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妻?
陛下の、妻?
思考が追いつかない。陛下の言った言葉の意味がわからない。
「――つま」
「そうだ」
「私が、陛下の」
「ああ。 サーナがもし望んでくれるなら」
レーンハルト陛下は私の目を真っ直ぐに見つめて離さない。
私の勘違いでなければ、これはもしやプロポーズというやつだろうか。そうゆるゆると考えが及ぶと、何ともむず痒い感覚が体の内から湧き上がってきて頬がかあっと熱くなる。
「あの、それはひょっとして、私の結婚相手は陛下ということですか?」
「ああ。その通りだ」
本当にそうだった!
ど、どうしよう。腕に抱えた花束がずしりと重く感じる。
「もしサーナがどうしても嫌だと言うなら構わないから断ってくれ。もし少しでも迷ってもらえるなら考えてみてほしい」
そう言われても固まったまま何も言えない私からそっと花束を取ってティーテーブルに置くと、陛下は私にソファーを勧め、自分は私の向かいではなく隣に座った。
あの夜の庭ではいつもベンチの隣に座っていたはずなのに、今はものすごくどきどきするし、距離も近い気がする。
でもそんな私を陛下は笑わなかった。むしろやけに甘ったるい視線を感じる。そしてさらに緊張する私。
「少し話をしようか」
楽しい話じゃないけど。
その言葉とともに陛下の瞳に暗い色が灯った。
「クリストファーの母、俺の前の妻はミカエラといって、公爵家の姫だった。実に貴族らしい貴族だったよ」
だった、と過去形で話すのは、ミカエラという人がもうここにはいないことを示してる。ただ単にいなくなったのか、それとも――口を開けずにただ陛下の話に耳を傾ける。
陛下とミカエラさんの結婚は完全に政略結婚だった。真面目一辺倒の陛下と、蝶よ花よと育てられた深窓の姫君。相性がいいとはお世辞にも言えなかったが、陛下はミカエラさんを妻として尊重したし、少なくとも仲が悪くならないよう気を配り、ミカエラさんがきゅうくつに感じないよう比較的自由にさせていたそうだ。
「ただ、執務の忙しさを理由にすれ違いが多かったのも事実だ」
ミカエラさんは王妃としての仕事はこなしていたものの、ちょっと浪費癖があり、それを陛下が注意したことで少し夫婦の間に溝ができてしまったと陛下は笑った。
やがてミカエラさんは妊娠し、クリストファー殿下が産まれる。けれど王子の誕生を喜ぶレーンハルト陛下にミカエラさんは言ったそうだ。
「王子を産んだんだから、もうあなたの相手はしなくていいでしょ?」
――ちょっと待って。それってつまり……
「俺はミカエラを妻として対していたつもりだったが、ミカエラは役目としてしか俺の相手をしていなかったということさ」
自嘲気味に笑う陛下の顔が痛々しい。
「それから先は王族としての執務や行事以外では顔も合わせなかった。そうしてクリスが三歳になった頃、ミカエラの浮気が発覚したんだ」
「浮気――」
「相手はゲッティング公爵ジェラール=アゲイド。俺の叔父にあたる人物だ。後でわかったんだが、クリスが産まれた直後くらいからつきあいだしたらしい。ミカエラを問い詰めたら、ジェラールにどれだけ惚れているかを延々と語られた」
ふう、とため息を漏らした陛下は無表情だけどどこかやるせない気持ちが見えてくるようだ。
ああ、この人はミカエラさんを大事に思っていたんだ。恋って形じゃなかったかも知れないけれど、最後の方は顔もろくに合わせなかったかも知れないけど――大切にしなきゃって思っていたんだ。
