1 / 5
真夜中の侵入者
しおりを挟む
【注】無理矢理、触手表現ございます(表現だけ)。
★★★★★
黒い黒い闇の広がる深夜のことだった。
伯爵令嬢ポリーの部屋のフランス窓がギギィッと音を立てて開いた。物音でポリーも目を覚ます。厚い雲に覆われた夜空からは光は射さず、辺りは闇に覆われている。もしも少しでも光が射せば、美しい金髪がふわりと広がるのが見えただろう。。
「誰? 誰かいるの?」
気配はするが相手の声はしない。しかし、息を飲む音が部屋にこだました。
「ご、強盗?!」
ポリーはベッドの上で身を固くした。美しく清廉と噂の高い伯爵令嬢であるポリーはまさに花も盛りの年頃、その部屋に押し入るなどど、彼女が身の危険を感じたのも無理はない。
「強盗? お金や宝石が目当てですの? でしたらほら、窓の右にある引き出しにありますわ。どうぞ、それを持って出ていってくださいませ」
しかし、侵入者は動こうとしない。
「はっ! まさか、目的はこの私自身……?!」
体にかけていたシーツをぎゅっと握りしめ、ポリーは小刻みに震えだした。
「そんな! 私、まだそんな……! いいえ、婚約者もいないというのに純潔を無理矢理奪われなければならないというの?!」
侵入者がびくりと動いたのが気配でわかる。
ポリーは深窓の令嬢なので男女の交わりについては無知と言っていい。
はずだった。
しかし、彼女には隠れた趣味があった。
女性向けの官能小説が三度の飯より好きなのだ。おかげで立派な耳年増に成長してしまっている。
「いけませんわ! そんなっ、無理矢理押さえつけて……ああっ、私、抵抗したら縛りあげられてしまうのでしょうか? 縛られてベッドの上に吊るされて、ネグリジェを引き裂かれてしまうのね……! この青い肉体を荒縄で縛られるのね……!
そして、そして、○●を▲▽されて、『体は正直だぜ』とか蔑まれるのよ! そして、羞恥と恐怖に悶える私をじっくり眺め回して、『いいザマだな、雌豚め』などと……」
どうやら彼女の愛読書は随分とジャンルが偏っているらしい。
侵入者はそこでじっと立ち尽くすだけだが、ポリーの妄想は止まらない。
「いいえ、ひょっとしたらそれよりももっと違うプレイがお好みなのかしら……! ま、まさか今流行の触手プレイでは……! 触手のある魔獣をお持ちなのね。それをわ、私にけしかけて……! 粘液で服が溶けてボロボロになっていって、その隙間をヌメッとした触手が入り込んでくるのですわ! 私の肌を這い回り、体中をネトネトに、そして無理矢理快感を覚えさせられて乱れる私を強盗さんが押し倒して、嫌がる私の蜜壷に猛り狂う剛直を突き立てるのですわ……! 私は触手と強盗さんとにメチャクチャに犯されて、いつしか自ら腰を振るようになっていくのですね!
そうして私、もう強盗さんがいなければ生きていけないカラダにされてしまうのね……あああっ、どうしましょう!」
そこからも延々と続くポリーの妄想。
はっと気がついた時にはそこに人の気配はなく、開いたフランス窓からテラスが見えるだけだった。ようやく分厚い雲から顔を出した月が、静かにそれを照らしているだけだった。
★☆★☆★
「え? お兄様がお熱を?」
夜中の侵入者のことを侍女頭に伝えようとしたら、ポリーの兄が高熱で寝込んでいると聞かされ、それどころではなくなってしまった。
ポリーの兄ヨハンは長男でこの家の跡継ぎ、清廉潔白な青年だ。
「ええ、昨夜遅くに帰宅された時に執事が眠り込んでしまっていたらしくて扉を開けられなかったようなのです。
それで起こすのは忍びないと仰って、テラスから家にお入りになったようなのですが」
「テラスから?」
ポリーはテラスを見た。テラスは館の外壁に横一直線に繋がった長いテラス、各部屋から出入りできるようになっている。当然、ヨハンとポリーの部屋もテラスで繋がっている。というか、隣の部屋なのだが。
「何やらうわ言でポリー様をお呼びになっていますよ。僕のかわいいポリー、嘘だと言っておくれ、とか何とか」
その瞬間、ポリーは昨夜の侵入者の正体を悟る。
兄に隠れて愛読しているエロ小説のままの妄想を語ってしまったポリー。おそらく、深窓の令嬢と信じていたポリーから語られる際どすぎる言葉の数々は、真っ暗闇の深夜にうっかり部屋を間違えて入ってしまった侵入者をショックで高熱が出るほどに打ちのめしてしまったのだろう。
そしてポリーは、兄を熱のせいで悪い夢を見たと誤魔化すか修道院に行くか、はたまた羞恥のあまり出奔するかの選択を頭の中で考え始めた。
