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シンゴニウム・14
しおりを挟む「毎日激しくてごめんね。好き過ぎていつも激しくなっちゃう」
「え、そうなの? 相原にとってあれが普通なのかと」
相原が自身の下着から足を抜いた。中途半端に脱ぐつもりだったのに、相原はズボンを脱いでしまった。せめて俺だけは脱がないようにしなければ。案外男側は冷静だ。しかし相原の目はもうギンギンだった。
「いや、あれどう考えても激しいでしょう。葛城が激し過ぎるんだよ。何度しても初心な顔で、可愛い顔しちゃってさ。でも私も、お姉さん的というか、ああいうのが好きだって知ったの、葛城としてからだしね」
「俺で知った?」
「あ、そんな言う程してないからね。でも自分でも不思議なんだけど、葛城の前だとね、どんどん、新しい自分に会えるの。生まれてから十数年、知らなかった自分に気付くの」
相原の足がぐいと俺の尻に掛かる。うわ、これって大好きホールド? 相原の足がカニばさみ状態で俺の腰に巻きついている。俺はズボンと下着をずり下した状態で、ぎんぎんに猛ったものだけを外に出している。相原の股が俺に寄り、正常位の状態で、俺らのが触れた。くちゃりと熱と、熱が合う。
「今、当たってる?」
「うん、先が付いてる」
相原の手が俺の身体にしがみ付いてくる。子供みたいだった。小さな少女がお父さんに抱きつくような本気抱き。俺は彼女に抱かれて、自身の猛りを当てた。ぬちゃりと粘着質の高い粘膜に、俺のが合う。やば、熱い。
「そのまま進んで。入ってきて」
相原に告げられて、俺は「いいのか」と自身に問うた。もちろん心で聞いた。答えは一言だった。「of course(もちろん)」言葉が漏れた。
俺は、相原となら共に死ねる。くちゃり。一度イッた彼女のあそこは、いつも以上に柔らかかった。全身で俺が包まれる。相原の太ももが俺のを迎えてくる。うわ、きつい。奥の方まで、俺のが入っていく。
「っ、あああ、直接当たってる、葛城のがっ。外で、こんないきなりだなんて。熱い」
そういえば前儀もしていない。しかし今ここでのんびりとする暇もなく、何より相原の心は俺を迎えたくてたまらなくなっていたので、しょうがない。挿入。相原の中に俺のものが入っていく。腹と股の膨らみが、ぴたりと合った。しばらくの繋がりに、相原の身体が震えている。また軽くイッたのだろう。
俺の心が震えて止まらない。感じ過ぎだろう、相原。
「動いていい? 動かしていい?」
「うん、いっぱい動いて」
相原に告げられ俺が頷いて、腰をゆっくりと動かしていく。もちろん痛いので激しくはない。できるだけ噛み締めるように、相原の中から少し出しては入り直す。相原の足は俺をホールドしているので抜きにくい。でも放して欲しいとは毛先にも思わなかった。
「ああ、凄いよ。葛城のが私の中を何度も出入りして、く、凄い、生でしてる。私、絶対に生ではしないって思ってた。だって私の自由がなくなるから、子供なんて絶対、嫌だって。だから、んあっ、でも」
俺の物を隔たりなく受け入れる彼女が、震える声で想いを告げている。いきなり訪れた山頂で語られる本音に、俺の心が熱くなる。
「いい、していいって、いいって思ったの! したいって思って、葛城と一緒になりたいって思えたの」
相原の声は囁くような小ささで、それ程に本音だと窺い知れた。いつもに比べたら全然激しくもない動きだったけれど、相原は十分に感じていた。
「初めて、生でしたの?」
「そう、だけどそうじゃ、ない」
相原の身体から立ち昇る汗が湯気となり、俺の脳を溶かさんとしてくる。やばいくらいに熱い。相原の中を何度も出入りしている俺のものが、融解しそうだった。
「この人の為なら、自分のしたい事我慢してもいいって思えたの。私より大事なものを見つけた。葛城の事、好き。好きだった。一緒の時間は好き。でも、私、我慢まではしないつもり、だった。自分の事で我慢なんて、できないって、悩んでた」
相原が語り、俺は腰の動きを止めて聞き入った。一語一句聞き逃さないよう必死に聞いて、頷いた。「うん」返答だけで、彼女は笑んでいた。
「でも、今は、したいって思えた。我慢できるって、あなたの為なら、あなたと出来た子なら、って。私は君の為なら何でも我慢できるって。受け入れるって」
男冥利に尽きるとでも言おうか、相原の言葉は男の俺の何かを揺るがす程の気持ちだった。俺の全てを、ここが好きとか嫌いとかじゃなくて、俺全てを受け入れてそれが良いと言ってくれるような、最高級の言葉。
俺も今日、本気でこの子の為になら死んでいいと、思えたのだ。自分が死んでも彼女が生きるならまあいいやって、自然と思えたのだ。
冗談でなく本気でそう思えたのは、ある意味相原と同じ考えなのだろうか。いや、男と女ではいろいろと違うだろう。それでも。
俺は相原と一生一緒に居たいと思った。俺は止めていた腰を動かした。相原の喘ぎ声は小さくて、クマ避けには程遠い。けれど俺の心に響くような声だった。頭が冷静過ぎて射精できそうにない、けれど相原の身体は震え、今にも果てそうだった。
「葛城ぃ、ダメ、ごめん、先にイく」
今にも辛そうに、涙を流しながら彼女はそう囁いた。
「相原?」
「ごめん、もう、感じて」
寒さとは別の理由で、彼女の声は震えていた。俺の喉が鳴る。相原の唇から、フルマラソンを走り終えた時にも似た、必死の面持ちがあった。
「さっきイったのに、またごめん。イっていいかな。ごめん、本当ごめん。でもダメ、このままイきたいっ。葛城のが熱いのっ、後で一緒にイくからっ、今はこのままっ」
「うん、イって、いいよ」
どうせ俺はイけないから、なんて話ではなくて。相原という女の子が、俺の猛りを受けて最大級の果てをしようとしている今、止めるなんてことは、せず。
「っあああ、あああああ……」
相原の身体がぐんと仰け反り、大げさな程の反り返りを見せて、乙女の果てを、成した。俺のものをぐいぐいと締め付けるあそこは熱く、ねっとりとして、とてつもなく愛おしくて。
「あ、かつっ、葛城っ、すきっ、すき、すき。葛城、葛城ぃっ」
ぴくひくと身体を震わせて、相原が何度も何度も俺の名を呼んだ。腕の中で快楽に身を浸す相原を想いながら、俺は静かに、最初の日の事を思い返していた。
○○○
「いきなりごめん。相原さんが好きだ」
「ありがとう。でも私は君をよく知らない。飲み会でたまに見る程度の男子だから」
周囲はざわめきに満ちていた。
これは過去の話。酒に煙草、相原の指にも紫煙が燻っていた。酒の席で、周囲の前で、俺は一人の女性に、告白したのだ。
「付き合って下さい」
「ごめん、他を当たって」
答えは見事に、惨敗だった。
<続く>
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