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第13章(4)ミライside
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しおりを挟む「あ!お父さん、おかえりなさい!」
「!……その声は、ミライ?」
扉の開いた気配に目を向けると、そこには外出先から戻ってきた父が立っていた。
ここは夢の配達人の隠れ家内にあるマスターの部屋。
以前は前マスターだったおじいちゃんの部屋だっけど、今は現マスターであるお父さんの部屋なんだ。
僕が傍に行くと、優しい大きな手で頭を撫でてくれながらお父さんが言葉を続ける。
「また見に来ていたんですか?」
「はいっ、トレーニングに行く前に"あれ"を見るとヤル気がもっともっと出るんです!」
僕はそう答えて、再び視線を"あれ"の方に向けた。
父の仕事机の端に置かれたそこにあるのは、四角いガラスケースに入った一つの白金バッジ。
この白金バッジは三年前、当時所有者だったヴァロンさんが返した物だった。
やむ得ぬ事情でこの白金バッジを手放す形になってしまったヴァロンさんに代わって、当時誰が新たな白金バッジの夢の配達人になるかと話題になった。
ヴァロンさんの弟子だった僕はその時まだ後継出来る年齢ではなかった事から、当時マスターだったおじいちゃんはディアスという金バッジの夢の配達人を指名した。
……しかし。
そのディアスはそれを辞退し、またその次に有力候補だった者達もそれを断った。
その結果、この三年間この白金バッジの所有者は不在となっている。争い、奪い合われる事もなく……。
みんな、きっと分かっているんだ。
この白金バッジには、初代所有者の夢を届ける妖精リディア。そして、伝説の夢の配達人と謳われたヴァロンさん。
二人の強い想いが宿っている。
こんな、夢の配達人にとっては何よりも重い宝物を、自分達が簡単に手には出来ない。手にしてはいけないのだ、と……。
……
…………。
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