魔物テイマー強い魔物がほしいけど癒しも必要だよね

夜風甚助

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討伐依頼

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翌朝早朝からトレーニングに勤しんでいる、ランニングに始まり素振りに終わるそれが終われば水浴びをして朝食を食べる何時も通りの朝食を平らげるとクロが櫛を要求した。

「少しだけだぞ?」

「にゃ?」

クロは櫛がお気に入りの様だ。膝の上で三十分程といてやると機嫌が良くなる、それが終ると協会に向かった。魔玉に入るのも今日はすんなりだ。

(毎日これ位良い子にしてくれたら良いんだけどなぁ)

通りは人が疎らで静かだった。昨日買ったハムサンドを一つ買いこれを昼食にする予定だ。協会に着くと何時もの男の所に行き生命草の依頼を受注する、今日は前回行った場所とは別の場所に行く予定だ。

門をくぐりクロを出すと、前回行った場所の手前にある小さい森で少しばかり採取しそれが終ると前回行った割と広大な森の手前で採取する予定だ。

森に着くと陽の当たりが良いところを探して採取を開始する、森自体が小さい為か生命草はあるものの数自体少なくあまり量が採れない、それでも生活の為に一心不乱に採取する一時間程採取すると生命草の数がぐっと少なくなった。

「ここはこれ位かなぁ……」

「にゃっ!」

クロはそうだなここ少ないもんなと言うように鳴いた後何時もの定位置に登る、クロが定位置迄登り終えると歩き出した。

早朝故に陽射しも優しく空気がとても気持ち良いそんな事を思いならが森に着くとまたモクモクと作業を始める、昨日採った所とは少し離れた所で一心不乱に採取を始めた。そんなルシウスを見て朝から頑張るねぇと日向ぼっこを始めるクロ。

そんなクロの事さえも忘れる様に没頭しあっちにこっちに移動しながら採取を続けた。二時間程採取をすると腰を降ろした。

「……少し休憩するか……もっと集めないと水筒買えないなぁ……」

マジックアイテムの水筒は旅をするなら必須のアイテムで最近外で依頼をする事があるルシウスはそのマジックアイテムが欲しいと思っていた。何も飲まずに作業を続けるのは結構キツいのだ。

休憩中もルシウスは忙しい、クロが構え構えと催促を始めるからだ。櫛でとかすのは疲れるので、お腹をコチョコチョしたりしながら構ってやる。

「にゃ、にゃにゃー」

お腹をコチョコチョすると堪らないらしくてクロは身をよじりながらルシウスに訴えるもう止めろと、そんなこんなで和みながら休憩するとライズ達が現れた。

「おお、ルシウス早いな! 今日はどうだ?」

眠そうな顔をしているライズにセラは苦笑いをしている。

「まぁボチボチかな、昨日よりは数が少ないけど」

ライズの変わり身にビックリしながらも、普通に接した。

「だよなぁ……俺達明日からゴブリンとコボルトの討伐依頼やるけどルシウスも行くか?」

「報酬はいくら位になるのかな?」

今はお金が欲しいルシウスは報酬が良いならやっても良いと思っている、村に居る時もゴブリン等は討伐しているしライズ達が居るなら大丈夫だと思っているからだ。

「そうだなぁ、報酬自体はゴブリン一体で銅貨三十枚だな。コボルトは銅貨五十枚だ。ルシウスが一緒に来てくれるなら一日の稼ぎを四人で分ければ良いと思っているどうだ?」

「それなら俺もやるよ! お金が必要だからさ」

ルシウスの返答に嬉しそうなライズ達、話が終るとライズ達と共に採取を始める。

「あの……ルシウスさんの魔物って最初弱ってませんでしたか?」

「あぁ、なんか捨てられてたって聞いたよ? 新人の女性冒険者が保護したとか……もしかしてセラが保護したの?」

あの時の黒猫が今目の前に居りとても元気そうにしている事がセラはとても嬉しかった。

「やっぱりそうなんだ……触ってみても良いよね……」

ルシウスが止めようとしたが、セラはそのままクロを撫でるとクロは自分から触られに行った。

「この顔可愛い……」

「にゃ?」

クロは気持ち良いのかもっと撫でてよ!と催促の鳴き声をあげた。クロもセラの匂いを覚えて居たのだろう安心して撫でられているそれをみたテラも近寄って恐る恐るクロを撫でた。

「たしかに……これはハマりますね……」

テラに心を許している感じでは無かったが静かに撫でられていた。

「じゃあ、俺も良いよな!」

「にゃー!!」

ライズがクロに近づくと尻尾を逆立てて威嚇している、それを見てルシウスがクロを宥めようとしたが落ち着く気配が無い。

「えっ……なんで俺はダメなんだよ!」

ライズは負けず嫌いなのか果敢にクロに挑んでいった……結果……。

「いってぇ! コイツ噛みやがったぞ!」

慌ててルシウスがクロを抱き上げて落ち着かせるが興奮しており中々落ち着かない。

「ライズさんが無理矢理するからですよ……もう諦めた方が良いんじゃないですか?」

テラの話も聞かずクロに触ろうとするライズはルシウスに怒られてしまった。

「嫌がってるんだからやめろよ!」

ルシウスがライズを怒ると、クロも落ち着き直し近づくんじゃないぞとじっと睨み付けていた。そんなクロを見てライズは肩を落とし、少し離れて生命草の採取を始める。

「ごめんねぇ……うちの馬鹿が」

セラが謝罪の気持ちでクロを撫でると気持ち良さそうにうたた寝を始めた。

「そういや俺の事は呼び捨てで良いから」

「いやぁ……呼び捨ては流石に……じゃあルシウス君って呼ぶね」

「僕はさんづけのままでお願いします。まだ会ったばかりですし」

「分かった。無理強いはしないから適当に頼むクロの事も宜しくな」

ある程度話すとお金を稼ぐべく、各自採取を再開させた。
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