夢の言葉と約束の翼(上)【続編⑤】

☆リサーナ☆

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第8章(2)アカリside

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***

持ってきたビニールシートの上に、作ってきたお弁当を広げる。
作りすぎかな?って思ったけど、マオさんが来てくれたから、念の為に全部持って来て良かった。


「わぁ~い!いただきまーす!」

食いしん坊のヒナタはパァッと表情を輝かせながら、一目散におむすびに手を伸ばし頬張る。

ヒカルは私がおしぼりで手を拭いてあげると、小さく「いただきます」を言ってもそもそと控え目に食べ始めた。

そして、マオさんはかと言うと……。


「?……マオさん。
どうぞ、遠慮しないで食べて下さいね?」

「!……あ、はいっ」

ビニールシートの上で正座して、じっと私の作ったお弁当を見つめていた。
渡したフォークを手に持ったまま、じっと。


「……もしかして、お腹空いてませんか?
それとも、嫌いな物がありましたか?」

以前のヴァロン彼ならば、好き嫌いなく何でも美味しそうに食べてくれた。


しかし、もしかしたら今のマオさんには食べられない物があるのかも知れない。

だったら、私は知りたいと思った。
マオさんの事を、もっともっと知りたい。

そんな気持ちで見つめていると、彼は予想外の言葉を口にする。


「……ずっと、思ってたんです」

「え?」

「貴女の、手料理……。
また、食べたいなって、思ってました」

!……っ~~~。

マオさんの嬉しい言葉に不意を突かれて、私の胸はキュンキュンと締め付けられた。
しかもしかも、そういう事を天然というか、素直に言っちゃう純粋さ。


ーーいや。
彼が可愛いのは、前からだ。
意地悪そうに見えても、可愛かった。


……やっぱり、変わらないね。

込み上げる愛おしさで、堪らなく泣きたくなる。
突然会いに来てくれたり、素敵な言葉でこんなに幸せにしてくれる。


愛してる、って叫びたいよ。
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