スノードロップの約束

海亜

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8章:リア、森の中へ

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私は青ざめて、混乱する頭を必死にぐるぐる働かせる。

流石に「前世で花の図鑑を読んだ時に見ました!」・・・なんて、言えるわけないよ!!!!

えっと・・・えっとぉ~。

「ああ、たしかクレセント家の領主様はかなり外交などの繋がりがあると聞いたことがあります・・・その時に聞いたりしたというなら納得です。」

とロリアさんが申し上げました。

私はその言葉に便乗して大きく頷いた。

「そうです!!!お父様から聞きました!!!!!」

すごい勢いで言ったのが悪かったのか、ロリアさんが若干引いている。

うっ、ごめんなさい。

私はしょぼんとしながら、前のめりになってしまった姿勢を正した。

「そんなに落ち込まないでください。リアさんの勢いに驚いただけです。クレセント家は仲がいいと評判ですので、その1部でも知れて良かったと思います。」

ロリアさんはそんなフォローを言ってくれた。

ううっ、ありがとうございますうううう!!

他の人達に家族の仲がいいって言われるのは、なんか、嬉しいような恥ずかしいような。

こんなに健康でいられるのは、フローリア様と家族のおかげだもんね!

家族に負担とか悲しい顔とかして欲しくないから。

私がちょっと物思いにふけっていると、「あ。」とロリアさんが呟いた。

「そういえば、まだ質問に答えていませんでしたね。実は、クレセント家の見習い侍女がこのスノードロップの花畑のお世話をすることに代々なっております。まあ、咲いたのはこの花畑を作ったクレセント家のフレアさんという方がいた頃のみだそうです・・・なので、クレセント家の血筋であるリアさんに侍女見習いの仕事をこなしつつ、ここのお世話をしていただきます。大変だと思いますが、お願いします。」

ロリアさんは説明した後に頭を下げた。

まさか頭を下げられるとは思っていなかった私。

それはもう慌てた。

「ロリアさん!?そんなそんな!!私、侍女見習いですし、お花のお世話とかしてみたかったのですごく嬉しいです!!だから、顔を上げてくださいいい!!」

私の気持ちを伝えつつ何とかしてロリアさんに顔を上げてもらった。

「そう言っていただけると助かります。・・・このあとは帰って来るルーシャ様をお出迎えをして、今日指示のあった持ち場の掃除をするだけです。他に何か聞きたいことはありますか?」

すぐに普段のロリアさんに戻ったあと質問はあるか聞いてくれた。

ちょうど質問したいことがあったから、その配慮がありがたい!

「はい!あります!えっと、お屋敷から森までの道は分かったんですけど、森からここに来るまでの道が分からなくて、その場合はどうすればいいんですか?」

私の質問にロリアさんは何かを思い出したような顔をした。

「そうでした・・・・・・このペンダントを受け取ってください。」

ロリアさんは首から下げていたペンダントを私に差し出した。

ペンダントはオーロラ色の綺麗な石が1個ついたシンプルなデザインだった。

だけどどこか惹かれる。

ペンダントに魅入っていたので、ロリアさんの手が震えはじめる。

それに気づいて私は急いでペンダントをロリアさんの手から受け取って謝った。

「ご、ごめんなさいロリアさん!つい魅入ってしまって!」

「いえ、私も前侍女長の方からペンダントを受け取った時、あまりの美しさに見惚れてしまいました・・・では、今からそのペンダントの説明をします。」

ロリアさんが真剣な表情になったので、私も姿勢を正して耳を傾けた。
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