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第7章(2)ジャナフside
2-1
しおりを挟む……婿?
……婿、って…………。
結婚する相手……。花婿さんの、事だよね???
頭の中で繰り返して、ボクは必死に理解しようとした。
ツバサを褒めてくれる蓮葉様の一言一言に「うんうん」と共感していたボクだったけど、その最後の一言は……。
絶対に、ダメーーーーーッ!!!!!
と、叫ぼうと思った瞬間。
さすがにその一言は蓮華国の国の人達からしてもダメみたいで、ザワザワと騒ぎになったあげく、世話係の中で1番身分が高そうなおじさんが必死に止める。
「レ、蓮葉様!何をおっしゃいますか!」
「ぬ?わしも間もなく十六じゃ!そろそろ婿を迎えねばならぬじゃろう?」
「それはそうですが!夫となる御方は蓮葉様と共にこの蓮華国を背負って頂く大切な使命がございます!この者では身分が……」
「ツバサは一応、御曹司、と呼ばれる血筋を持っておるぞ?跡継ぎにならなんだだけで、この者の国では一般の者より身分はある」
「っ、しかし……」
「おまけに……。この者はいずれ、夢の配達人白金バッジの一人になる者じゃ」
「!!っ……なんですと、ッ」
その一言で空気が変わる。
蓮葉様の最後の一言で辺りは再びザワつき、おじさんはハッとしてツバサを見た。
すると蓮華様はニッと微笑って、周りの人達に語り掛けるように口を開く。
「夢の配達人白金バッジ。
そう、皆も知っておる通り我が国が誇る瞬空と同じじゃ。
この者はその瞬空が認め、今回わしのアメフラシの儀式での護衛に選んだ者。そして本人も、現在白金バッジへの昇格を賭けた任務中じゃ。
……どうじゃ?充分に、わしの婿になるに値するであろう?」
蓮葉様にそう言われて周りはシーンとなり、意見したり文句を言う人は誰もいなくなった。
それだけ全ての事を万能に熟す何でも屋、夢の配達人の白金バッジであると言う事がすごいのだと……。また、ボクがノゾミさんの前で"オッチャン"と呼んでしまった瞬空さんがすごい人なのだと思い知る。
口を挟む人がいなくなると蓮葉様はご機嫌になり、後ろで手を組むと少し前屈みになってツバサの顔を覗き込む。そして、もう一度尋ねた。
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