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第8章(4)アカリside
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しおりを挟む「……でも、僕持ってるだけで全然使ってないんですよ。
だから、いまだに使い方分からない事だらけで」
「あはっ、私もですよ~」
「一緒ですね~」って、顔を見合わせて、マオさんと微笑み合った瞬間。
パシャッ!
と、言うポケ電の写真を撮る音。
「え?」と、その音の方に視線を向けると、ヒナタがにかっと笑って言った。
「とれた~!
ママもマオさんもかわいくとれた~!」
ピョンピョン跳び上がる娘の手には、ポケ電。
チラッと見えるその画面には、私とマオさんが写っていた。
「ヒ、ヒナタ!
ちょ、っ……ちょっと、貸して!」
私は慌ててポケ電を取り上げると、写真を確認する。
そこには、確かに私とマオさんが微笑み合う姿。
柔らかい、大好きな表情の彼が……写ってる。
……。
ポチッとボタンを押して、私は絶対に消さないよう保存した。
そして、再び画像を開いて見つめる。
娘に大感謝のツーショット。
嬉しくて嬉しくて、泣きそうなくらい嬉しくて、ずっと見ていても飽きないだろう。
ああ、もうすぐにでも待ち受け画面にしたい。
頭も心もお花畑にいるような気持ちだ。
すっかり自分の世界に入り込む私。
すると隣から、声が聞こえる。
「……本当だ。
ヒナタちゃん、写真撮るの上手ですね」
「!!っ……~~~」
その声と横から手元の画像を覗き込むマオさんの姿に、我に返った私は真っ赤になった。
やだやだやだッ!!
私、すっかり忘れてた~~~ッ!!
嬉しさのあまり、この状況の事などすっかり頭になかった。
マオさんの前で、ニヤニヤ気持ち悪い笑みを浮かべてしまっていたかも知れない。
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