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第2章 七魔編-七魔団vsBOX・FORCE-
[第30話:"honey rabbits"Aspectus]
しおりを挟む「…またこうして、皆の前に姿を見せるとは思ってなかったよ。
"honey rabbits"の、お出ましだ。」
そう言って、姿を現したのは
元BOX・FORCE第2部隊"リリィ"隊長の
蒼松 聡悟であった。
「…蒼松…聡悟…。」
樫間は"悪魔の双剣"を構えた。
蒼松との再会に思いを馳せる様子もなく、 むしろ蒼松と敵対する姿勢を見せた。
「…まあ待て待て、紘紀。そう焦るな。」
蒼松は樫間に向かってそう言った。
その口ぶりは、相変わらずである。
「俺は…いや、俺たちは"七魔団"と戦うつもりはない。」
蒼松は、七魔団の面々を見渡してそう言った。
「…ならば、何故ここに現れた…。
それも今更…。」
樫間がそう言った瞬間…。
「…それハ…提案をしに来たんだヨ。」
聞き覚えのある、少し高めのその声は空からやってきた。
それは、紛れもない"ジャッキー・小秋・マイケル"である。
一同が空を見上げると、3つの人影が飛び降りてきた。
その3人も華麗に地面に降り立つと、そのうちの1人は彩科院の姿を睨みつけた。
「…キレ鬼隊長さんよぉ。念願の"第1"の隊長になれたんだってなぁ?よかったじゃねぇかぁ…
って、何だよその姿。ボロボロじゃねぇか。ダッセ。」
煽り口調でそう言ったのは、相変わらずの赤と黄にグラデーションしたパーマ髪を靡かせた獅蘭 継斗であった。
「…まあまあ、そう言ってやんなさんな。」
喧嘩腰の獅蘭を宥めていたのは、長髪に顎髭姿の蓮田 瑛介であった。
「…ジャック…獅蘭…それに蓮田まで…。生きていたのか…。」
樫間は、3人の姿を驚いたように見ていた。
「た…隊長…!…無事だったんだな…。」
チャンは安堵の表情であった。
しかし、自身が"七魔団"である事を思い出したのか、すぐに様子を戻した。
「…てめぇ…誰かと思えば、獅蘭 継斗じゃねぇか。その節はうちの"咬惡須"を可愛がってくれてありがとなぁ?」
獅蘭の姿を見るや否や、道影は"リヴァイアサン"を構えて戦闘体制を見せた。
「あ?ああ。誰かと思えば、あの時の渋谷のチンピラか。…なんだその武器は?少しは強くなったんだろうなぁ?」
獅蘭はそう言って道影の挑発に応える仕草を見せた。
「まあまあ。落ち着けって。俺たち"honey rabbits"は、彼らと戦うつもりはないってさっき言ったろ?獅蘭。」
今にも戦闘を始めそうな獅蘭を、蒼松が宥めた。
「…だから、何をしに来たのだと聞いているのだ。
場合によっては、"honey rabbits"諸共始末する。」
樫間はそう言うと、蒼松たちに"悪魔の双剣"を向けた。
すると、蒼松は落ち着いた口調で話し始めた。
「…俺たちは、"honey rabbits"。
2年前の大戦以降、独自に"箱装問題"を調査しているチームだ。」
蒼松がそう言うと、ジャッキーはパンダの姿を睨みつけた。
「…やっと辿り着いたヨ。やっぱり、あんたが"黒幕"だったって訳だネ。」
"honey rabbits"の面々は、今にもパンダを襲撃するかの様な面構えで睨んでいる。
「…これはこれは…まさかこんな懐かしい面々と再開するとはな…。
お前らの事は仕留めたと報告を受けていたが…どうやら仕留めきれずだった様だな。」
パンダはそう言うと、今度は銃口を"honey rabbits"に向けた。
「…だが、そんな事はどうでもいい。どうせお前らなど、すぐに消してやる。
その為の力を手に入れたのだからな…。」
パンダがそう言った瞬間、
本部ビルが激しい音をたて始めた。
「…もうすぐここも崩れる。
明日、お前たちを消しに再び参上するとしよう…。」
すると、一瞬にして本部ビルに大きな亀裂が入った。
「…獅蘭!蓮田!本部内部に残った職員の救出急ゲッ!
…それと、チャン。手を貸して欲しイ。」
ジャッキーはすぐさまそう指示を出した。
そして七魔団員の方を振り返り、チャンの目を見てそう懇願した。
チャンは判断に迷い、樫間の顔色を伺った。
「…七魔団員に次ぐ。
"目標"は任せろ。内部人員の保護優先だ。
…力の使用は問わない。」
樫間はそう指示すると、ジャッキーの顔を見た。
「…こんな事、言うつもりはなかったが…一時的に力を貸してもらうぞ。
…仕留め損ねるなよ。」
樫間はそう言うと、翼を大きく広げたパンダ目掛けて突撃した。
「…これでいいかナ?総長。」
ジャッキーは、蒼松に向かってそう言うと"鷹目銃"を構えた。
「…今はこうするしかないさ。」
蒼松もそう言うと、樫間の後を追い
パンダに突撃した。
「…逃すかぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
超高速でパンダに接近する樫間は、そう叫びながらパンダに斬りかかった。
「…しぶとい奴め…。」
パンダは樫間の顔を見てそう言うと、上空を見上げた。
そして、膝を曲げて飛び立とうとした瞬間、激しい雷音と共にパンダの右腿と左肩に銃撃が当たった。
「…何っ…!」
銃撃によってバランスを崩したパンダに、
樫間は"黒刀"を振りかぶった。
「…"黒闇時獄斬"っ!!!」
樫間の"黒刀"に、暗黒のオーラが纏われた。
その刀で、パンダを斬りつけようとした時…。
樫間の周囲が影で覆われた。
本部ビルの一部が欠損し、樫間目掛けて落下してきたのだ。
(…まずい…っ!)
樫間は咄嗟に反転し、上空から降り落ちるビルの残骸目掛けて攻撃を放った。
残骸は木っ端微塵となり、その破片は突如としてゆっくり雪の様に舞い落ち始めた。
しかし、安心も束の間。
樫間が再びパンダに視線を戻すと
彼の姿はもうそこにはなかった…。
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