40 / 49
8章:リア、森の中へ
Ⅲ
しおりを挟む
私は青ざめて、混乱する頭を必死にぐるぐる働かせる。
流石に「前世で花の図鑑を読んだ時に見ました!」・・・なんて、言えるわけないよ!!!!
えっと・・・えっとぉ~。
「ああ、たしかクレセント家の領主様はかなり外交などの繋がりがあると聞いたことがあります・・・その時に聞いたりしたというなら納得です。」
とロリアさんが申し上げました。
私はその言葉に便乗して大きく頷いた。
「そうです!!!お父様から聞きました!!!!!」
すごい勢いで言ったのが悪かったのか、ロリアさんが若干引いている。
うっ、ごめんなさい。
私はしょぼんとしながら、前のめりになってしまった姿勢を正した。
「そんなに落ち込まないでください。リアさんの勢いに驚いただけです。クレセント家は仲がいいと評判ですので、その1部でも知れて良かったと思います。」
ロリアさんはそんなフォローを言ってくれた。
ううっ、ありがとうございますうううう!!
他の人達に家族の仲がいいって言われるのは、なんか、嬉しいような恥ずかしいような。
こんなに健康でいられるのは、フローリア様と家族のおかげだもんね!
家族に負担とか悲しい顔とかして欲しくないから。
私がちょっと物思いにふけっていると、「あ。」とロリアさんが呟いた。
「そういえば、まだ質問に答えていませんでしたね。実は、クレセント家の見習い侍女がこのスノードロップの花畑のお世話をすることに代々なっております。まあ、咲いたのはこの花畑を作ったクレセント家のフレアさんという方がいた頃のみだそうです・・・なので、クレセント家の血筋であるリアさんに侍女見習いの仕事をこなしつつ、ここのお世話をしていただきます。大変だと思いますが、お願いします。」
ロリアさんは説明した後に頭を下げた。
まさか頭を下げられるとは思っていなかった私。
それはもう慌てた。
「ロリアさん!?そんなそんな!!私、侍女見習いですし、お花のお世話とかしてみたかったのですごく嬉しいです!!だから、顔を上げてくださいいい!!」
私の気持ちを伝えつつ何とかしてロリアさんに顔を上げてもらった。
「そう言っていただけると助かります。・・・このあとは帰って来るルーシャ様をお出迎えをして、今日指示のあった持ち場の掃除をするだけです。他に何か聞きたいことはありますか?」
すぐに普段のロリアさんに戻ったあと質問はあるか聞いてくれた。
ちょうど質問したいことがあったから、その配慮がありがたい!
「はい!あります!えっと、お屋敷から森までの道は分かったんですけど、森からここに来るまでの道が分からなくて、その場合はどうすればいいんですか?」
私の質問にロリアさんは何かを思い出したような顔をした。
「そうでした・・・・・・このペンダントを受け取ってください。」
ロリアさんは首から下げていたペンダントを私に差し出した。
ペンダントはオーロラ色の綺麗な石が1個ついたシンプルなデザインだった。
だけどどこか惹かれる。
ペンダントに魅入っていたので、ロリアさんの手が震えはじめる。
それに気づいて私は急いでペンダントをロリアさんの手から受け取って謝った。
「ご、ごめんなさいロリアさん!つい魅入ってしまって!」
「いえ、私も前侍女長の方からペンダントを受け取った時、あまりの美しさに見惚れてしまいました・・・では、今からそのペンダントの説明をします。」
ロリアさんが真剣な表情になったので、私も姿勢を正して耳を傾けた。
流石に「前世で花の図鑑を読んだ時に見ました!」・・・なんて、言えるわけないよ!!!!
えっと・・・えっとぉ~。
「ああ、たしかクレセント家の領主様はかなり外交などの繋がりがあると聞いたことがあります・・・その時に聞いたりしたというなら納得です。」
とロリアさんが申し上げました。
私はその言葉に便乗して大きく頷いた。
「そうです!!!お父様から聞きました!!!!!」
すごい勢いで言ったのが悪かったのか、ロリアさんが若干引いている。
うっ、ごめんなさい。
私はしょぼんとしながら、前のめりになってしまった姿勢を正した。
「そんなに落ち込まないでください。リアさんの勢いに驚いただけです。クレセント家は仲がいいと評判ですので、その1部でも知れて良かったと思います。」
ロリアさんはそんなフォローを言ってくれた。
ううっ、ありがとうございますうううう!!
他の人達に家族の仲がいいって言われるのは、なんか、嬉しいような恥ずかしいような。
こんなに健康でいられるのは、フローリア様と家族のおかげだもんね!
家族に負担とか悲しい顔とかして欲しくないから。
私がちょっと物思いにふけっていると、「あ。」とロリアさんが呟いた。
「そういえば、まだ質問に答えていませんでしたね。実は、クレセント家の見習い侍女がこのスノードロップの花畑のお世話をすることに代々なっております。まあ、咲いたのはこの花畑を作ったクレセント家のフレアさんという方がいた頃のみだそうです・・・なので、クレセント家の血筋であるリアさんに侍女見習いの仕事をこなしつつ、ここのお世話をしていただきます。大変だと思いますが、お願いします。」
ロリアさんは説明した後に頭を下げた。
まさか頭を下げられるとは思っていなかった私。
それはもう慌てた。
「ロリアさん!?そんなそんな!!私、侍女見習いですし、お花のお世話とかしてみたかったのですごく嬉しいです!!だから、顔を上げてくださいいい!!」
私の気持ちを伝えつつ何とかしてロリアさんに顔を上げてもらった。
「そう言っていただけると助かります。・・・このあとは帰って来るルーシャ様をお出迎えをして、今日指示のあった持ち場の掃除をするだけです。他に何か聞きたいことはありますか?」
すぐに普段のロリアさんに戻ったあと質問はあるか聞いてくれた。
ちょうど質問したいことがあったから、その配慮がありがたい!
「はい!あります!えっと、お屋敷から森までの道は分かったんですけど、森からここに来るまでの道が分からなくて、その場合はどうすればいいんですか?」
私の質問にロリアさんは何かを思い出したような顔をした。
「そうでした・・・・・・このペンダントを受け取ってください。」
ロリアさんは首から下げていたペンダントを私に差し出した。
ペンダントはオーロラ色の綺麗な石が1個ついたシンプルなデザインだった。
だけどどこか惹かれる。
ペンダントに魅入っていたので、ロリアさんの手が震えはじめる。
それに気づいて私は急いでペンダントをロリアさんの手から受け取って謝った。
「ご、ごめんなさいロリアさん!つい魅入ってしまって!」
「いえ、私も前侍女長の方からペンダントを受け取った時、あまりの美しさに見惚れてしまいました・・・では、今からそのペンダントの説明をします。」
ロリアさんが真剣な表情になったので、私も姿勢を正して耳を傾けた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
素材採取家の異世界旅行記
木乃子増緒
ファンタジー
28歳会社員、ある日突然死にました。謎の青年にとある惑星へと転生させられ、溢れんばかりの能力を便利に使って地味に旅をするお話です。主人公最強だけど最強だと気づいていない。
可愛い女子がやたら出てくるお話ではありません。ハーレムしません。恋愛要素一切ありません。
個性的な仲間と共に素材採取をしながら旅を続ける青年の異世界暮らし。たまーに戦っています。
このお話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
裏話やネタバレはついったーにて。たまにぼやいております。
この度アルファポリスより書籍化致しました。
書籍化部分はレンタルしております。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる