グレイ

第４章（１）紫愛side

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私にも人には簡単に話せない事がある。
だからもしかしたら、エマもそうなのかな、って思った私は、震える彼女の手を握って微笑んだ。
そしたらエマは、更に私にピッタリくっ付いて離れなくなっちゃって……。

「あの～総指揮官。
これはもう、エマちゃんは紫愛シアちゃんと同じ部隊なのが1番じゃないですか？」

「……だな。そうすっか！」

そんな様子を見たハルさんの言葉にパパが同意して、周りのみんなも「うんうん」って頷いて、エマは私の居る第2部隊に入る事が決まったんだ。

……
…………。

そして、アレクとパトラの元に報告と挨拶に来た今に至る。

突然決まって、アレクはめちゃくちゃ驚いた表情。
そりゃそうだよね。第２部隊はただでさえアレク以外女性だ、って事で今回の新人加入には除外対象だったのに、まさかの展開。
パトラに至っては、俯いちゃって肩をぷるぷると震わせている。

けど、二人の反応を大丈夫かな？と、見守っていた私の心配は杞憂だった。

「っ、な、なんて……。
な～んて！可愛いのぉ～～～！！！」

パトラは両手を両頬に当てて、目をハートマークにして、私にピッタリとくっ付いているエマを見つめながら歓喜の声をあげた。

そうだった。
忘れてた、パトラの好み。
小さい、可愛い、小動物etc……。
つまり、私より背が低く、可愛らしい小動物のような女の子であるエマは、パトラのドストライクなのだ。

「いい！いいわぁ～！theザッ bestベスト！！
紫愛シアとエマ！最っ高ベストな組み合わせペアだわぁ～！！」

この反応を見てお分かり頂けるように、パトラは大賛成の様子。
すると、私にピッタリで内気な様子を心配してか、アレクが言った。

「でもよ、総指揮官紫夕さん。この子、戦えんのか？」

「っんあぁ？！
そんなん私が護ってやるっつーの！！」

「いや、それはさすがに隊員としてアウトだろ……」

パトラが「ガルルッ」と反論するが、アレクの意見はもっともだった。
私達守護神ガーディアンの隊員は、魔物を相手にする危険がたくさんのお仕事。