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19話 自分の幸せ その1
しおりを挟む「フィルア王女殿下、フェリス王女殿下……この度は大変失礼致しました」
「いえ、既に謝罪の言葉はいただいていますので……何度も謝罪する必要はないと思いますよ?」
「お心遣い感謝致します、フェリス様」
ルーザ嬢は最後までそんな感じで謝罪をしていた。その後、彼女はフィルア姉さまの部屋から去って行く。
「ブンド殿の件といい、ルーザ嬢の件といい……とりあえずは上手く行きそうね」
「そうですね、姉さま。ありがとうございました」
「気にしないで。可愛い妹の為だもの。そんなことよりも、あなたはもっと考えないといけないことがあるでしょ?」
「私がですか?」
「そうよ」
なんだろう、一体……ブンド様やルーザ嬢のことではないと思うけれど。
「決まっているでしょう? 新しい恋、つまりは運命の人を見つける為の努力よ」
「あ、ああ……そういうことですか。確かにそうですね」
私は第二王女殿下になっている。国の発展も含めて新しい婚約者を見つけなければならないだろう。
「兄さま達もあなたの次の恋に関しては心配しているわ。しっかりと出来るのかってね」
「やっぱり、心配を掛けているんですね……あははは」
「本来ならゆっくりと考えなさい、と言いたいところだけど、フェリスの場合はすぐに動いた方が良いと思うわ」
すぐに動いた方が良い? それはなぜだろうか……?
「すぐに動いた方が良いというのはなぜですか? 何か理由があるんでしょうか?」
最近は落ち着いたらしいけれど、まだ勢力関係でのイザコザが続いているとか? それで、私には婚約者が居た方が安全だからとかそういう話になるのだろうか……ちょっと怖かった。
「なんだか怖い発想をしていない? そんなんじゃないわよ」
「えっ? じゃあどういう……」
「フェリスは今回、第二王女として降臨したも同然なのよ? あなたとお付き合いしたいと言う者達は多いはず。そういう意味で急いだ方が良いと言ったのよ」
「ああ、なるほど……そういうことですか」
私と付き合いたい人が多いか……まあ、確かに秘密の第二王女の正体が分かったわけだしね。新しい恋を見つける上で狙い目なのかもしれない。
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