「ジェラールとの関係を俺に告白してからミカエラはおおっぴらにジェラールとの逢瀬を楽しむようになった。あっという間にミカエラとジェラールの関係は噂が広まり、王家としても無視できない状態になったんだ。結局ミカエラとは離婚した。ジェラールは王に対する裏切りとして爵位を失い国を出て行き、ミカエラはジェラールと共に行った。
――はは、情けない話だよな」
私は何も言えなかった。何を言ったらいいのかわからなかった。
ただ無性に気持ちが辛くなって、目頭が熱い。
「ミカエラのことは恋愛感情で好きだったわけじゃない。だから未練なんかはないんだが、今考えると後悔することはたくさんある。俺は決していい夫ではなかったしな。
――サーナ? サーナ、泣くな」
熱くなった目頭が決壊して一粒だけ涙がこぼれた。陛下の気持ちを考えたらたまらなくなってしまったんだ。私が泣くところじゃないのに、申し訳ない。
レーンハルト陛下はそっと指で私の涙を拭ってくれた。
「なぜ泣く?」
「だっ……、ひどい、そんなの、誰だって……辛いから……」
「俺が辛いだろうと思ったから?」
ただ頷いた。
私は陛下からの話しか聞いてない。ミカエラさんの言い分を聞いてないから決して公平ではないけれど、少なくとも目の前のこの人は他の人を卑下したりする人じゃないことを知っている。
ミカエラさんの言葉に、浮気の事実に傷ついたレーンハルト陛下。それを思うと喉の奥がキュウッと締め付けられるように辛い。
何で? 何でこんなに辛いの?
「すまない、泣かせたいわけじゃないんだ。ただサーナに結婚を申し込むならきちんと話しておかなければいけないと思ったんだ。国としての思惑も、ミカエラのことや、離婚以来しばらく結婚なんて考えられないと思っていたことや、そして今の俺の素直な気持ちを」
涙を拭ってくれていた指が頬を離れ、そっと私の手をとった。それから片膝をついて私の手を自分の額に押し当てた。
「サーナ、女神の恵みよ。どうか俺と結婚してほしい。こんなに離したくないと願った女性は君が初めてなんだ。
いろいろ話をしたが、正直俺にとっては国益も立場も関係ない。ただ君にそばにいてほしいんだ。あの夜の庭で二人でいた時のように、俺の隣に」
指先にレーンハルト陛下の体温が触れる。
まっすぐな言葉、少し私よりも高い体温、真剣な態度。それらのすべてが陛下の言葉に込められた気持ちを裏打ちしている。
それをとてつもなく幸せに感じている私と戸惑う私の両方が頭の中でせめぎ合っていた。
陛下と結婚? 陛下が私のことを好き? そんな都合のいい夢みたいな話があっていいんだろうか。私、舞い上がっちゃうよ?
でもファルージャで結婚するっていうことは日本に帰ることを諦める、っていうことなんじゃ――瞬間、そんな考えが頭をよぎる。
諦める? そもそも私、日本に帰りたいと思ってるの?
日本には確かに友達がいる。
けれど家族も恋人もなく、そしてもうすぐ施設から出て一人で生活していかなければならない。いわば不安だらけの未来しかない。
一方ファルージャには陛下もクリス様もいて、なすべき使命もあって(ただし内容はまだ不明)、住むところもあって、生活基盤がしっかり整いつつある。
異世界で暮らすことへの不安はもちろんあるけど、もう私の中では日本に帰るっていう選択肢は消えつつあるのかもしれない。
いいの? 本当にそれでいいの?
自問自答してみても心の奥にみつかる答えは変わらない。私、薄情なのかな?
