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第19章(3)マオside
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しおりを挟む「ーーマオ様!如何なさいましたか?」
「!……ディアス」
思考を遮られるように声を掛けられて、ドキッと心臓が跳ねた。
目を向けると、邸の外でポケ電を見つめている僕を見付けたディアスが、あまりに早い退室に疑問を抱いた表情で近付いて来ていた。
「何かございましたか?それとも、ご気分が優れませんか?」
「っ……いや、……」
思わず口籠ってしまう。
今の僕の気持ちを素直に告げたら、ディアスはどう思う?
きっと、それを阻止しようとするだろう。
そう思った僕はポケ電を握り締めて、なんとか欺く方法を一瞬考えた。
でも……。
「……。
ディアス、僕は今からミネアさんの所に行く」
僕はディアスの目を真っ直ぐ見て、そう言った。
「大切な……。大切な話があるんだ!
だから、っ……止めないで、見逃してほしい」
嘘を吐いて、欺いて……。
それでは以前と何も変わらない。
今までの自分を変える為には、これまでと同じ事を繰り返してはいけないと思った僕は、今の気持ちをディアスに伝える事にした。
ディアスは最初僕の言葉に少し驚いていた様子だったが、すぐに微笑んで返事を返す。
「婚約者様の元へ行かれたいという申し出を、私が駄目という訳ないでしょう?
ただ、マオ様は本日アラン様の代理でこちらへいらっしゃっているのです。その役割は、しっかり務めていただけませんと」
そう言うディアスは、僕のミネアさんの元へ行きたいという真意に気付いていながら、明らかに見ないようにしていた。
「それに、突然のご訪問はミネア様にとっても不都合かも知れません。まず連絡を取って、後日お伺い致しましょう」
正論を突き付けて、僕を黙らせようとしていた。
……分かってるよ。
ディアスの言ってる事は、いつも正しくて間違った事じゃない。
仕事で忙しいミネアさんの事を考えて、僕だっていつも彼女からの連絡を待っていた。
アルバート様の別荘から帰って来てからも、会って話したくて、気持ちを確かめたくて電話を掛けても繋がらなくて。『会いたい』とメッセージをしたけどミネアさんからの返信は、なくて……。ずっとずっと、待ってたんだ。
っ……そう。
僕はいつだって、待ってるだけだったんだ!!
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