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第12章(5)ギャランside
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今まで生きてきて、1番緊張感した瞬間じゃった。
親分の元に入り、初任務を任された時よりも高鳴る鼓動。
不安、心配、恐怖、罪悪感……。
しかし、それだけではない。
ユメにもう一度会えるーー。
僅かながら、自分の中に打つ鼓動にはそんな喜びが込もっていた。
ワシがユメの元を訪れるようすすめてくれたのも、ノイじゃった。
ノイは本当にすごい。
自分で何でも屋を創る際に必要な資金作りに頭を悩ませていたワシに、彼は言った。
『ギャランさんの得意なゲームで増やしたらいいんじゃないですか?』
仕事の休憩時間にたまにやっていたカードゲームやボードゲーム。いつも1番だったワシの才能を見抜いて、ノイはそう言った。
特技とはいえ遊びが、資金作りに役立つなんて考えもしなかった。
『ギャランさんなら、大丈夫ですよ!』
その言葉を信じて臨んだ初カジノで、ワシは一夜にして何でも屋を創れる程の資金を手に入れた。
何度も何度もお礼を言って、儲けの一部を渡そうとしたワシに、ノイが言った。
『お金はいりません。その代わり、僕のお願い事をいくつか聞いてくれませんかーー?』
……。
本当に、無欲なノイ。
そんなノイの願いの一つが、この田舎町へ行く事。
『そこに、ギャランさんを待ってる人がいます。迎えに行ってあげて下さい!』
下手な占い師よりも絶対に当たるであろう、彼の予言のような言葉。
待っている人がいるーー。
その言葉に、ユメがワシを待っていてくれているのだと信じられて、ここに来た。
お世話になりながら何も言わず、ユメにあんな事をして逃げるように町を去った自分。
石を投げられようが、殴られようが、罵声を浴びせられる覚悟も出来ていた。
気を引き締めて町へ足を踏み入れ、ユメがいるであろう孤児院の方へ足を進めた。
元々そんなに人口のない、町というより村に近いこの町。各自の仕事が忙しい時間帯だからか町の人とすれ違う事はなく、孤児院の前にたどり着いた時、数人の子供達が目に映った。
そして、その子供達を見守る女性ーー……。
今まで生きてきて、1番緊張感した瞬間じゃった。
親分の元に入り、初任務を任された時よりも高鳴る鼓動。
不安、心配、恐怖、罪悪感……。
しかし、それだけではない。
ユメにもう一度会えるーー。
僅かながら、自分の中に打つ鼓動にはそんな喜びが込もっていた。
ワシがユメの元を訪れるようすすめてくれたのも、ノイじゃった。
ノイは本当にすごい。
自分で何でも屋を創る際に必要な資金作りに頭を悩ませていたワシに、彼は言った。
『ギャランさんの得意なゲームで増やしたらいいんじゃないですか?』
仕事の休憩時間にたまにやっていたカードゲームやボードゲーム。いつも1番だったワシの才能を見抜いて、ノイはそう言った。
特技とはいえ遊びが、資金作りに役立つなんて考えもしなかった。
『ギャランさんなら、大丈夫ですよ!』
その言葉を信じて臨んだ初カジノで、ワシは一夜にして何でも屋を創れる程の資金を手に入れた。
何度も何度もお礼を言って、儲けの一部を渡そうとしたワシに、ノイが言った。
『お金はいりません。その代わり、僕のお願い事をいくつか聞いてくれませんかーー?』
……。
本当に、無欲なノイ。
そんなノイの願いの一つが、この田舎町へ行く事。
『そこに、ギャランさんを待ってる人がいます。迎えに行ってあげて下さい!』
下手な占い師よりも絶対に当たるであろう、彼の予言のような言葉。
待っている人がいるーー。
その言葉に、ユメがワシを待っていてくれているのだと信じられて、ここに来た。
お世話になりながら何も言わず、ユメにあんな事をして逃げるように町を去った自分。
石を投げられようが、殴られようが、罵声を浴びせられる覚悟も出来ていた。
気を引き締めて町へ足を踏み入れ、ユメがいるであろう孤児院の方へ足を進めた。
元々そんなに人口のない、町というより村に近いこの町。各自の仕事が忙しい時間帯だからか町の人とすれ違う事はなく、孤児院の前にたどり着いた時、数人の子供達が目に映った。
そして、その子供達を見守る女性ーー……。
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