いつのまにか決まってしまっている自分の思いが心の柔らかいところをちくっと刺すけれど、やっぱり私はクリス様とレーンハルト陛下のいるファルージャを離れたくない。
私が黙ってしまったからだろうか、レーンハルト陛下はおだやかな声で語りかけてくる。
「今すぐに答えを出すことはない。できれば『女神の恵み』という立場を公表するのと一緒に婚約を発表できれば理想的だが、そんな理由で焦って答えを出して後悔して欲しくないからな。今夜は俺の気持ちを伝えられればそれでいい」
そう言った陛下の唇が私の手の甲に柔らかく触れた。
「サーナ、愛している」
「――っ」
じわり、さっき止まったはずの涙があふれてくる。でもそれはさっきとは違う涙。辛くて悲しくて流す涙じゃなくて、もっと暖かくてこそばゆくて、脳内にじんわりと喜びが広がっていくから。
こんな衝動、初めてだ。
ぐるぐると悩んで考えを巡らせている最中だっていうのに、今すぐ「はい」って返事したい気持ちが爆発的に膨らんで止まらない。
「陛下、わたし」
「――迷惑か?」
「ちがっ、迷惑なんかじゃなくて、むしろ嬉しくて、でも」
迷惑なんかじゃない。誤解されるのが嫌でアワアワと必死に訂正しようとしたんだけど。
気がついたら私はソファーに座ったまま、覆いかぶさるように抱きしめるレーンハルト陛下の腕の中に囲い込まれていた。
「――せっかく猶予をあげたのに」
「え? え?!」
「そんなことを言われたらもう離してやれないぞ?」
「私、変なコト言いました?」
「ああ。むしろすごく嬉しいって言った。結婚を申し込まれて嬉しいってことは、色よい返事だということだ。つまり俺はもうサーナを離す必要がなくなった、ということだ」
ええ? ツッコミどころ満載なんですが!
その飛躍しすぎた三段論法は何ですか、陛下! そして私は「すごく」なんてつけてない!
私、プロポーズ受けるなんて言ってませんよ?
でもあまりに陛下の腕の中が心地よくて、反論は口にのぼる前にシューッとしぼんでしまう。
「サーナ、俺の妻になってくれるか?」
抱きしめられ、耳元に降ってくるささやきに、膨れ上がったままの衝動はついに限界を迎え、こぼれた気持ちは自然と言葉になった。
「――はい」
陛下の、妻?
思考が追いつかない。陛下の言った言葉の意味がわからない。
「――つま」
「そうだ」
「私が、陛下の」
「ああ。 サーナがもし望んでくれるなら」
レーンハルト陛下は私の目を真っ直ぐに見つめて離さない。
私の勘違いでなければ、これはもしやプロポーズというやつだろうか。そうゆるゆると考えが及ぶと、何ともむず痒い感覚が体の内から湧き上がってきて頬がかあっと熱くなる。
「あの、それはひょっとして、私の結婚相手は陛下ということですか?」
「ああ。その通りだ」
本当にそうだった!
ど、どうしよう。腕に抱えた花束がずしりと重く感じる。
「もしサーナがどうしても嫌だと言うなら構わないから断ってくれ。もし少しでも迷ってもらえるなら考えてみてほしい」
そう言われても固まったまま何も言えない私からそっと花束を取ってティーテーブルに置くと、陛下は私にソファーを勧め、自分は私の向かいではなく隣に座った。
あの夜の庭ではいつもベンチの隣に座っていたはずなのに、今はものすごくどきどきするし、距離も近い気がする。
でもそんな私を陛下は笑わなかった。むしろやけに甘ったるい視線を感じる。そしてさらに緊張する私。
「少し話をしようか」
楽しい話じゃないけど。
その言葉とともに陛下の瞳に暗い色が灯った。
