シンゴニウム

古葉レイ

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シンゴニウム・25

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 恋を過程として付き合おうと決めた。
 相手を知る為に抱き合うと決めた。

 すべては君を知る為に。全ては私を知って貰う為に。

 ○○○

「っ、相原、ここはどう?」
「うん、気持ちっ、いい……そこは、あんまり……うん、そこいい」

 彼の1Kの部屋で、私らはお互いを求め合っていた。葛城の指は優しくて、けれど一度決めると止まらない強さを持っていた。
 やや汗ばんだベッドの上で、私らは全裸で抱き合い、お互いを確かめ合った。

「もっとしていいか? 相原の事、全部知りたい。知っておかなきゃ」
「いいよ、好きにして」

 葛城は奥手などでは全然なかった。私の身体を余すところなく撫でてきて、唇を這わせてくる度に私への感想を求めてきた。だから私も、ちゃんと言わなければと、良し悪しを告げた。こんな緩慢で濃厚な行為は初めてだ。
 ふいに葛城の姿が消えて、私の太ももを舐めてくる。あまりされた事のない部分に、私の身体が拒否感を覚えた。身体を引いて、彼から逃げるのは女の本能か。

「ぃっ、そこはダメっ、なめちゃっ」
「でも俺、相原の事全部知らないと」

 彼はそこだけ強く来た。全てならまだしもそこだけに言われ、力が入らない。びくんと身体に快感の電気が走し、葛城の舌が私の股、ではなく膝の裏を舐めてきた。何でそこまでと思う場所を、葛城は舐めてくる。ゆっくりと丁寧に、足の甲までキスをされて、さすがにお風呂にも入っていないから、「そこっ、やあぁ」と拒否をする。「わかった」と彼はすぐに止めてくれて、また別の所へと移動する。だから私も、ぎりぎり嫌じゃないところは、止めなくなった。そうして彼に、私はゆっくりと味合われていった。

「嫌なところは嫌って、言って。言わないと、するから」
「っ、今度、ね、お風呂入ってからで」
「わかった。今度な」

 葛城の囁きが嬉しかった。本当に私を知ろうとしているのだと、肌で感じて股が疼いた。もう一緒になりたいくらいだ。けれど葛城はじっくりと、私の身体をまさぐり続けて止まらない。止めてと言えば止めて貰える確信があった。だからこそ、下手に言えない緊張感。

「おへそっ、舐めっ、んく、うあぁ、あぅ」
「ここも、お風呂の後?」

 葛城の声に笑いが混じっている。嫌と私は言っていない、そう思っている。恥ずかしいから止めて、そう言おうとする私の心を見透かしているかのようだ。こいつ、本当に初めてか!?
 
「脇までなんっ、やっ、まっ、ぅ、ぞくぞくするぅっ」

 葛城が私の全身を舐めてくる。熱くて胸が苦しい。指も首も耳も、危うくお尻の方まで舐められそうになり、そこは咄嗟に止めたけれど……。彼となら、いろいろとしてみてもいいかもしれない。それくらいに、私は彼の虜になりそうだった。優しさが全身を撫でて来て、私の心はもう、彼を欲して止まなくなっていた。

「あ、そこはっ、く」
「凄い、濡れてる」

 葛城の舌がついに私の大事な部分に触れてくる。口でされるのが実は嫌いな私は、当然そこを舐められるのも嫌で、とても気持ち良いなんて思わなかったはずなの、に。
 止めれない。快感の渦が蜂蜜のように、甘く全身に広がっていく。う、凄く、気持ち良いよう。

「ぅああ、ぅ、きもちっ、いぃ」

 葛城の舌が私の大事な部分を撫でてきて、咄嗟に漏れた感想に、私は身悶えし震えが止まらない。葛城に教え込むはずだったのに。

 私、葛城に開発されていってない!?

