グレイ

第１章（２）紫愛side

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本名は楠木くすのき 鈴夏りんか。年齢は25歳。
第１部隊の隊員の一人で、ハルさんとは従姉弟で幼馴染み。魔器マギは大手裏剣ー夏輪かりんー。
明るい茶色の髪と瞳で、長いサラサラの髪を高い位置縛るポニーテールがとても似合った美人さんだ。
身長はパトラ程じゃないけど高くて168㎝。私と違っておっぱいも大きい。
ハルさんとのやり取りを見ていると怖そうに思えるけど、実は彼女も面倒見の良い優しいお姉さんだ。

「と、アレク、パトラ、紫夕シアちゃん！食事の邪魔しちゃってホントごめんね～！
そんな訳で、春来コイツはまだ仕事が終わってないから回収させてもらうわ～」

守護神ガーディアンの女性は強い。
リンさんにお説教されたハルさんは途中から何も言い返せなくなり、首根っこを掴まれて一緒に食堂を去って行った。

「ありゃ、完全に世話女房だな。
ま、ハルは優し過ぎて優柔不断な所があるから、尻に敷かれる位が丁度いいー……、っぐえ？！」

「空気読めよっ、クソアニキがッ！」

去って行った二人を見て思わずそう口にしたアレクの口に、私を気遣った猫舌のパトラは自分のうどんを冷ます用に持って来ていたお椀を塞ぐように突っ込んだ。
そんなやり取りにハッとして、私はすぐに笑う。

「大丈夫だよ、パトラ！ありがと！
ハルさんとリンさんが良い感じなのは、私も知ってる！お似合いだよね～あの二人！早く付き合っちゃえばいいのになぁ～！
さ！ご飯の続き続き～！アレク、ラーメン返してね～！！」

そう言って席に座りアレクからラーメンを取り返すと、私は再び笑顔で無邪気に食事を再開した。

心の何処かで、私はきっと諦めていた。
人型魔物である自分を私は嫌いじゃないけど、それを知った人が自分を受け入れてくれない可能性もある、って……ずっと思っていたから、…………。

私が好きになっても、本当の私を知ったら相手は……。

そう思うと、「好き」なんて言える筈もなかった。

兄貴にーにに、会いたいーー……。

そしてこんな時は、堪らなく同じ血を持つ兄貴にーにに、私は会いたくなってしまうのだった。

……
…………。