転生者は無属性魔法で世界を救う

黒ハット

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第6話、学園編1

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いよいよ、アロナ王都に行く日が来て、リンゲ師匠の家に来ている。

王都までは徒歩で20日間くらいで馬車でも10日間くらいは掛かるらしいのでリンゲ師匠の移転魔法で王城の師匠の部屋に移転するとの事だった。

両親は最後まで心配して特にお母さんが僕を抱きしめて泣いていてリンゲ師匠が呆れて。

「もう、一生の別れでも無いのにいい加減にしなさい。もう行くよ。アラン婆の腕に掴まっておくれ」

僕は抱きしめていたお母さんの手を解き、師匠のそばに行き。

「じゃー、お父さん、お母さん、元気でね。行ってきます」

別れを済ますと、リンゲ師匠が何やら唱えると、暗闇に包み込まれ、乗り物酔いのような感じになり、しばらくすると、明るくなり、広い部屋の中に居て僕は暫く茫然としていたが、師匠が。

「アラン、大丈夫か? 移転魔法は最初は気分が悪くなるが、慣れると何ともなくなるからのぅ」

と言われ、気を取り直して周りを見ると、大きな窓があるので窓から外を見てみると、この部屋は大分、高い所にあるらしく王都の街が遠くまで見渡せて吃驚して。

「わぁ~、王都は凄い所ですね~」
 
リンゲ師匠は、大笑いをして。

「ハッハッハー! 田舎者、丸出しじゃのぅ~、前世で見た街と比べてどうじゃ? 」

師匠に言われて思い出してみると、前世の中世のヨーロッパに似ていると思い、師匠に前世の世界の様子を話すと。

「ほぅ、そうか。魔法も気法力も無くてその代わり科学と言うものがあるのじゃな」

そんな話をしていると、ドアをノックして20代と思われる綺麗な女性が現れて、

「リンゲ様、お帰りなさいませ、早速ですがバロン陛下が執務室の方でお待ちです。
戻ったならアラン様を連れてすぐに来るようにとの事です。
あら、私としたことが、そちらの坊ちゃんが噂のアラン様ですか? 私はリンゲ様の王都での侍女のマキシ、コラトウと申します。宜しくね」

僕も慌てて。

「初めまして、アランです。凄く綺麗な方ですね。お世話になります。此れから宜しくお願いします」

リンゲ師匠は笑いながら。

「ハハハ アラン、お主はお前の父親が言うように、女たらしの要素があるのぅ~、アハハハ」

僕は何のことか意味がわからず、首をかしげながら侍女のマキシさんの先導で部屋を出て、王様の所に向かって歩いていく途中、廊下にはふかふかの絨毯が敷いてあり、壁には所々に絵が飾られ、壁際には鎧や壺などが飾られていて前世の高級ホテルみたいだった。

暫くして、綺麗な彫刻のしてある扉の前で侍女のマキシさんが、扉の金具を鳴らして。

「リンゲ様とアラン様をお連れしました」

中から部屋に入るようにと言われ、入室すると、
部屋の中は大分、広く書斎みたいな感じで後で執務室とおしえられた。国王と思われる体格の良い髭を綺麗に整えた壮年の男性がいた。

僕はリンゲ師匠に教えられたように胸に手を当て、片膝をついて礼をした。

「ふーん、その方がアランか。年齢よりは大人びているな。此処は私的な場所だから気楽にしなさい」

言われて立ち上がり、侍女のマキシさんに言われたソファーに座った。


バロン陛下は暫く僕を見ていたが、侍女のマキシさんを退室させてから。

「アラン、余はお前の事をリンゲ婆から大体の事は聞いているが、お前から直接、詳しく聞きたいのだが、話してくれるか」

僕はどこまで話して良いのか、わからず困っていると。

リンゲ師匠が頷き。

「アランや、バロン陛下には全部、話して良いのじゃぞ」

言われて僕は前世の記憶の事、ビアンカ女神から言われた事、魔法も気法力も使える事など、全部、詳しく話した。

聞き終わったバロン陛下は、少し間を置いて。

「アランの言うことが、余には嘘と思われん。世界の滅亡など信じたく無いが、現実にその兆候が世界各地で起きているからな。今迄になかった魔獣が現れ一夜にして村が消滅している」

バロン陛下は続けて、国力を上げて軍の防衛力の向上などに取り組んでいる事などを話して、最後に。

「アラン君、君は見た目は7歳の子供だが、話してみて内面は30歳の大人だと分かったから此れからは此の世界を救う同志として又、友人として付き合ってくれるか」

僕は恐縮してしいまい。

「ありがとうございます。陛下に対して平民の私が友人のようにと言われて恐れ多いのですが、そのように出来るよう心がけます」

その後、お茶を頂きながら話しをして、リンゲ師匠の部屋に戻り、夕食を食べてリンゲ師匠から今晩は此処で泊り明日、王立学園に行き、入学と入寮の手続きをすると言われて用意された部屋で眠りについたのだ。



次の日リンゲ師匠のマキシさんの案内で王立学園に来ていた。

学園は王宮から豪華な馬車に乗せられて来たが、道中、住んでいた村と近くのバンダイの街と違い、賑やかで流石に王都だなと思いキョロキョロしてしまいマキシさんから笑われてしまった。

馬車で30分位して学園に付き、マキシさんの案内で学園長の所に連れて行かれて学園長の面接を受けている。

学園長は、50代くらいの恰幅のよい綺麗な女性で僕を見て。

「ようこそ王立学園に、私は学園長のソマリ、ラスイトだよ。リンゲ先輩から君の事は優秀だと聞いて楽しみにしていたわ。此処は平民も居るが、貴族の子息が多いので一応は学園内は平等となっているが色々あって大変だと思いますが頑張ってね」

