BOX・FORCE

hime

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第2章 七魔編-七魔団結成-

[第1話:Devils]

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『…本部正面、7つのNAMELESS反応…。かなり強力なエネルギー反応です!総員、戦闘配置!』



日本特殊防衛組織『BOX・FORCE』の本部、新宿にある都庁の真裏に建てられたその建物の館内放送が、サイレンと共にけたましく響いた。

「何!?7つの"NAMELESS"反応だと!?」

彩科院は通信に向かってそう叫んだ。

『…はい…。そして、たった今分析完了…。えっ…ひっ…人型ですっ!…というより…人間の生命反応が89%っ…!』

通信員の時水 維智郎ときみず いちろうは、時折戸惑いながらも状況説明をした。

「…ちっ…"四神ししん"以外にもいたって事かよ…。全部隊、本部正面玄関に集合っ!現場対応を行う!」

彩科院は焦りながら通信に叫んだ。


BOX・FORCEの全部隊が本部正面玄関に集合すると、向かい側に見覚えのある黒いローブ姿に、フードを深く被った7つのの人影があった。

「…貴様ら…NAMELESSかっ…?」

彩科院は全部隊の先頭に立ち、7つの人影に向かってそう言った。

「…彩科院隊長…。いや、彩科院 鬼介さいかいん きすけ、か。」

7つの人影の真ん中にいる人物は、そう言うと両手に刀のような武器を手にして姿を消した。

「…へぇ、あなたが"BOX・FORCE"を。こりゃ面白い。」

その声と共に、一瞬にしてその人物は彩科院の目の前に姿を現した。
そして、二本の刀を思いっきり彩科院に振るった。
彩科院はそれを、"裁馬刀シェバーエピー"で受け止める。
その勢いで、その人物のローブのフードが外れた。

その人物の姿に、BOX・FORCE一同は驚きの表情を隠せなかった。

「…貴様…、樫間 紘紀かしま ひろき…。」

樫間は刀を強く握りしめ、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。

「…どうも。てっきり、"BOX・FORCE"は自然消滅したと思ってたけど…あんたがトップとはね…。」

樫間はそう言うと、再び姿を消した。
そして次の瞬間、数メートル後方に退いた。

「日本特殊防衛組織『BOX・FORCE』、ね…。守ってみろよ。我々"七魔団しちまだん"に潰されねぇようになぁ…!」

樫間はそう言うと、またも姿を消し、一瞬にして彩科院の目の前に現れ、彩科院を蹴り上げ飛ばした。

(…何っ…!?こいつのスピード、以前とは別人のように速くなっている…。)

樫間に蹴り飛ばされた彩科院は、体勢を立て直し、刀を構えた。

(…いや…違う。こいつのスピードが速くなってると同時に…。)

彩科院が何かに気づいた瞬間、樫間は彩科院の背後に現れた。

「…"アスモレウス"の特殊能力…それは"速度変化"さ…」

ニヤリと笑いそう言うと、樫間は彩科院の背中に足を振り下ろした。

「…ぐはっ…。」

彩科院はそのまま勢いよく地面に叩きつけられた。
そこには、かつての樫間 紘紀の姿はなく
2本の刃を構え、黒いオーラを滲みだす
"四神"の"ヴァリアル"を思わせるシルエットであった。
しかし、その姿はまるで"悪魔"そのものだ。

