片翼を君にあげる②

☆リサーナ☆

文字の大きさ
156 / 231
第7章(2)ジャナフside

2-1

しおりを挟む

……婿?
……婿、って…………。
結婚する相手……。花婿さんの、事だよね???

頭の中で繰り返して、ボクは必死に理解しようとした。
ツバサを褒めてくれる蓮葉レンハ様の一言一言に「うんうん」と共感していたボクだったけど、その最後の一言は……。

絶対に、ダメーーーーーッ!!!!!

と、叫ぼうと思った瞬間。
さすがにその一言は蓮華国の国の人達からしてもダメみたいで、ザワザワと騒ぎになったあげく、世話係の中で1番身分が高そうなおじさんが必死に止める。

「レ、蓮葉レンハ様!何をおっしゃいますか!」

「ぬ?わしも間もなく十六じゃ!そろそろ婿を迎えねばならぬじゃろう?」

「それはそうですが!夫となる御方は蓮葉レンハ様と共にこの蓮華国を背負って頂く大切な使命がございます!この者では身分が……」

ツバサこの者は一応、御曹司、と呼ばれる血筋を持っておるぞ?跡継ぎにならなんだだけで、この者の国では一般の者より身分はある」

「っ、しかし……」

「おまけに……。この者はいずれ、夢の配達人白金バッジの一人になる者じゃ」

「!!っ……なんですと、ッ」

その一言で空気が変わる。
蓮葉レンハ様の最後の一言で辺りは再びザワつき、おじさんはハッとしてツバサを見た。
すると蓮華レンハ様はニッと微笑って、周りの人達に語り掛けるように口を開く。

「夢の配達人白金バッジ。
そう、皆も知っておる通り我が国が誇る瞬空シュンクウと同じじゃ。
この者はその瞬空シュンクウが認め、今回わしのアメフラシの儀式での護衛に選んだ者。そして本人も、現在白金バッジへの昇格を賭けた任務中じゃ。
……どうじゃ?充分に、わしの婿になるに値するであろう?」

蓮葉レンハ様にそう言われて周りはシーンとなり、意見したり文句を言う人は誰もいなくなった。

それだけ全ての事を万能に熟す何でも屋、夢の配達人の白金バッジであると言う事がすごいのだと……。また、ボクがノゾミさんの前で"オッチャン"と呼んでしまった瞬空シュンクウさんがすごい人なのだと思い知る。

口を挟む人がいなくなると蓮葉レンハ様はご機嫌になり、後ろで手を組むと少し前屈みになってツバサの顔を覗き込む。そして、もう一度尋ねた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】妻の日記を読んでしまった結果

たちばな立花
恋愛
政略結婚で美しい妻を貰って一年。二人の距離は縮まらない。 そんなとき、アレクトは妻の日記を読んでしまう。

顔も知らない旦那様に間違えて手紙を送ったら、溺愛が返ってきました

ラム猫
恋愛
 セシリアは、政略結婚でアシュレイ・ハンベルク侯爵に嫁いで三年になる。しかし夫であるアシュレイは稀代の軍略家として戦争で前線に立ち続けており、二人は一度も顔を合わせたことがなかった。セシリアは孤独な日々を送り、周囲からは「忘れられた花嫁」として扱われていた。  ある日、セシリアは親友宛てに夫への不満と愚痴を書き連ねた手紙を、誤ってアシュレイ侯爵本人宛てで送ってしまう。とんでもない過ちを犯したと震えるセシリアの元へ、数週間後、夫から返信が届いた。 ※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。 ※全部で四話になります。

苺の誘惑 ~御曹司副社長の甘い計略~

泉南佳那
恋愛
来栖エリカ26歳✖️芹澤宗太27歳 売れないタレントのエリカのもとに 破格のギャラの依頼が…… ちょっと怪しげな黒の高級国産車に乗せられて ついた先は、巷で話題のニュースポット サニーヒルズビレッジ! そこでエリカを待ちうけていたのは 極上イケメン御曹司の副社長。 彼からの依頼はなんと『偽装恋人』! そして、これから2カ月あまり サニーヒルズレジデンスの彼の家で ルームシェアをしてほしいというものだった! 一緒に暮らすうちに、エリカは本気で彼に恋をしてしまい とうとう苦しい胸の内を告げることに…… *** ラグジュアリーな再開発都市を舞台に繰り広げられる 御曹司と売れないタレントの恋 はたして、その結末は⁉︎

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

あなたが遺した花の名は

きまま
恋愛
——どうか、お幸せに。 ※拙い文章です。読みにくい箇所があるかもしれません。 ※作者都合の解釈や設定などがあります。ご容赦ください。

【完結】25年の人生に悔いがあるとしたら

緋水晶
恋愛
最長でも25歳までしか生きられないと言われた女性が20歳になって気づいたやり残したこと、それは…。 今回も猫戸針子様に表紙の文字入れのご協力をいただきました! 是非猫戸様の作品も応援よろしくお願いいたします(*ˊᗜˋ) ※イラスト部分はゲームアプリにて作成しております もう一つの参加作品「私、一目惚れされるの死ぬほど嫌いなんです」もよろしくお願いします(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”

フローライト

藤谷 郁
恋愛
彩子(さいこ)は恋愛経験のない24歳。 ある日、友人の婚約話をきっかけに自分の未来を考えるようになる。 結婚するのか、それとも独身で過ごすのか? 「……そもそも私に、恋愛なんてできるのかな」 そんな時、伯母が見合い話を持ってきた。 写真を見れば、スーツを着た青年が、穏やかに微笑んでいる。 「趣味はこうぶつ?」 釣書を見ながら迷う彩子だが、不思議と、その青年には会いたいと思うのだった… ※他サイトにも掲載

旦那様の愛が重い

おきょう
恋愛
マリーナの旦那様は愛情表現がはげしい。 毎朝毎晩「愛してる」と耳元でささやき、隣にいれば腰を抱き寄せてくる。 他人は大切にされていて羨ましいと言うけれど、マリーナには怖いばかり。 甘いばかりの言葉も、優しい視線も、どうにも嘘くさいと思ってしまう。 本心の分からない人の心を、一体どうやって信じればいいのだろう。

処理中です...