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新学期編

真立理奈は連れ出したい 後編

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「もうそろそろいいか?」

「はい」

「んじゃ行くぞ?」

そう言って俺は暗闇を進む。もちろん方向など

わからない。

「ここ本当どこですか?てゆか!離れないでく

ださいよ」

「分かってるって」

理奈が暗闇が苦手な以上、早く出たいところ

だが、そうは行かないようだな。ん?

「なんだこれ?」

これドアか?取っ手が付いてる。

「これドアだぞ?」

「!?非常出口じゃないですか!?」

「おう!助かったぜ!」

そう言いドアを開ける。

だがそこはロッカーが沢山並んでいるところ

だった。

「ここは、、、」

「おそらくお化けの更衣室かと」

「出るぞ!いますぐに!」

その時、

「ねえ、本当疲れたわねぇ」

「ねー、オカルト部に入ったこと後悔してる

よー」

女子生徒!?

ここで着替える気か!?それはまずい。

見つかっちまう。

「おい理奈。隠れるところはないか!?」

「えっ!?ちょっ、ちょっと先輩!」

俺は理奈ごと端っこのロッカーに入り込む。

と同時に、

「でもやっと終わってよかったねー」

「本当本当、今から私達で一緒に回らない?」

ガチャ。

女子生徒が入ってきた。

二人である。

「でもさー私達女子同士で回るとか悲しくなー

い?」

「しょうがないよー」

と言いながら着替えようとする。見えてるっ

て!隠せよ。と言っても、ここにいる俺たちが

悪いんだけどな?

と、理奈がこっちを睨んできている。

どうやら着替えを除くな。とのことだ。

「!?分かってるって」

そう言い手で目を隠す真似をしようと、手を顔

まで上げようとすると、

ムニッ。

理奈が目を見開き、暗くてよくわからないが、

真っ赤?な顔でこちらを睨んできている。

「ごめんって!」

「ん?なんか今男の声しなかった?」

「私も思ったー」

ヤベェ!

そう思い無意識にもう一方の手もあげ、胸に当

ててしまう。中学生とは思えない柔らかさで

ある。

結局五分後には彼女たちは部屋のもう一個ある

ドアから出て行った。どうやら外につながって

いるらしい。

だが俺は外に出る前にしなけれならないことが

あるのだった。

「先輩、、、、」

やべぇ、相当怒ってるぞこれ。

「マジでごめん。思ったよりも大きくて、、」

「感想なんていいですっ!」

「すいませんでしたぁ!」

土下座。

「本当責任とってもらいますからね?」

「、、、、。」

こうして外に出た。中庭に繋がっている運動場

の非常口だった。

しかも昼過ぎ。

「今からでも回らないか?」

「?はい!!」

理奈は満面の笑みを浮かべる。本当ずっとこう

だと可愛いのに。

こうして文化祭は幕を閉じたのだった。



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