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第12章(5)ギャランside
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しおりを挟む「ーーッ?
あ、貴方は……もしかして、ギャラン、さん?」
そうワシを呼んだのは、教会のシスターが身に纏うようなローブに身を包んだ、年配の女性。その女性は、ユメが”ママ先生”と呼んでいた孤児院の先生じゃった。
驚いた表情のママ先生と目が合って、ワシは言葉が出て来なくて、何も言えず、ただ、深く頭を下げた。
ユメの育ての親である彼女。絶対に誰よりも、ワシを恨んでいるに違いなかった。
地面を踏みしめ一歩一歩、ママ先生の足音がゆっくりと近付いてくる。正面で止まって、もう一度「ギャランさん」と呼ばれた時は、歯を食いしばって顔を上げた。
しかし……。
「よく、来てくれましたね。
……おかえりなさい。貴方が来るのをずっと待っていたんですよ」
ーーえッ……?
耳を疑う優しい声と言葉。
驚きのあまり目を開くと、ママ先生はワシの予想とは真逆の穏やかな笑顔。
それに『おかえりなさい』と言う、まるでワシがこの町の住人か家族かのような迎え方。
何故……?
悪人と呼ばれても仕方のないと思っていた自分が穏やかに迎えられて茫然と佇んでいると、ママ先生はこう言葉を続けた。
「ついて来て下さい」
ワシにそう言って、子供達に「良い子にしているのよ」と声を掛けると、孤児院の裏の方へ足を進め始める。その後ろ姿にハッとして、ワシは追い付こうと早足で歩み寄った。
何処へ行くんだーー?
約二ヶ月程この町に滞在していたのに、ほとんど診療所とその辺りしか歩いた事のなかったワシは、ママ先生が何処へ向かっているのか全く見当も付かなかった。
だが、ママ先生の穏やかな雰囲気に期待してしまう。
この先にユメが居て、会える事を……。
そしてワシの気持ちも理解してくれ、ユメとの仲を認めてもらえるのではないか、と……。
期待で高鳴る鼓動。
……しかし。
現実は、そう甘いものではない。
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