「はい、頑張ります。リンゲ師匠から聞いていたよりも大分、若くて綺麗なので驚きました。これからよろしくお願いします」

隣でマキシさんが、笑いをこらえて。

「アラン君は、絶対、女たらしになるわ」

僕は何でそう言われるのか分からず、キョットンとしていたのだ。

学園長も、クスクスと笑いながら学園の規則や学園には、魔法科、気法科、剣術科、淑女科があり、僕は魔法科になり、今から教師と模擬試験をしてクラスが決まるとの事だった。

学園長とマキシさんの3人で模擬試験の場所に行くと、広い体育館みたいな所で均整のとれたイケメンの若い男性がいて。

「ほう、お前が7歳で特別枠で無理やり入学した平民の子供か? 模擬戦だからと言って殺しはしないけれど手加減はしないからな。俺はトロサ、サワリノだ」

最初から感じの悪い先生だなと思いながら僕は。

「アランです。よろしくお願いいたします」

学園長が。

「私が審判をするからね。私が止めと言うまでで、止めと言ったならすぐに止めるように。お互い得意の魔法で攻撃して良いからね。此処の場所は魔法で死なないようになっているので手加減なしで攻撃していいからね」

そう言って学園長は始めの合図をした。

トロサ先生は魔法を発動させる詠唱を始めたが、僕は無詠唱で風の真空刃を首では無くて足に放つと。

一瞬でトロサ先生は足を切り落とされ悲鳴を上げて気を失い倒れた。

学園長とマキシさんは、茫然としていたが、学園長が慌ててトロサ先生の所に駆け寄り、切り落とされた足をトロサ先生の体に付けて詠唱すると青い光に包まれて。

足が元の状態になり、僕は治癒魔法を初めて見て治癒魔法を覚えなくてはと思い、トロサ先生の足が治ってホッとした。

学園長は僕の所に来て。

「君は無詠唱で魔法を放つ事が出来るのね、無詠唱で魔法を放つ人を見たのは初めてだわ。それとあの魔法は何ですか? 初めて見たわ。君はとんでもない魔法の才能があるのね」

僕は戸惑い、何と答えて良いか困って。

「えっ? 僕は下級の魔法しか使えないのですが」

学園長は何か諦めたように、

「考えてみれば、リンゲ先輩が君の事をあの子は規格外だからと言った事がわかったわ」

マキシさんは、自慢気に僕を見ていて、困ってしまっていると、トロサ先生が気が付き、辺りを見渡し。

「あれ? 私はどうしたの?」

学園長がトロサ先生を呼んで模擬戦の結果を説明すると、トロサ先生は信じられないと言い、もう一度模擬戦をさせてと、言い出したので学園長が。

「分かりました。アラン君、今度は治癒魔法が効かない位に足だけでなくて、身体中を刻んであげなさい」

僕は学園長が怖いと思ったが、言葉に出さずに黙って離れた所にある太い木に向かって風の真空刃を放つと、木はスパッと切れて倒れた。

僕がトロサ先生に。

「わかりましたか? これで先生の足を切り落としたのですよ。学園長がすぐに治癒魔法で元に治したけれど、本当の闘いでしたなら足ではなくて首を落としていましたよ。此れでも、もう一度、闘いますか? 」

トロサ先生は真っ青な顔になり、慌てて模擬試験場から逃げ出した。

その後学園長の部屋に戻り、学園は初等部が3年で高等部が5年で卒業までは8年かかり、僕は初等部の1年で、クラスは初級、中級、高級、特別級があり、特別級に入学すると言われた。

授業は明日から出るように言われ、又マキシさんの案内で男子寮に行くと、寮は3階建てで結構綺麗だった。

入寮の手続きをして部屋に行き、部屋に入ると部屋はベッドと備え付けの机と服を入れるクローゼットみたいのがあり、ドアがあるので開けてみるとトイレとシャワールームがあり、前世でいうワンルームみたいだと思った。

マキシさんが使い方を教えてくれた後。

「アラン様、疲れたでしょう。でもリンゲ師匠から聞いていたけれど、アラン様は本当に凄いですわね。子供とは思えないですわ」

僕はマキシさんに褒められて照れてしまい

「そんな~、綺麗なマキシさんに褒められると、照れてしまいますよ。それより様は止めてくれませんか。僕は子供で平民ですしマキシさんは男爵令嬢で貴族なのに」

マキシさんは僕のそばに来て、頬を引っ張り。

「ホントウにもう~、女たらしね。その女性を綺麗とか褒めまくるのは止めなさい。子供のころはいいですけれど大人になってもそんな事をしていたなら女は勘違いするわよ。それと言われた様は止めてアラン君と呼ぶね」

「えっ、お世辞で褒めていませんよ。本当に綺麗と思うから言っているだけですよ。綺麗でない人には言いませんよ」

マキシさんは此れはダメだ。僕は女に関しては天然だと思い、諦めて何かあったら学園長に連絡するように言って帰っていった。

お腹が空いて、1階に寮生のための食堂がある事を思い出し食堂に行くと、恰幅のいいおばさんがいて。

「あら? 見たことが無い子だね。新入生かい? 」

「はい、今日からお世話になるアランと言います。此れから宜しくお願いします」

おばさんに食堂の使い方などを聞いて、定食みたいのを食べたが結構、量が多くお腹が満腹になり、部屋に戻った。

この世界で生まれて初めて一人になり、ベッドに横になり、両親は今頃どうしているかなと思っていたが、疲れていたのかそのまま寝てしまった。
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