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第9章
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しおりを挟む「ヨシュア王!水の民よ!聞けッ……!!
水の姫は私が貰い受けるッ!!」
満ち溢れた自信と勇気がそのまま表れたかのように、俺は今まで生きてきた人生の中で一番の大声を上げた。
そのまま黒炎を走らせ、ヨシュア王の元を目指して、戦う自軍と水の軍の上を大きく飛び越える。
着地した先にはヨシュア王と、その隣には大きな槍を構えたグラン将軍。立ちはだかる二人を前に、俺は炎の国の証である赤いマントと武装を解き、丸腰になった。
「……ただし、炎の国の王子としてではない。1人の男として、私は彼女を花嫁に迎えたい。
……炎の国も、父上も、捨てる覚悟です。
自分が信じた、自分を信じてくれたみんなと……。もう一度、一からやり直します」
俺のその様子に、ヨシュア王はただ黙って俺を見つめていた。
ノクテ様にそっくりな、表情。
その姿にまだ終わっていないのだと……。あの日約束した誓いは、まだ遅くないのだと自分に言い聞かせる。
「時間が、かかると思います。
……ですが。必ず、ノクテ様との約束を……。貴方の父上殿との約束を、果たしに参ります。
どうかその日まで、刃を納めて頂けませんか?」
俺は、まだ生きてる。
生きてる限り、出来ない事なんてない。
今まで俺は勝手に諦めて、何もしていないだけだった。
俺に足りなかったのは勇気と、何よりも自分自信を信じられない、事。
だが、今なら何でも出来る気がする。
新たな決意を胸に、真っ直ぐ瞳を逸らさずにいると……。
「ーー無理だ」
俺の言葉に、ヨシュア王はそう呟くと持っていた剣を振り上げた。
「っ……兄様ッ!」
その言葉と様子にガーネットが俺の前で両手を広げて守ろうとしてくれる。
見つめ合う、ヨシュア王と彼女。
「……。
今すぐは、無理だ」
暫く見つめ合っていたヨシュア王がそう言って、ドスッ!と振り降ろした剣を地面に突き刺した。
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