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第36話、最終話
しおりを挟む俺がイナホ王国の国王になってから2年が過ぎて、余りにも行政機関がお粗末で苦労したが何とか国の組織が出来て国としての体制が整ってきたが、まだまだ前世に比べてお粗末だ。
塩を作る場所をナル王都にも作り、塩の生産は大幅に伸び国民は安価な塩を使えるようになった。
砂糖の生産も今年から始めたので魔法農業隊の活躍によって、てん菜の栽培面積も今年中に10倍に増やし2年後には国民誰でも安価な砂糖を手に入れることが出来るだろう。
当初の目的の塩と砂糖が手に入るようになった国民の食生活は飛躍的に伸び、ケーキ、お菓子などが子供でも食べられるようになって嬉しい限りだ。
最大の問題はこの国の人口が少なく慢性的な人手不足だ。
この国の面積は日本の2倍くらいあるのに人口はたったおおよそ2千万人くらいしかいない。
医療が遅れていて5歳までの死亡率が高く平均寿命が50代なのは問題だ。
不衛生なので病気になる人が多いので今は各地の街の水道下水の整備に力を入れている。
新たに厚生省を作り衛生管理と医療機関の充実を図っている所だ。
貴族たちの軍隊を持つことを禁止したお陰で領地を巡る争いもなくなり、国民は平和に暮らせるようになり喜んでいる。
今日は各大臣を集めて今後の方針を決める会議をする。
出席をするのは宰相レオナ、財務大臣ドリス、軍務大臣デニス、政務長官ブラッド、建設大臣イーネス、教育大臣カトリーヌ、新しく厚生大臣に任命したブルオネの7人だ。
最初に財務大臣ドリスが財務状況を報告をして。
「塩を王都にも生産拠点を作り売り上げが5倍になり、砂糖もまだ少ないが売り上げが増え今年度から白金貨2万枚2千億ルピーの黒字になりました。でも国民の税金を所得の10%から5%にするには難しい状態です」
軍務大臣デニスが貴族たちの状況を報告して。
「貴族たちの軍隊を王国軍に統合したので貴族同士の領地を巡る戦いは今の所、起きておりませんが今までの貴族の特権や奴隷制度を復活させようとしている輩もいるので反乱が起きる可能性もあるので警戒をしております」
その後も各大臣が現状を報告したが最後に教育大臣カトリーヌが。
「今年から義務教育をスタートさせましたが、子供を学校に行かせない親が多く困っております。原因は親が子供に仕事をさせる為に学校に行かせないのです。」
宰相レオナが。
「15歳以下の子供は働くのを禁止したらどうだ。働かせたなら罰金を取れば少しは良くなるだろう」
「試してみます」
俺は根本は労働力不足だと思ったが、今すぐに解決策は見つからず徐々に国民の意識を変えていくしかないと思っている。
前世の日本でも明治に入り長い年月をかけて義務教育を根つかせたと聞いているので、簡単に出来るとは思っていなくやはり時間がかかるだろう。
今は我慢しながら国民の意識を変えながら改革を進めていくしかない。
俺は戦いのなくなった国の各地区の農業指導をしながら見て回り農業政策を立てている。
各地を見て回りこの国は思ったより農産物や果物の種類が豊富で驚いた。
南の方ではバナナ、パイナップルに何と胡椒まで見つかったが果物は原始的味で流通させるのは改良が必要だった。
俺が得意の農業で改良を重ねた結果、果物の甘みが増し商品価値が高まり南地方の特産品になった。
俺が国王になってから20年が過ぎその間にオーロラと結婚し2男2女の子供に恵まれ、その子供も大きくなり長男は成人して今では俺の仕事の手伝いをしている。
私生活では良き妻と子供に恵まれ幸せな生活を送っている。
10年前には念願だったクラーク領の山脈にトンネルを貫通させてバルナ帝国とソラナ皇国との国交も始まり、塩、砂糖、米、果物、農産物を輸出して我が国は豊かになった。
今ではイナホ王国は大陸一の農産王国になり、国民は平和で豊かになったが、俺が目標としてきた自由で平等な国には程遠い。
未だに貴族制度は廃止出来ずに階級社会で本当に自由で平等な国になるのは、国民の意識が向上した俺たちの孫の代になるかもしれないだろう。
自分の半生を振りかえり、弱小貴族の子爵家に生まれ15歳で父親を亡くし子爵を継いでから戦国の世を生き抜き国王になった。
イナホ王国を起こして平和な農業王国を築いたが、俺の力だけでなく良い家臣と人材に恵まれたお陰だ。
これからも少しでも良い国にするために努力するつもりでいる。
最後まで読んで頂きお礼申し上げます。
これで完結です。
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