「クリストファーの母、俺の前の妻はミカエラといって、公爵家の姫だった。実に貴族らしい貴族だったよ」
だった、と過去形で話すのは、ミカエラという人がもうここにはいないことを示してる。ただ単にいなくなったのか、それとも――口を開けずにただ陛下の話に耳を傾ける。
陛下とミカエラさんの結婚は完全に政略結婚だった。真面目一辺倒の陛下と、蝶よ花よと育てられた深窓の姫君。相性がいいとはお世辞にも言えなかったが、陛下はミカエラさんを妻として尊重したし、少なくとも仲が悪くならないよう気を配り、ミカエラさんがきゅうくつに感じないよう比較的自由にさせていたそうだ。
「ただ、執務の忙しさを理由にすれ違いが多かったのも事実だ」
ミカエラさんは王妃としての仕事はこなしていたものの、ちょっと浪費癖があり、それを陛下が注意したことで少し夫婦の間に溝ができてしまったと陛下は笑った。
やがてミカエラさんは妊娠し、クリストファー殿下が産まれる。けれど王子の誕生を喜ぶレーンハルト陛下にミカエラさんは言ったそうだ。
「王子を産んだんだから、もうあなたの相手はしなくていいでしょ?」
――ちょっと待って。それってつまり……
「俺はミカエラを妻として対していたつもりだったが、ミカエラは役目としてしか俺の相手をしていなかったということさ」
自嘲気味に笑う陛下の顔が痛々しい。
「それから先は王族としての執務や行事以外では顔も合わせなかった。そうしてクリスが三歳になった頃、ミカエラの浮気が発覚したんだ」
「浮気――」
「相手はゲッティング公爵ジェラール=アゲイド。俺の叔父にあたる人物だ。後でわかったんだが、クリスが産まれた直後くらいからつきあいだしたらしい。ミカエラを問い詰めたら、ジェラールにどれだけ惚れているかを延々と語られた」
ふう、とため息を漏らした陛下は無表情だけどどこかやるせない気持ちが見えてくるようだ。
ああ、この人はミカエラさんを大事に思っていたんだ。恋って形じゃなかったかも知れないけれど、最後の方は顔もろくに合わせなかったかも知れないけど――大切にしなきゃって思っていたんだ。
「ジェラールとの関係を俺に告白してからミカエラはおおっぴらにジェラールとの逢瀬を楽しむようになった。あっという間にミカエラとジェラールの関係は噂が広まり、王家としても無視できない状態になったんだ。結局ミカエラとは離婚した。ジェラールは王に対する裏切りとして爵位を失い国を出て行き、ミカエラはジェラールと共に行った。
――はは、情けない話だよな」
私は何も言えなかった。何を言ったらいいのかわからなかった。
ただ無性に気持ちが辛くなって、目頭が熱い。
「ミカエラのことは恋愛感情で好きだったわけじゃない。だから未練なんかはないんだが、今考えると後悔することはたくさんある。俺は決していい夫ではなかったしな。
――サーナ? サーナ、泣くな」
熱くなった目頭が決壊して一粒だけ涙がこぼれた。陛下の気持ちを考えたらたまらなくなってしまったんだ。私が泣くところじゃないのに、申し訳ない。
レーンハルト陛下はそっと指で私の涙を拭ってくれた。
「なぜ泣く?」
「だっ……、ひどい、そんなの、誰だって……辛いから……」
「俺が辛いだろうと思ったから?」
ただ頷いた。
私は陛下からの話しか聞いてない。ミカエラさんの言い分を聞いてないから決して公平ではないけれど、少なくとも目の前のこの人は他の人を卑下したりする人じゃないことを知っている。
ミカエラさんの言葉に、浮気の事実に傷ついたレーンハルト陛下。それを思うと喉の奥がキュウッと締め付けられるように辛い。
何で? 何でこんなに辛いの?