★★★★★
黒い黒い闇の広がる深夜のことだった。
伯爵令嬢ポリーの部屋のフランス窓がギギィッと音を立てて開いた。物音でポリーも目を覚ます。厚い雲に覆われた夜空からは光は射さず、辺りは闇に覆われている。もしも少しでも光が射せば、美しい金髪がふわりと広がるのが見えただろう。。
「誰? 誰かいるの?」
気配はするが相手の声はしない。しかし、息を飲む音が部屋にこだました。
「ご、強盗?!」
ポリーはベッドの上で身を固くした。美しく清廉と噂の高い伯爵令嬢であるポリーはまさに花も盛りの年頃、その部屋に押し入るなどど、彼女が身の危険を感じたのも無理はない。
「強盗? お金や宝石が目当てですの? でしたらほら、窓の右にある引き出しにありますわ。どうぞ、それを持って出ていってくださいませ」
しかし、侵入者は動こうとしない。
「はっ! まさか、目的はこの私自身……?!」
体にかけていたシーツをぎゅっと握りしめ、ポリーは小刻みに震えだした。
「そんな! 私、まだそんな……! いいえ、婚約者もいないというのに純潔を無理矢理奪われなければならないというの?!」
侵入者がびくりと動いたのが気配でわかる。
ポリーは深窓の令嬢なので男女の交わりについては無知と言っていい。
はずだった。
しかし、彼女には隠れた趣味があった。
女性向けの官能小説が三度の飯より好きなのだ。おかげで立派な耳年増に成長してしまっている。
「いけませんわ! そんなっ、無理矢理押さえつけて……ああっ、私、抵抗したら縛りあげられてしまうのでしょうか? 縛られてベッドの上に吊るされて、ネグリジェを引き裂かれてしまうのね……! この青い肉体を荒縄で縛られるのね……!
そして、そして、○●を▲▽されて、『体は正直だぜ』とか蔑まれるのよ! そして、羞恥と恐怖に悶える私をじっくり眺め回して、『いいザマだな、雌豚め』などと……」
どうやら彼女の愛読書は随分とジャンルが偏っているらしい。
侵入者はそこでじっと立ち尽くすだけだが、ポリーの妄想は止まらない。
「いいえ、ひょっとしたらそれよりももっと違うプレイがお好みなのかしら……! ま、まさか今流行の触手プレイでは……! 触手のある魔獣をお持ちなのね。それをわ、私にけしかけて……! 粘液で服が溶けてボロボロになっていって、その隙間をヌメッとした触手が入り込んでくるのですわ! 私の肌を這い回り、体中をネトネトに、そして無理矢理快感を覚えさせられて乱れる私を強盗さんが押し倒して、嫌がる私の蜜壷に猛り狂う剛直を突き立てるのですわ……! 私は触手と強盗さんとにメチャクチャに犯されて、いつしか自ら腰を振るようになっていくのですね!
そうして私、もう強盗さんがいなければ生きていけないカラダにされてしまうのね……あああっ、どうしましょう!」
そこからも延々と続くポリーの妄想。
はっと気がついた時にはそこに人の気配はなく、開いたフランス窓からテラスが見えるだけだった。ようやく分厚い雲から顔を出した月が、静かにそれを照らしているだけだった。
★☆★☆★
「え? お兄様がお熱を?」
夜中の侵入者のことを侍女頭に伝えようとしたら、ポリーの兄が高熱で寝込んでいると聞かされ、それどころではなくなってしまった。
ポリーの兄ヨハンは長男でこの家の跡継ぎ、清廉潔白な青年だ。
「ええ、昨夜遅くに帰宅された時に執事が眠り込んでしまっていたらしくて扉を開けられなかったようなのです。
それで起こすのは忍びないと仰って、テラスから家にお入りになったようなのですが」
「テラスから?」
ポリーはテラスを見た。テラスは館の外壁に横一直線に繋がった長いテラス、各部屋から出入りできるようになっている。当然、ヨハンとポリーの部屋もテラスで繋がっている。というか、隣の部屋なのだが。
「何やらうわ言でポリー様をお呼びになっていますよ。僕のかわいいポリー、嘘だと言っておくれ、とか何とか」
その瞬間、ポリーは昨夜の侵入者の正体を悟る。
兄に隠れて愛読しているエロ小説のままの妄想を語ってしまったポリー。おそらく、深窓の令嬢と信じていたポリーから語られる際どすぎる言葉の数々は、真っ暗闇の深夜にうっかり部屋を間違えて入ってしまった侵入者をショックで高熱が出るほどに打ちのめしてしまったのだろう。
そしてポリーは、兄を熱のせいで悪い夢を見たと誤魔化すか修道院に行くか、はたまた羞恥のあまり出奔するかの選択を頭の中で考え始めた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる