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第15章(2)アカリside
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しおりを挟む「す、すみませんでした!急いでいてっ……前をよく見ていなくて……。あ、ありがとうございま……、っ……!」
ーーでも。
安堵したのもつかの間、ゾクッとした。
見上げる私を見降ろす、冷めた氷の刃のような視線に……。
「ディ、ディアス……さん?」
思わず声が震えた。
私を支えてくれていたのは、マオさんの側近のディアスさん。
私が名前を呼ぶと、ディアスさんはニッコリと微笑った。
「……お久し振りでございます、アカリ様。こんな夜更けに、一体何処へ行かれるおつもりですか?」
「っ……」
何処へ行かれるおつもりですかーー?
その言葉は飾り。
そう尋ねているのに、尋ねていない。
絶対にディアスさんは、私がこれから向かおうとしている先を知っている。
だからここへ来たのだと……。私とマオさんを会わせない為に来たのだと、分かった。
……でも。
そうだと分かっても、黙って言う事を聞く訳にはいかない。私にだって、これ以上譲れないものがあった。
「私は……今からマオさんの元に行きます」
短く深呼吸して、覚悟を決める。
私はディアスさんから少し離れると、自分の脚でしっかりと前に立った。
「彼に、逢いに行きます!」
ディアスさんの瞳をしっかり見て、そう伝える。
逃げようとしたところで、全力で走ったところで、敵わない相手だからではない。
逃げちゃいけないのは、心の方だからだ。
自分の意志をハッキリして示さなければ、この先何も変わらない。
「お願いします、行かせて下さいっ……!」
真っ直ぐ進む為に、嘘や欺きはいらないーー。
自分の決めた未来に向かう為、私は今の素直な気持ちを告げた。
すると……。
「……っ、ははっ」
一瞬目を見開いて驚いた表情をしたディアスさんは、片手で頭を抱えるようにして、苦笑いした。
「ーー本当に、真っ直ぐなお方だ。
素直で、強くて、本当に美しい……」
苦しそうな表情で、私に言う。
その瞳に灯るのは、優しくて哀しい光……。
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