131 / 185
第26章(4)ヴァロン&アカリside
4-7
しおりを挟む
【アカリside】
1年後の3月3日ーーー。
ここは、祖父アルバート様の別荘。私の部屋。
「……はい。出来ましたよ、アカリ様」
ローザの声に閉じていた目をそっと開けると、正面にあった全身鏡が椅子に座っている私の"今の姿"を映し出す。
「!っ、わぁ~~……!!」
その姿を見て、自分の姿ながら驚き感動せずにはいられなかった。
その姿とは、白無垢に身を包み、婚礼の為に美しく仕上げられた花嫁姿の私だ。
白無垢、ずっと着てみたいとは思っていたが憧れすぎて……。自分には、手に届かない物のように感じていた。
でも、「どうしても着て欲しい」って、いつの間にか自分でデザインしてオーダーメイドしていたヴァロンに手渡されて……。すごく嬉しくて、"ヴァロンが私の為に用意してくれたなら間違いない"って思って、今日、袖を通す事に決めた。
……けど。
まさか、ここまで似合うなんて……。
「とってもお綺麗です。アカリ様は和装もよくお似合いですね」
ポ~ッとしていると、ローザと一緒に支度を手伝ってくれたスズカが側でニコニコと微笑みながら声を掛けてくれる。
その言葉にハッとした。自分で自分に見惚れていた、という状況に恥ずかしくなり、私は上手く誤魔化そうと口を開く。……しかし。
「っ~~、あ、ありがとう。
で、でも!きっと、それはヴァロンが私に似合うようにデザインしてくれたからだよっ……!」
「アカリ様。それ、惚気にしか聞こえませんよ?
……ねえ?スズカさん」
照れ隠しに言った私の一言は余計だった。
惚気にしか聞こえない、という鋭いローザの指摘にスズカがクスクスと笑って、私は更に真っ赤。
そんな、朝から幸せに包まれた今日は私の25歳の誕生日。
そして、私とヴァロンの結婚式だ。
【明けましておめでとうございます!
今年もどうぞよろしくお願いします!(o^^o)】
1年後の3月3日ーーー。
ここは、祖父アルバート様の別荘。私の部屋。
「……はい。出来ましたよ、アカリ様」
ローザの声に閉じていた目をそっと開けると、正面にあった全身鏡が椅子に座っている私の"今の姿"を映し出す。
「!っ、わぁ~~……!!」
その姿を見て、自分の姿ながら驚き感動せずにはいられなかった。
その姿とは、白無垢に身を包み、婚礼の為に美しく仕上げられた花嫁姿の私だ。
白無垢、ずっと着てみたいとは思っていたが憧れすぎて……。自分には、手に届かない物のように感じていた。
でも、「どうしても着て欲しい」って、いつの間にか自分でデザインしてオーダーメイドしていたヴァロンに手渡されて……。すごく嬉しくて、"ヴァロンが私の為に用意してくれたなら間違いない"って思って、今日、袖を通す事に決めた。
……けど。
まさか、ここまで似合うなんて……。
「とってもお綺麗です。アカリ様は和装もよくお似合いですね」
ポ~ッとしていると、ローザと一緒に支度を手伝ってくれたスズカが側でニコニコと微笑みながら声を掛けてくれる。
その言葉にハッとした。自分で自分に見惚れていた、という状況に恥ずかしくなり、私は上手く誤魔化そうと口を開く。……しかし。
「っ~~、あ、ありがとう。
で、でも!きっと、それはヴァロンが私に似合うようにデザインしてくれたからだよっ……!」
「アカリ様。それ、惚気にしか聞こえませんよ?
……ねえ?スズカさん」
照れ隠しに言った私の一言は余計だった。
惚気にしか聞こえない、という鋭いローザの指摘にスズカがクスクスと笑って、私は更に真っ赤。
そんな、朝から幸せに包まれた今日は私の25歳の誕生日。
そして、私とヴァロンの結婚式だ。
【明けましておめでとうございます!
今年もどうぞよろしくお願いします!(o^^o)】
0
あなたにおすすめの小説
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
灰かぶりの姉
吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。
「今日からあなたのお父さんと妹だよ」
そう言われたあの日から…。
* * *
『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。
国枝 那月×野口 航平の過去編です。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる