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【第1章:飛翔】
第2話:Don't Want to Lose
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若越vs伍代の跳躍勝負当日。
棒高跳びピットの周りには、見物の生徒が学年問わず数多く集まった。
夕暮れにはまだ早いが、少し日が落ちた頃。
グラウンドには、乾いた風が少し吹いていた。
ウォーミングアップを一通り終わらせた若越は、羽瀬高にあるポールを何本か見比べていた。
一方の伍代は、先にポールを手にして跳躍練習を始めていた。
「使えそうなのある?大丈夫?」
若越は漸く使えるポールを見つけると、グリップ(※1)部分にテーピングを巻き付ける。
そこに、1人のジャージ姿の女子陸上部員が声をかけた。
彼女は、焦茶色のショートヘアで背は低め。
有名スポーツブランドのジャージ姿の女子部員であった。
「…お気遣い、ありがとうございます。」
若越は少し緊張気味にそう言った。
「あ、自己紹介がまだだったね。私、羽瀬高陸上部短距離、跳躍マネージャーの桃木 玻菜。宜しくね。」
桃木は、若越にニコッと笑顔を見せてそう言った。
若越は軽く頭を下げて、返事をした。
「1年、若越 跳哉です。」
無愛想にそう言うと、若越はポールを持って助走路に向かった。
(…半年ぶりか。)
若越は胸の中で1つだけ、そう考えていた。
(今は余計な事は考えない。これが俺の最後の棒高跳びだ。)
若越は助走路に入るやすぐに、スッとポールの先端を上に挙げた。
そのままの勢いで、若越は走り出した。
リズミカルな助走からポールの先端を勢いよくボックス(※2)に突き刺すと、
いきなりポールを大きく曲げて、体を反転させた。
若越の体は、4m70cmに掛けられたゴムバー(※3)の上を、20cm程高く跳び越えた。
若越がマットに着地するや否や、おぉーという歓声が上がった。
「…マジかよ。ブランク半年でいきなりこれか…。」
助走路にて、次の跳躍練習を待っていた伍代も関心していた。
「拝璃~、もしかしてビビってる?」
助走路脇から、桃木が伍代に茶々を入れた。
流石の伍代も若越のポテンシャルには、驚きを隠せなかった。
「んなわけねぇだろ?もも。俺はあいつには負けない。」
そう言い放って、伍代は跳躍へ向かった。
20分程経った頃、伍代は若越に声をかけた。
2人とも、準備はバッチリの様子である。
「俺はいつでも行けるぜ。お前はどうだ?」
「俺もいつでも良いっすよ。」
若越は、余裕そうにストレッチしながら言った。
「先行は譲ってやるよ。」
伍代も、余裕の表情であった。
それもそのはず。伍代の自己ベストは、1年次の秋に出した4m95cmである。
「いや、後でいいっす。」
若越は、伍代の気遣いに軽く言い返した。
先行であれば、先に跳べる分目の前で越えられるのを目の当たりにして、プレッシャーを感じる事はなくなる。
それに、先に越えてしまえばそれなりに余裕も出てくる。
伍代は、それを見据えて敢えて先行を譲ったが、若越にあっさり断られた。
(俺は、先に跳ばれようと何しようと関係ない。
俺の跳躍は今日でお終い。1発越えて、それでお終いだ。)
伍代は若越の答えに驚いていたが、直様その意を呑み込んで跳躍の準備をした。
「そうか。なら始めようか。」
伍代はそう言うと、助走路に入った。
ゴムバーが外され、通常試技用のバーが4m90cmに掛けられた。
ギャラリーたちが静まり返る。
風が、ほんの少し伍代に追った。
「行きます。」
伍代は静かにそう言うと、ポールの先端を高く上げて右足を踏み出した。
その助走は先程までの練習とは打って変わって力強く、リズミカルであった。
伍代のポールの先端が、ボックスに突き刺さり
バン!という大きな音が鳴り響いた。
勢いよく曲がるポールの流れに従って、伍代の体は上下反転した。
ポールが元に戻る反発が来る頃には、伍代の足は真っ直ぐバーの上に向かっていた。
伍代の体が回転し、腹部がバーの上を越えた。
しかし、ポールを最後まで触っていた右腕が越えきれずにバーに触れた。
伍代の体と同時に、バーもマットの上に落下した。
ギャラリーからは、落胆の声が聞こえた。
「…んー、もうちょっとだなぁ。」
マットの上の伍代は、左手で後頭部を掻きながら少し悔しそうな声で言った。
それでも、伍代は焦りや緊張感を見せる様子は無かった。
伍代がマットから降りると、若越がすぐに準備に入った。
「…若越って、全中優勝者らしいぜ…。」
「半年もやってなくて、いきなり跳べるものなのかなぁ…?」
ギャラリーの声が少し大きくなり、若越の耳にも聞こえてきた。
(…周りがうるせぇなぁ。)
若越は手にタンマグを乗せて、満遍なく掌に広げた後、
パァァァン!!!
