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第16章(3)マオside
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…………。
「ーーッ、……クシュンッ!」
「!……マオさん、大丈夫ですか?」
アカリさんがくしゃみをした僕を心配そうに見つめる。
彼女に逢えて、笑顔が見られて安心したのか、ようやくこの場の気候をこの身に感じた。
夜風に吹かれた潮風が冷たい。
「この近くにお祖父様の別荘があるんです。今夜はそこに行きましょう?
お祖父様には許可をもらっていますから」
笑顔の彼女がそう言って、僕の手をキュッと握った。
温かい体温が、じんわりと手から伝わって僕の心まで暖めてくれる。
「さっ、こっちですよ」
手を引いて、僕の前を歩いてくれるアカリさん。
ここに居た僕に、何も言わずに、何も聞かずにただ傍に居てくれるんだ。
そんな彼女の背中を見ていると……。時折り振り返ってニコッて微笑ってくれる姿を見ると、自分はここに居てもいいんだ、って感じた。
帰りたく、なくなっちゃうよ……。
思わず繋いでいる手に力が入ってしまう。
そしてそれを握り返してくれるアカリさんに、僕はただただ甘えていた。
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