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新学期編

星野時斗は班を決めたい

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「はぁぁ。今日の身体検査は地獄だったよぉ」

俺の左に座る日和が嘆いている。一時間目の身

体検査のことだ。

「日和。何かあったか?」

「ふぇ!?何もないですよ!体重なんて人それ

ぞれ違いますし!」

どうやら日和は体重を気にしているようだ。

そんなに重く見えないのだが、というか、逆に

痩せすぎじゃね?

「日和」

「は、はい!」

「お前細いんだからもっと食ったほうがいいぞ?

朝なら俺が起こしてやるから」

口をパクパクさせる日和。顔は真っ赤である。

「わ、わかりました」

「おう」

「時斗様!私はどう見えますか?」

いや、お前も細すぎだろ!

「お前も細いから、俺起こす前に朝飯食った方

がいいぞ」

「あははは。時斗様が細いってー」

後半聞いてないなこいつ。

「あ、あの、私はどうかな?」

雪もか、

「お前もだ。別に走らなくても十分細いっての」

雪の顔も明るくなる。

と、話が盛り上がってきたところで、担任が入

ってきた。手には紙の束が握られている。

「えーっと。みんな聞いてー。今週末にある新

入生歓迎合宿のことなんだけど」

来たぁぁ。新入生歓迎合宿!新入生総勢312人

がリア充を求め最強のチームを作り上げんと戦

う一大イベントぅぅぅぅ!

しかも、なんと男女混合の部屋という衝撃設定

付き。

やべぇ。やべぇぜ笹山高校。

俺が一人そんなことを考えていると、咲が俺に

抱きついてきた。

「私は時斗様と一緒ですぅ!」

なにぃ!?いかん!惑わされるな!いくらこい

つが美人だと言っても、流石にそういう感情を

抱くことができねぇ。

理由は一つ、ずっと一緒だったからだ。

「わ、私も時斗君と一緒がいいかな!?」

待て日和。お前が来ると班全員がロリコン認定

されてしまう。可愛いけどもっ!

「みんなが行くなら、、私も」

雪か。ん?ゆきいいいいいい!?雪がきたあ

あああ!咲、日和。よくやった。グッジョブ。

「「「「「俺たちもここがいいな!」」」」」

きたなぁ?女子に釣られた男子達よ。

班は六人男女比は決まっていない。

つまり。

落としてやる。

一人残らず落としてやる!

だが、

「私は時斗様がいればいいのですが」

あほおおお。

「私も時斗君がいればどうでもいいかな」

ひよりいいい。

俺は雪に目を向ける。頼むっ!

「私は喋ったことない人嫌ですね」

ドタああああん。

男子が一斉に倒れる。雪、お前核爆弾落とし

たな。

後にこの出来事は「合宿ショック」と言い伝え

られるだろう。

と、光が俺の前に来る。

「ね、ねぇホッシー。僕、ダメかな?」

「いいぜ」

即答。

可愛い。天使かよ!男の娘最高ーー。

「時斗様、あと一人ですね」

「あぁ」

さぁこれから最後の戦いが始まる。

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