と大きく手を叩いた。
ギャラリーたちは驚いて、静まり返った。
空気が一瞬にして若越のものとなる。
「…行きます。」
若越はそう呟くと、ポールの先端を上げてそのままの勢いで走り出した。
伍代に比べたら、多少乱雑な走りではあったが、
その姿は現役伍代に負けず劣らずのキレがあった。
若越は、助走が終盤に差し掛かると、
右腕を勢いよく上に突き出してボックスに突っ込んだ。
誰もがその跳躍に期待を寄せていた。
しかし、若越は踏み切らずに
マットに駆け上がって行った。
「…合わねぇなぁ…。」
若越は、首を傾げながらそう呟いた。
そんな若越の姿を、後ろから伍代が見つめていた。
(…1発で越えてくると思ったけど…。煽りのつもりなのか?
…まあいい。次で決めれば問題ない。)
若越がポールを持ちながらマットを降りると、
伍代がすぐ様ポールを持ち上げてスタンバイした。
「行きまぁぁぁっす!!!」
伍代は1本目よりも大きな声を出した。
その気迫は、見ている全ての者を注目させた。
今度は、伍代の空気に様変わりした。
(…乗ってきたか?)
若越は、伍代の姿を睨むようにして見た。
伍代の助走は、1本目よりも速く力強かった。
伍代のポールの先端が、ボックスに突き刺さり
バン!
という大きな音が鳴り響く。
勢いよく曲がるポールの流れに合わせて上下反転した伍代の体は、1本目よりも余裕を持って真っ直ぐバーの上に向かっていた。
伍代の体は、4m90cmのバーから10cm上を越えていた。
右腕もバーに触る事なく、そのままマットに落下した。
跳躍成功だ。
ギャラリーからの大歓声が、グラウンドの一角の棒高跳びピットを包んだ。
「よっしゃっ!」
マットから起き上がった伍代は、小さくガッツポーズした。
伍代はポールを手にすると、喜びを抑えてマットから降りた。
「やったね!拝璃。」
伍代にそう言いながら、桃木はタオルとスポーツドリンクを持って近づいた。
「…いや、まだ分かんねぇ。」
伍代の視線は、助走路に立つ若越に向けられていた…。
(…越えてきた、か。)
若越は再び両手にタンマグを広げると、両脚の太腿裏を思いっきり叩いた。
脚部の筋肉を刺激して、さらなる助走スピードを試みる。
(…越えるしかねぇ…か。)
若越は伍代への歓声が鳴り止まない雰囲気の中、助走を始めた。
1本目よりも、助走リズムは整っていた。
スピードも、先程より速くなっている。
(…行けるっ…!)
