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第12章(2)ヴァロンside
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【3月2日/シャルマ別荘】
「っ……は?何を、言っているッ?」
監禁された部屋の中で、俺は面会に来たシャルマに苦笑いしながら言った。
もう取り戻す事の出来ない、過去の幸せ。
壊された大切なもの。
今でも思い返せば、はらわたが煮えくり返る位に目の前シャルマを赦せない。
でも……。
アカリやヒナタの為に俺は復讐心を封じ込め、大切なみんなの元へ帰り、今とこれからの未来を大切にして生きて行くつもりだった。
それなのに……。
「お前にはこれから私の跡取りとして生きてもらう。嫌とは言わせん。
……お前だって、もうしっかりその道を自らの手で開いているではないか」
「何の事だッ……」
俺がもう、奴の跡取りとしての道を開いている?
意味不明な言動に顔をしかめる俺に見せるように、シャルマは机の上に数枚の写真を並べた。
それは、俺とミネアの写真。
数日前に一緒に居た際に、具合の悪くなった俺をミネアが抱き締めている写真だった。
「ミネア嬢はずいぶんと、お前を気に入っているそうじゃないか。
彼女と婚姻を結べば、未来は明るいぞ」
「……。
なるほど、父さんの事もっ……あんたはそうやって……ッ」
シャルマの言いたい事を一瞬で悟る。
自分の願望と欲の為に、息子だろうが孫だろうが……。家族でも売るシャルマ。
「アルバートの孫娘と、ミネア嬢。
どちらを選んだ方が特か、解るだろう?」
「……」
「アルバートの孫娘とは離縁してもらう。
もし拒めば、無理矢理お前の目の前から消えてもらうしか……ないな」
そう言ってシャルマは、俺を見て笑った。
人を見下し、自分の力で何でも思い通りにしてきた人の瞳をして……。
……。
俺は今、昔の父さんと同じ状況に……いるんだね。
「っ……は?何を、言っているッ?」
監禁された部屋の中で、俺は面会に来たシャルマに苦笑いしながら言った。
もう取り戻す事の出来ない、過去の幸せ。
壊された大切なもの。
今でも思い返せば、はらわたが煮えくり返る位に目の前シャルマを赦せない。
でも……。
アカリやヒナタの為に俺は復讐心を封じ込め、大切なみんなの元へ帰り、今とこれからの未来を大切にして生きて行くつもりだった。
それなのに……。
「お前にはこれから私の跡取りとして生きてもらう。嫌とは言わせん。
……お前だって、もうしっかりその道を自らの手で開いているではないか」
「何の事だッ……」
俺がもう、奴の跡取りとしての道を開いている?
意味不明な言動に顔をしかめる俺に見せるように、シャルマは机の上に数枚の写真を並べた。
それは、俺とミネアの写真。
数日前に一緒に居た際に、具合の悪くなった俺をミネアが抱き締めている写真だった。
「ミネア嬢はずいぶんと、お前を気に入っているそうじゃないか。
彼女と婚姻を結べば、未来は明るいぞ」
「……。
なるほど、父さんの事もっ……あんたはそうやって……ッ」
シャルマの言いたい事を一瞬で悟る。
自分の願望と欲の為に、息子だろうが孫だろうが……。家族でも売るシャルマ。
「アルバートの孫娘と、ミネア嬢。
どちらを選んだ方が特か、解るだろう?」
「……」
「アルバートの孫娘とは離縁してもらう。
もし拒めば、無理矢理お前の目の前から消えてもらうしか……ないな」
そう言ってシャルマは、俺を見て笑った。
人を見下し、自分の力で何でも思い通りにしてきた人の瞳をして……。
……。
俺は今、昔の父さんと同じ状況に……いるんだね。
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