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1話 追放された錬金術師
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「今日でお前はクビだ、フェリ」
「どういう意味ですか……?」
メギス・クレルモン公爵に私はいきなりそんなことを言われていた。クビ……? 正直、意味が分からないけれど……。
「これだから平民出の人間は教養や勉学が足りていないと言われるんだ、まったく……。お前はこの1年に渡って錬金術師として働いて来たな?」
「それは……はい。クレルモン公爵様の錬金施設で働かせていただいておりました」
ヴァンドル王国のクレルモン公爵と言えば、国家内で知らない人は居ないくらいに有名なお方だ。私や私の家族は彼の領地内で生活をしており、私は1年程前に錬金術の能力を買われて公爵の屋敷で働かせて貰えることになった。
他にも錬金術師は居たけれど、平民出の錬金術師は私だけだった。まあ、その辺りで色々とトラブルが起きたこともあったけれど……今日まで、公爵様の下で働けていたのに。
「ど、どうしてクビなのでしょうか……? 何か不手際がございましたでしょうか?」
頭の中で考えてみたけれど、特に大きなミスはしていなかったはず。錬金術師の仕事は主に色々な薬の調合にあるけれど。
「理由は簡単だ、フェリ・グラウスよ。我が領地内の平民でしかないお前を、錬金術師として働かせるわけにはいかん」
「そ、そんな……! どうしてですか……?」
「お前が平民だからだよ。他の錬金術師は皆、貴族出の連中なんでな。その者達からの不満も出ていた」
平民だからクビ? 貴族の感覚というのは皆、こんなに酷いの……? 信じられない。
「お前の代わりの錬金術師は既に決まっている。実力面から言っても、たかが平民でしかないお前など不要になるだろう」
「く、クレルモン公爵……」
滅茶苦茶な言い分だ……貴族だからって、錬金術の腕が優れている保証なんてないのに。
この様子ではろくに個々の錬金術師の実力も把握していなさそうね。
クレルモン公爵のことは少しは信用していたのに……まさか、ここまで酷いことを悪びれる様子もなく淡々と告げられる人だったなんて。本当に信じられないとしか言いようがなかった。
「わ、私の後任の錬金術師の人っていうのは……」
「ああ、それはもう気品に溢れる人物だ。何しろ伯爵令嬢に当たる人物だからな」
「伯爵令嬢……」
確かに私とは比較にならないくらい高位の人物みたいね。
「分かったらさっさと出て行くんだな」
「くっ……分かりました……」
ここで何を言ってもクレルモン公爵が意見を変えるとはとても思えなかった。いえ、そもそもの問題として、こんな話が出た以上、この職場で働くなんて考えられない。周囲の貴族錬金術師達に公爵の言葉を聞かなかった人物として、後ろ指をさされ続けるだろうし。
「今までの給料を加味すれば、お前の故郷まで簡単に帰れるだろう? その金を元手に新しい職でも探すのだな。はははははっ!」
「クレルモン公爵……」
彼の高笑いが部屋全体に響いている……まさか、こんな形で錬金術師としての職を失うなんて思わなかった。父さんや母さんは、公爵家での就職が決まった時には、とても喜んでくれていたのに、なんて言えば良いんだろうか?
私は悔しさで顔が歪んでしまいそうになっていた。必死で感情を押し殺して、クレルモン公爵の部屋を後にする。私は錬金術師としての仕事を失ってしまったのだ……。
「どういう意味ですか……?」
メギス・クレルモン公爵に私はいきなりそんなことを言われていた。クビ……? 正直、意味が分からないけれど……。
「これだから平民出の人間は教養や勉学が足りていないと言われるんだ、まったく……。お前はこの1年に渡って錬金術師として働いて来たな?」
「それは……はい。クレルモン公爵様の錬金施設で働かせていただいておりました」
ヴァンドル王国のクレルモン公爵と言えば、国家内で知らない人は居ないくらいに有名なお方だ。私や私の家族は彼の領地内で生活をしており、私は1年程前に錬金術の能力を買われて公爵の屋敷で働かせて貰えることになった。
他にも錬金術師は居たけれど、平民出の錬金術師は私だけだった。まあ、その辺りで色々とトラブルが起きたこともあったけれど……今日まで、公爵様の下で働けていたのに。
「ど、どうしてクビなのでしょうか……? 何か不手際がございましたでしょうか?」
頭の中で考えてみたけれど、特に大きなミスはしていなかったはず。錬金術師の仕事は主に色々な薬の調合にあるけれど。
「理由は簡単だ、フェリ・グラウスよ。我が領地内の平民でしかないお前を、錬金術師として働かせるわけにはいかん」
「そ、そんな……! どうしてですか……?」
「お前が平民だからだよ。他の錬金術師は皆、貴族出の連中なんでな。その者達からの不満も出ていた」
平民だからクビ? 貴族の感覚というのは皆、こんなに酷いの……? 信じられない。
「お前の代わりの錬金術師は既に決まっている。実力面から言っても、たかが平民でしかないお前など不要になるだろう」
「く、クレルモン公爵……」
滅茶苦茶な言い分だ……貴族だからって、錬金術の腕が優れている保証なんてないのに。
この様子ではろくに個々の錬金術師の実力も把握していなさそうね。
クレルモン公爵のことは少しは信用していたのに……まさか、ここまで酷いことを悪びれる様子もなく淡々と告げられる人だったなんて。本当に信じられないとしか言いようがなかった。
「わ、私の後任の錬金術師の人っていうのは……」
「ああ、それはもう気品に溢れる人物だ。何しろ伯爵令嬢に当たる人物だからな」
「伯爵令嬢……」
確かに私とは比較にならないくらい高位の人物みたいね。
「分かったらさっさと出て行くんだな」
「くっ……分かりました……」
ここで何を言ってもクレルモン公爵が意見を変えるとはとても思えなかった。いえ、そもそもの問題として、こんな話が出た以上、この職場で働くなんて考えられない。周囲の貴族錬金術師達に公爵の言葉を聞かなかった人物として、後ろ指をさされ続けるだろうし。
「今までの給料を加味すれば、お前の故郷まで簡単に帰れるだろう? その金を元手に新しい職でも探すのだな。はははははっ!」
「クレルモン公爵……」
彼の高笑いが部屋全体に響いている……まさか、こんな形で錬金術師としての職を失うなんて思わなかった。父さんや母さんは、公爵家での就職が決まった時には、とても喜んでくれていたのに、なんて言えば良いんだろうか?
私は悔しさで顔が歪んでしまいそうになっていた。必死で感情を押し殺して、クレルモン公爵の部屋を後にする。私は錬金術師としての仕事を失ってしまったのだ……。
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