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新学期編

川竹咲は走りたい

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「おはようございます。時斗様」

「ぐふっ。おはよう咲。とりあえずそこを退い

てもらえるか?」

「無理です」

そう言いウインク。今日もこいつ元気だな全く。

「わわっ、時斗様。無理矢理はがさないでくだ

さいよぉー」

咲を強引にどけ、俺は身支度を整える。テスト

週間、中学校の文化祭と、度重なる重大イベン

トを終えたからなのか、今日という月曜日が新

鮮に感じる。

「時斗様。今日私走って行きますのでお先に失

礼します」

「おう」

朝食を食べ、寝坊常習犯の、日和に声をかけに

行こうとすると、、

ドタドタ。

「時斗君。ちょっと今日私走っていくから。先

に行くね?待ってよ咲ちゃんー!」

今日は走るといい日なのだろうか。

家を出ると、理奈が待っていた。

「おはようございます。先輩」

「おう。おはよう」

前に進もうとすると、

「今日咲さんと日和さんはいないんですかぁ?」

「あぁ。走って行くって先に出て行ったぞ?」

「咲さんたちもですか?お姉ちゃんもなんです。

今日って何かありました?」

今日、、、、何かあったか?

とりあえず理奈と登校する。正直理奈と二人で

歩いているとお化け屋敷思い出して怖いんだよな

ぁ。

「先輩。私先輩といるとお化け屋敷思い出して

怖いんですけど」

お前もか。

「だから、、、、これで行きましょ?」

そう言って理奈が俺の腕にそのしなやかな腕を

巻きつけてくる。

「ちょ!おま、、何やってんだ」

「怖さ半減ですっ!」

くそう。可愛いから恨めない。

「朝からおあついですね。ホッシー」

突如、後ろから声をかけられる。

「光か。おはよ」

俺と理奈を見てなぜか眉を寄せているのは、同

じクラスの桐山光だ。

黒髪に黒い瞳を持っている、聞いた感じごく一

般の高校生であるが。

超美少女。咲や雪にも劣らない容姿でクラスの

人気を集めている。

だが一つ知っておかなければならない。

こいつは男だ。

いわゆる男の娘というやつであり、おれは、、。

「ねぇ?聞いてる?ホッシー」

「あぁごめん。なんて?」

「その子はホッシーの彼女なの?」 

あ、こいつ勘違いし、、、

「そうです。私と先輩はこういう関係で、、、」

理奈が即答。アンド俺の体に抱きつく。おおお

おおおおい!

「!?ホッシーのばかあああああ」

初心な光が顔を真っ赤にして走っていく。

「初心ですね」

「初心だな」

多少の罪悪感を背負いつつ、俺たちは学校へ向

かうのであった。

学校に着くと、咲と日和と雪が机に突っ伏し

ていた。どんなけ走ったんだよ。

「なあ、お前らなんで今日、走ってい、、、、」

「「「今日は身体検査なんですよ!」」」

結局、彼女たちの体重は変わらなかったらしい。

お腹が鳴っていたのも聞かなかったことにした。

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