若越の確信は、力強い踏み切りに繋がった。
若越の踏み切りと同時に、ポールは見事に湾曲してみせた。
上下反転した若越の身体はバーよりも15cm近く、直前の伍代よりも高く跳ね上がった。
若越の体がバーの上を越え、後はポールに残した右腕が越えるだけ。
(…腕が、引けねぇ…。)
右腕を離すのが遅れ、若越は無理矢理越えさせようとするが、その腕はバーに接触しながら落下してしまった。
「…くそっ…。」
背中からマットに落下した若越は、右手でマットを殴った。
「…いやいや、まじかよあの跳躍…。」
マットから少し離れた場所で見ていた伍代は、そう呟いた。
そこに、勢いを流しながら2人の男子部員が走ってきた。
2人は練習の最中であったが、伍代に話しかけた。
「…はぁ、はぁ…ん?拝璃、あいつは?」
乱れた前髪を掻き上げながら、1人がそう言った。
「おう、勝馬に満康。あいつは…期待の後輩になるかもしれない奴だ。」
伍代は、真っ直ぐ若越の姿を見ながらそう言った。
「…ふぅん。もう練習加入してんの?俺らに挨拶ないけど。」
もう1人が、ズレたメガネを掛け直しながらそう言った。
前髪を掻き上げていた七槻 勝馬と、メガネを直していた音木 満康。
2人は、短距離ブロックに所属する伍代の同級生部員である。
「…いや、これは練習じゃない。あいつが今後、棒高を続けるか否かの勝負なんだ。」
伍代は、2人にそう説明した。
「まあ何でもいいけど。
勝負ってんなら負けんじゃねぇぞ。こんなところで負けてたら、全国なんて行けねぇからな。」
七槻は伍代の背中を叩きながらそう言った。
「…そうだな。あいつを連れて全国に行く。俺たちの目標を越える為には、あいつが必要だ。」
伍代は、3回目の跳躍へ向かう若越の姿から目を離さなかった。
※1:ポールの持ち手。選手によって、ポールの持ち手は変わるが、基本的に先端に対して逆端の方。
※2:棒高跳びの助走路の先、マットの手前に設けられた溝の事。助走路より少し低い位置に底がある。
※3:通常、高跳びに用いられるのは固い素材のバーで、その上を越える競技なのだが、練習時はゴム製のものを引っ掛けてバーの乗せ直しの手間を省く。
棒高跳びピットの周りには、見物の生徒が学年問わず数多く集まった。
夕暮れにはまだ早いが、少し日が落ちた頃。
グラウンドには、乾いた風が少し吹いていた。
ウォーミングアップを一通り終わらせた若越は、羽瀬高にあるポールを何本か見比べていた。
一方の伍代は、先にポールを手にして跳躍練習を始めていた。
「使えそうなのある?大丈夫?」
若越は漸く使えるポールを見つけると、グリップ(※1)部分にテーピングを巻き付ける。
そこに、1人のジャージ姿の女子陸上部員が声をかけた。
彼女は、焦茶色のショートヘアで背は低め。
有名スポーツブランドのジャージ姿の女子部員であった。
「…お気遣い、ありがとうございます。」
若越は少し緊張気味にそう言った。
「あ、自己紹介がまだだったね。私、羽瀬高陸上部短距離、跳躍マネージャーの桃木 玻菜。宜しくね。」
桃木は、若越にニコッと笑顔を見せてそう言った。
若越は軽く頭を下げて、返事をした。
「1年、若越 跳哉です。」
無愛想にそう言うと、若越はポールを持って助走路に向かった。
(…半年ぶりか。)
若越は胸の中で1つだけ、そう考えていた。
(今は余計な事は考えない。これが俺の最後の棒高跳びだ。)
若越は助走路に入るやすぐに、スッとポールの先端を上に挙げた。
そのままの勢いで、若越は走り出した。
リズミカルな助走からポールの先端を勢いよくボックス(※2)に突き刺すと、
いきなりポールを大きく曲げて、体を反転させた。
若越の体は、4m70cmに掛けられたゴムバー(※3)の上を、20cm程高く跳び越えた。
若越がマットに着地するや否や、おぉーという歓声が上がった。
「…マジかよ。ブランク半年でいきなりこれか…。」
