夢の言葉と約束の翼(上)【続編⑤】

☆リサーナ☆

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第8章(4)アカリside

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そうだった。
自分は夢中になると、周りが見えなくなる性格だった。

もう、普通に顔を合わせられない。
穴があったら入りたい……。

改めて思い出して、自己嫌悪に陥る。

……でも。
そんな気持ちで顔を逸らす私に、マオさんが言った。


「あ、あのっ……。
その写真、僕にも……送ってもらえませんか?」

「!……え?」

耳を疑った。

けれど、同時に思い出す。
彼はいつだって、私が喜ぶ事を、共感してくれる人だという事をーー。


ゆっくりと顔を上げてみたら……。
そこに居るのは、口元に手を当てて恥ずかしそうにしている彼。


「僕も、その写真……欲しいです。
だから、番号をっ……交換、しませんか?」

嫌な気持ちが、嘘みたいに消えていく。
私よりも顔を真っ赤にして照れながら、気持ちを伝えてくれるその姿が……。
懐かしさと愛おしさで、私をあっと言う間に幸せにしてくれるの。


「っ……はい!勿論、です!」

笑顔で頷いたら、すぐにマオさんも微笑み返してくれる。

自分が笑顔の時、大好きな人が一緒に笑っていてくれる。
たった、これだけで良かった。

何よりも尊い、幸せ。


……でも。
その幸せを手に入れる事は、簡単なようで、実は1番難しい。

そしてその現実は、常に私達に迫ってきていた。
ようやく笑い合えた私達に”忘れるな”と、言うように……。
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