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第1章(3)レイside
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しおりを挟むユイさんは優秀だが、人と群れる事をしない。
つまり、チームワークに欠けるのだ。
事件や任務によっては同僚達と手を組み行動するボク達調査員にとって、それは致命的。
彼女は変わってしまったんだ。
三年前、自らの無力で大切な人を失ってしまったから……。
現場に居合わせながら、ユイさんはアカリさんの誘拐を阻止出来なかった。
その結果。
ヴァロン様は敵の元に足を踏み込む事になり、そのままもう……。
ボク達の前に帰って来る事はなかった。
ユイさんは悔やんでる。
自分のせいで、ヴァロン様が……。
いや、たくさんの人の事を傷付けて、壊してしまったんだと。
だから彼女はきっと調査員になった。
もう、自分の無力さで人が悲しんだりしないように……。
でも……。
「……。ヴァロン様は……きっと今のユイさんを見た方が、悲しみますよ?」
誰よりも優しかったヴァロン様の事を思い出して、ボクはポツリと呟いた。
……
………。
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