「すまない、泣かせたいわけじゃないんだ。ただサーナに結婚を申し込むならきちんと話しておかなければいけないと思ったんだ。国としての思惑も、ミカエラのことや、離婚以来しばらく結婚なんて考えられないと思っていたことや、そして今の俺の素直な気持ちを」
涙を拭ってくれていた指が頬を離れ、そっと私の手をとった。それから片膝をついて私の手を自分の額に押し当てた。
「サーナ、女神の恵みよ。どうか俺と結婚してほしい。こんなに離したくないと願った女性は君が初めてなんだ。
いろいろ話をしたが、正直俺にとっては国益も立場も関係ない。ただ君にそばにいてほしいんだ。あの夜の庭で二人でいた時のように、俺の隣に」
指先にレーンハルト陛下の体温が触れる。
まっすぐな言葉、少し私よりも高い体温、真剣な態度。それらのすべてが陛下の言葉に込められた気持ちを裏打ちしている。
それをとてつもなく幸せに感じている私と戸惑う私の両方が頭の中でせめぎ合っていた。
陛下と結婚? 陛下が私のことを好き? そんな都合のいい夢みたいな話があっていいんだろうか。私、舞い上がっちゃうよ?
でもファルージャで結婚するっていうことは日本に帰ることを諦める、っていうことなんじゃ――瞬間、そんな考えが頭をよぎる。
諦める? そもそも私、日本に帰りたいと思ってるの?
日本には確かに友達がいる。
けれど家族も恋人もなく、そしてもうすぐ施設から出て一人で生活していかなければならない。いわば不安だらけの未来しかない。
一方ファルージャには陛下もクリス様もいて、なすべき使命もあって(ただし内容はまだ不明)、住むところもあって、生活基盤がしっかり整いつつある。
異世界で暮らすことへの不安はもちろんあるけど、もう私の中では日本に帰るっていう選択肢は消えつつあるのかもしれない。
いいの? 本当にそれでいいの?
自問自答してみても心の奥にみつかる答えは変わらない。私、薄情なのかな?
いつのまにか決まってしまっている自分の思いが心の柔らかいところをちくっと刺すけれど、やっぱり私はクリス様とレーンハルト陛下のいるファルージャを離れたくない。
私が黙ってしまったからだろうか、レーンハルト陛下はおだやかな声で語りかけてくる。
「今すぐに答えを出すことはない。できれば『女神の恵み』という立場を公表するのと一緒に婚約を発表できれば理想的だが、そんな理由で焦って答えを出して後悔して欲しくないからな。今夜は俺の気持ちを伝えられればそれでいい」
そう言った陛下の唇が私の手の甲に柔らかく触れた。
「サーナ、愛している」
「――っ」
じわり、さっき止まったはずの涙があふれてくる。でもそれはさっきとは違う涙。辛くて悲しくて流す涙じゃなくて、もっと暖かくてこそばゆくて、脳内にじんわりと喜びが広がっていくから。
こんな衝動、初めてだ。
ぐるぐると悩んで考えを巡らせている最中だっていうのに、今すぐ「はい」って返事したい気持ちが爆発的に膨らんで止まらない。
「陛下、わたし」
「――迷惑か?」
「ちがっ、迷惑なんかじゃなくて、むしろ嬉しくて、でも」
迷惑なんかじゃない。誤解されるのが嫌でアワアワと必死に訂正しようとしたんだけど。
気がついたら私はソファーに座ったまま、覆いかぶさるように抱きしめるレーンハルト陛下の腕の中に囲い込まれていた。
「――せっかく猶予をあげたのに」
「え? え?!」
「そんなことを言われたらもう離してやれないぞ?」
「私、変なコト言いました?」
「ああ。むしろすごく嬉しいって言った。結婚を申し込まれて嬉しいってことは、色よい返事だということだ。つまり俺はもうサーナを離す必要がなくなった、ということだ」
ええ? ツッコミどころ満載なんですが!
その飛躍しすぎた三段論法は何ですか、陛下! そして私は「すごく」なんてつけてない!
私、プロポーズ受けるなんて言ってませんよ?
でもあまりに陛下の腕の中が心地よくて、反論は口にのぼる前にシューッとしぼんでしまう。
「サーナ、俺の妻になってくれるか?」
抱きしめられ、耳元に降ってくるささやきに、膨れ上がったままの衝動はついに限界を迎え、こぼれた気持ちは自然と言葉になった。
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