夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

☆リサーナ☆

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第13章(4)ミライside

4-2

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***

三年前ーー。
ヴァロンさんが夢の配達人を辞めてしまう一ヶ月位前の事。僕はヴァロンさんに修行してもらった。

人気者のヴァロンさんはお休みが滅多になくて……。それでも『引き受けたからには、何事も手を抜きたくねぇ!』って、仕事の合間合間に必ず時間を作って僕の成長を見てくれた。
だから、この日も久々に構ってもらえて嬉しかった。今日がヴァロンさんに稽古をつけてもらえる最後の日だとも知らずに、ただただ……嬉しかった。


「よし、ミライ!今日は鬼ごっこしよう!」

「!……え?鬼ごっこ、ですか?」

時刻は間もなく13時。
港街の中心にある中央広場の時計台を指差しながらヴァロンさんが言う。

「制限時間は今から2時間後の15時を報せる鐘が鳴るまで。それまでにミライ、俺を捕まえられたらお前の勝ちだ!」

僕はこれまで組手やピッキング、体力作りや夢の配達人の仕事で必要とされる細やかな技術を学んできた。
でも、今日の課題はまさかの鬼ごっこ。その、今までの修行内容とのあまりの違いに僕は思わずポカンとしてしまった。


そんな僕にヴァロンさんはニッと笑うと、アキレス腱を伸ばしたりその場でピョンピョン跳びながら手首を回したり、軽い柔軟をしながら説明を続ける。

「今から100数える間に、見つからない場所に逃げる。まあ、鬼ごっこと隠れんぼを混ぜた遊び、かな?
逃げる場所は港街全体だが、店や建物の中には入らねぇ。……だが、見付けるだけで終わりじゃない。俺を捕まえなきゃダメだ」

説明を終えたヴァロンさんが、少し屈んで目線を合わせて、僕の瞳を真っ直ぐに見つめてきた。
その、無邪気そうなのにどこか獲物を狙う豹のように鋭い、"捕まえてみろ"と挑発する輝きが、いつも僕の心を震わせる。さっきまで、鬼ごっこ=遊びだと僅かながらに軽く感じていた気持ちが、ガラリと変わった。

「どうだ?出来るか?ミライ」

本能で悟る。
これは遊びではない、真剣勝負なのだとーー。

「っ……はいっ!!」

ワクワクともゾクゾクとも言える胸の高鳴り。鳴り響く鼓動に突き動かされて、自然と大きな返事が口から飛び出ていた。
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