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番外編 ミネアside
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しおりを挟む「迷惑かけたく、ないの……」
「うん」
「日の当たる明るい賑やかな場所よりも、夜の闇を静かに生きたいと、望む人だったから……」
「うん」
「……。でも、貴方からしたら巻き込まれて散々だったわよね?」
「うん?」
妊娠が発覚した時、本当の父親ではないのに婚約者という立場だった為に「逆玉だ」とか「上手くやった男」って言いたいように言われて……。それなのに『家族になろう』って、ずっと寄り添ってくれた。
今思い出しても、彼の良心を自分の良いように利用していただけだ。
「本当に、ごめ……」
「ーー散々だった、なんて思った事。一度もねぇよ」
「っ、え……?」
「あの時の俺は俺なりに、自分で人生を選んで生きてた。その人生を散々だった、なんて思わないし、思いたくもない」
「っ……」
「大変だったか?って言われたら、そりゃ大変な時もあったけどさ。……レノアーノに会う為だったんだ、って思えたら、全部帳消しだ!」
謝ろうとした言葉を遮って、ヴァロンはそう言うと微笑った。
何よ、意地悪。せっかく素直に謝ってお礼を言おうと思ったのに、何も言えなくなっちゃうじゃない……。
彼の言動にそう思いながらも、本当は分かっている。これがヴァロンの優しさなんだって。
その彼の優しさに救われて、わたくしはいつだってわたくしで居られるの。
「何よ、本当の父親みたいな口調で言っちゃって……。
言っとくけど、貴方の息子の嫁にはあげないわよ?」
「そりゃ残念!」
わたくしの皮肉っぽい口調に微笑って、楽しく返してくれる姿が眩しい。
本当に、本当に……。
わたくしは貴方が大好きだったわーー。
「……そうね。
でも、貴方にそっくりな男の子になら……嫁にあげてもいいわ」
心の底からそう思った。
これだけ自分に似ている娘。きっと性格も似ていて、意地っ張りで勝ち気な女の子へと成長するであろう。
そんな娘の相手がヴァロンのような男の子だったら、嫉妬してしまう程に羨ましくて……。でも、とても幸せで嬉しい未来だと感じた。
「アカリさんにも伝えて?
『ヴァロンにそっくりな男の子を産みなさい。わたくしが、娘の婿にもらうから』って」
「ははっ、了解~。
……あ、でもさ。それはせっかくなら直接お前からアカリに言えよ」
「え?」
「アカリも迷惑じゃなかったら今度お前に会いたいって言ってたし、ヒナタとヒカルも赤ちゃん見たいって騒いでんだよな」
……驚いた。
だって私は、以前アカリさんに酷い態度を取った。"マオ様はわたくしのものよ"と言わんばかりに、戦線布告の態度を取って、彼女を悲しませて、苦しませて……。
わたくしの顔なんて、もう見たくないだろうと思っていた。
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