助走路にて、次の跳躍練習を待っていた伍代も関心していた。
「拝璃~、もしかしてビビってる?」
助走路脇から、桃木が伍代に茶々を入れた。
流石の伍代も若越のポテンシャルには、驚きを隠せなかった。
「んなわけねぇだろ?もも。俺はあいつには負けない。」
そう言い放って、伍代は跳躍へ向かった。
20分程経った頃、伍代は若越に声をかけた。
2人とも、準備はバッチリの様子である。
「俺はいつでも行けるぜ。お前はどうだ?」
「俺もいつでも良いっすよ。」
若越は、余裕そうにストレッチしながら言った。
「先行は譲ってやるよ。」
伍代も、余裕の表情であった。
それもそのはず。伍代の自己ベストは、1年次の秋に出した4m95cmである。
「いや、後でいいっす。」
若越は、伍代の気遣いに軽く言い返した。
先行であれば、先に跳べる分目の前で越えられるのを目の当たりにして、プレッシャーを感じる事はなくなる。
それに、先に越えてしまえばそれなりに余裕も出てくる。
伍代は、それを見据えて敢えて先行を譲ったが、若越にあっさり断られた。
(俺は、先に跳ばれようと何しようと関係ない。
俺の跳躍は今日でお終い。1発越えて、それでお終いだ。)
伍代は若越の答えに驚いていたが、直様その意を呑み込んで跳躍の準備をした。
「そうか。なら始めようか。」
伍代はそう言うと、助走路に入った。
ゴムバーが外され、通常試技用のバーが4m90cmに掛けられた。
ギャラリーたちが静まり返る。
風が、ほんの少し伍代に追った。
「行きます。」
伍代は静かにそう言うと、ポールの先端を高く上げて右足を踏み出した。
その助走は先程までの練習とは打って変わって力強く、リズミカルであった。
伍代のポールの先端が、ボックスに突き刺さり
バン!という大きな音が鳴り響いた。
勢いよく曲がるポールの流れに従って、伍代の体は上下反転した。
ポールが元に戻る反発が来る頃には、伍代の足は真っ直ぐバーの上に向かっていた。
伍代の体が回転し、腹部がバーの上を越えた。
しかし、ポールを最後まで触っていた右腕が越えきれずにバーに触れた。
伍代の体と同時に、バーもマットの上に落下した。
ギャラリーからは、落胆の声が聞こえた。
「…んー、もうちょっとだなぁ。」
マットの上の伍代は、左手で後頭部を掻きながら少し悔しそうな声で言った。
それでも、伍代は焦りや緊張感を見せる様子は無かった。
伍代がマットから降りると、若越がすぐに準備に入った。
「…若越って、全中優勝者らしいぜ…。」
「半年もやってなくて、いきなり跳べるものなのかなぁ…?」
ギャラリーの声が少し大きくなり、若越の耳にも聞こえてきた。
(…周りがうるせぇなぁ。)
若越は手にタンマグを乗せて、満遍なく掌に広げた後、
パァァァン!!!
と大きく手を叩いた。
ギャラリーたちは驚いて、静まり返った。
空気が一瞬にして若越のものとなる。
「…行きます。」
若越はそう呟くと、ポールの先端を上げてそのままの勢いで走り出した。
伍代に比べたら、多少乱雑な走りではあったが、
その姿は現役伍代に負けず劣らずのキレがあった。
若越は、助走が終盤に差し掛かると、
右腕を勢いよく上に突き出してボックスに突っ込んだ。
誰もがその跳躍に期待を寄せていた。
しかし、若越は踏み切らずに
マットに駆け上がって行った。
「…合わねぇなぁ…。」
若越は、首を傾げながらそう呟いた。
そんな若越の姿を、後ろから伍代が見つめていた。
(…1発で越えてくると思ったけど…。煽りのつもりなのか?
…まあいい。次で決めれば問題ない。)
若越がポールを持ちながらマットを降りると、
伍代がすぐ様ポールを持ち上げてスタンバイした。
「行きまぁぁぁっす!!!」
伍代は1本目よりも大きな声を出した。
その気迫は、見ている全ての者を注目させた。
今度は、伍代の空気に様変わりした。
(…乗ってきたか?)