「…やるぞ。相手が誰であれ、俺たちの目の前にいるのは、俺たちの"敵"だ。」

矢島は一同に喝を入れ、武器を構えた。

「…邪魔はさせないよ。」

樫間と共にいたローブ姿の1人が、攻撃を仕掛けようとする矢島の間合いに入ってそう言った。

矢島がその攻撃を"猪突槍"で受け止める。
攻撃の勢いで、ローブが捲れると
またもその人物に驚かされた。

「…チャン…リーフォン…。」

弁髪だった襟足は、ツインテールのように2つに分かれ、右目の下に爪痕のような模様を施したチャン・リーフォンが矢島の相手であった。

「…俺は樫間に付くよ。樫間は、俺たちを正しい方向に導いてくれる。」

チャンはそう言うと、矢島の首筋を狙って手刀を繰り出した。
矢島は間一髪でチャンの手刀を"猪突槍"で抑えた。

「…どうなってんだよ、一体…。」

矢島は冷静に相手をするも、戸惑いを隠せない。

「…BOX・FORCE…。まずはこの組織を"壊滅"させることが我々の目的だ。」

チャンに、これまでの慈悲の感情などと言ったものは存在していないかのように見えた。

すると、チャンの首筋に大きな鎌の刃が当てられた。

「リーフォン。そこまでだ。」

チャンの背後に、身長160cm弱ほどの人影が現れ、その手にはチャンの首筋を狙う鎌の肢が持たれていた。

「…すまない。」

チャンが口を慎むと、その人影は鎌をクルクル回して自分の身元で構え直した。
回転の風力により、その人影のフードが外れると、銀髪の幼い少年の顔が現れた。

「…さぁ、紘紀さんが決めるよ。」

銀髪の少年は、目の前の矢島から視線を逸らし、樫間と彩科院の戦闘に目をやった。

「…白牙はくがっ!」

その瞬間、"七魔団"のうちの1人が叫びながら銀髪の少年に近づいた。

白牙と呼ばれた少年が向かいくる方向に目を向けると、第3真隊のスミレ・エレーナが、攻撃を仕掛けてきていた。
少年に近づいた七魔団の1人は、スミレの振り降ろしたヌンチャクを、両手に持つトンファーで抑えた。

「…元フランスの軍人さんでしたっけ?殺気がダダ漏れよ?さてはあなたビッ…」

ヌンチャクとトンファーのぶつかる衝撃で、七魔団の1人の姿が露わになった。
彼女は羊のような天然パーマのブロンドヘアを靡かせ、メイクの乗った目を鋭くしながらスミレを見ていた。
七魔団の女性団員がスミレに向かってそう言い切る前に、スミレはその女性団員に向かって勢いよく踵を振り下ろした。

しかし、スミレの攻撃は女性団員によって防がれた。

「…ダメダメ。気が早いわ。…もっとじっくり、ゆっくり、楽しみましょ?」

女性団員は、スミレを弾き飛ばすと笑みを浮かべてそう言った。

「…この女…」

スミレは強く歯を食いしばった。
その表情から、悔しさが溢れ出ていた。



一方、激しく交戦し続けている樫間と彩科院_

彩科院は、樫間の予想外の攻撃に押されていた。

「…貴様がどんな力を手に入れたかは知らないが…我々に攻撃する以上、貴様は敵だ。」

彩科院は、"裁馬刀"を樫間に向けてそう言った。

「…元よりそのつもりだけど?」

樫間はというと、余裕の表現を見せていた。

そこへ、彩科院の背後から樫間に向かう人影が現れた。
その手に持たれた刀と、樫間の持つ刀がぶつかり合う。

「…かっしー…どう言うつもり?」

刀から雷を溢れさせながら、迅雷寺は樫間に問いかけた。

「…どうもこうも、これが現実さ。」

樫間は、迅雷寺の攻撃を片手一振りで退けた。
すると、樫間を黒い大きな手のようなオーラが包み込んだ。

「…紘さんは…やらせない…。」

そのオーラの元には、小柄な人影があった。
その人物は、静かにそう呟いた。

「大丈夫だ、緋彩ひさや。俺はやられはしないよ。」

樫間は、その小柄な人影に優しく言った。

「これより我々は、日本特殊防衛組織『BOX・FORCE』の壊滅及び
副本部長”クリスティーナ・パンダ”を、抹殺する。」

樫間がそう宣言すると、7人の人影は煙のように姿を消した。
去った後の場所を見ながら、BOX・FORCEの面々は各々に思いを口にした。

「『BOX・FORCE』の壊滅…。」

矢島はチャンにやられそうになった首筋を抑えながら、自分に言い聞かせるようにそう呟いた。

「…パンダ副長の抹殺だと…?樫間の奴…何考えてやがる…。」

彩科院は、樫間から受けた攻撃の痛みを感じながら、顔をしかめて言った。


これは樫間による、真実と陰謀に対する
長く厳しい戦いの幕開けとなった…。


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