈った物ではなかった。
俺の言っていた”もう一つの意味”を理解したガーネットが、自分の気持ちをくれた贈り物。
"再会を願う深い絆”と”大切な人との不変の愛を願う、一途な愛”ーー。
俺の10年の想いは、確かに実っていた。
「10年前の事。父様はクウォンを恨んでなんていないわ。
母様を失ったショックで、確かに一瞬その怒りを貴方に向けた。
……けど。斬りかかる瞬間。
クウォンの表情を見て、貴方を信じられなかった自分を後悔して、急所を外したの」
何故ガーネットがあの時の事を知っているのか。ノクテ様の気持ちを知っているのか分からないけど……。彼女が纏っている水神のオーラのようなものが、真実だと伝えてくれていた。
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