若越は、伍代の姿を睨むようにして見た。
伍代の助走は、1本目よりも速く力強かった。
伍代のポールの先端が、ボックスに突き刺さり
バン!
という大きな音が鳴り響く。
勢いよく曲がるポールの流れに合わせて上下反転した伍代の体は、1本目よりも余裕を持って真っ直ぐバーの上に向かっていた。
伍代の体は、4m90cmのバーから10cm上を越えていた。
右腕もバーに触る事なく、そのままマットに落下した。
跳躍成功だ。
ギャラリーからの大歓声が、グラウンドの一角の棒高跳びピットを包んだ。
「よっしゃっ!」
マットから起き上がった伍代は、小さくガッツポーズした。
伍代はポールを手にすると、喜びを抑えてマットから降りた。
「やったね!拝璃。」
伍代にそう言いながら、桃木はタオルとスポーツドリンクを持って近づいた。
「…いや、まだ分かんねぇ。」
伍代の視線は、助走路に立つ若越に向けられていた…。
(…越えてきた、か。)
若越は再び両手にタンマグを広げると、両脚の太腿裏を思いっきり叩いた。
脚部の筋肉を刺激して、さらなる助走スピードを試みる。
(…越えるしかねぇ…か。)
若越は伍代への歓声が鳴り止まない雰囲気の中、助走を始めた。
1本目よりも、助走リズムは整っていた。
スピードも、先程より速くなっている。
(…行けるっ…!)
若越の確信は、力強い踏み切りに繋がった。
若越の踏み切りと同時に、ポールは見事に湾曲してみせた。
上下反転した若越の身体はバーよりも15cm近く、直前の伍代よりも高く跳ね上がった。
若越の体がバーの上を越え、後はポールに残した右腕が越えるだけ。
(…腕が、引けねぇ…。)
右腕を離すのが遅れ、若越は無理矢理越えさせようとするが、その腕はバーに接触しながら落下してしまった。
「…くそっ…。」
背中からマットに落下した若越は、右手でマットを殴った。
「…いやいや、まじかよあの跳躍…。」
マットから少し離れた場所で見ていた伍代は、そう呟いた。
そこに、勢いを流しながら2人の男子部員が走ってきた。
2人は練習の最中であったが、伍代に話しかけた。
「…はぁ、はぁ…ん?拝璃、あいつは?」
乱れた前髪を掻き上げながら、1人がそう言った。
「おう、勝馬に満康。あいつは…期待の後輩になるかもしれない奴だ。」
伍代は、真っ直ぐ若越の姿を見ながらそう言った。
「…ふぅん。もう練習加入してんの?俺らに挨拶ないけど。」
もう1人が、ズレたメガネを掛け直しながらそう言った。
前髪を掻き上げていた七槻 勝馬と、メガネを直していた音木 満康。
2人は、短距離ブロックに所属する伍代の同級生部員である。
「…いや、これは練習じゃない。あいつが今後、棒高を続けるか否かの勝負なんだ。」
伍代は、2人にそう説明した。
「まあ何でもいいけど。
勝負ってんなら負けんじゃねぇぞ。こんなところで負けてたら、全国なんて行けねぇからな。」
七槻は伍代の背中を叩きながらそう言った。
「…そうだな。あいつを連れて全国に行く。俺たちの目標を越える為には、あいつが必要だ。」
伍代は、3回目の跳躍へ向かう若越の姿から目を離さなかった。
※1:ポールの持ち手。選手によって、ポールの持ち手は変わるが、基本的に先端に対して逆端の方。
※2:棒高跳びの助走路の先、マットの手前に設けられた溝の事。助走路より少し低い位置に底がある。
※3:通常、高跳びに用いられるのは固い素材のバーで、その上を越える競技なのだが、練習時はゴム製のものを引っ掛けてバーの乗せ直しの手間を省く。
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