「ここ、いいんだ?」
「やぁぁ、あぁっん、ぃぃっ、よぉ」

 甘い甘い、恐ろしく激甘い喘ぎが部屋に響く。

 待てちょっと、何か立場、最初から逆転されてるんですけどっっ!?

「はぁ、はあ」

 私のあそこを十分以上愛撫し尽していた彼が、荒い息を吐いている。顎が痛そうだ。キスしてあげたいと思う自分と、私のあそこの液が付いてるから無理、という心がせめぎ合う。ふと彼が立ち上がる。

「どうしたの?」
「一度口、漱ぐね。キスしにくいだろうから」

 ふと零れた言葉が、優しさに満ちていた。ああ、今日しておいてよかった。まだ繋がっても居ないのに、私はもう彼と一緒になった気でいる。それ程の濃厚さを、私は全身で感じていた。最高だ、こいつ。

「ごめんね、水を差して」
「ううん、ありがとう」

 台所から彼が戻ってきて、彼がキスを求めてくる。私は当然、キスをして抱き合った。彼のそそり立つものが私のお腹に当たっている。ふと興味が出て、彼のものに触れてみる。

 そこはぱんぱんに張れて痛そうだった。彼のものをちら見して、指で撫でる。ぬるりと垂れたそのものを眺めながら、軽く息を呑む。

「口で?」

 ふと葛城が聞いてくる。私は、頷こうとして、首を振った。したことがないわけではない。ただ、嫌いなのだ。あそこに入れるのはいい。でも口では、苦手。

「あ、えっとそれはまた今度でいい?」
「うん、もちろん」

 私のお願いに、彼は笑顔で受け止めてくれた。嬉しい反面、申し訳ない。
 しかしちょっと、これは苦手だな。男の子のあれはあまり好きではない……はずなんだけど。
 そう思いながら手で触れる。さわりと撫でて、ぬるぬるのその感触を確かめる。

 葛城のならしてもいいかも、と思わなくもない。汚いとは思わない。私の身体を何度も愛撫し続けて興奮した証だ。私もいっぱい、舐められたし。

 私だって彼を気持ちよくさせたい。いやむしろ彼のものを知っておきたいという意味で、彼のを口でしてもいい。

 でもやっぱり怖い。噛むかもしれない、恐ろしく苦い。でも、葛城は私のあそこを舐めてくれた。あれだって気持ち悪かったはずだ。彼は初めてなのだ。

 でも私が気持ち良いと言ったんだ。私が、彼にさせたんだ。

「入れて、葛城。一緒になろう」

 悩んだ末に、私は自分の気持ちを誤魔化した。葛城にそっと、股を開いて、自分の気持ちからよそ見した。葛城、ごめん。せめて私で、気持ちよくなって。

「うん、一緒になろう」

 私のお願いに、彼は頷いてくれた。ちくりと心に罪悪感。口でしてあげたかったかな。後悔の渦は、しかしすぐに別の感覚で掻き消える。とりあえず、彼のあそこにコンドームを付けて、と彼のものを見ると、すでにそれは付いていた。早い。

「やっぱり男の子だね」
「うん?」

 彼がそれをせずにするとは思っていなかった。もちろん買ってきたのだから当然だけれど、欲望のままに生でされそうになって、蹴りつけた事が何度かある。
とはいえ付け方くらいは教えようと思っていたのに、彼はしっかりと、それを付けていた。

 彼がそっと、私の頭を撫でてくる。「するね?」と呟く彼の優しい事と言ったら。教え込むとか言っておきながら、なにこれ、思っていた以上に素敵じゃないか。気持ちいいじゃないか。今までしたセックスよりも、何十倍も素敵じゃないか。

 とても楽しいじゃないか。
 私は今、彼との行為に感動している。私の何かが、新しいを発見し続けている。

「ゆっくり入れていい? 相原の感じる顔、もっと見たい」
「っ、ばか、やだ」

 とはいえ彼の筆おろし。主導権は葛城に握られっぱなしでいいのだろうか。

《続く》

 
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