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平和な夏休み編

星野時斗は逃げ出したい

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「お前たちはここで何してんだ?」

逃亡したい一心で、しかし気になるので、質問す

る。

「時斗様についてです」

咲がにこりと笑う。ヤバイ、また刺されるかも

!?

「時斗君についてだよ?」

日和。もしかしてこいつも闇堕ちか!?

「時斗についてだよ?」

杏に言われるとほっこりする。

それよりも、だ。

「こんなところに集まって、何してんだ?」

「「「「!?」」」」

質問に四人がギョッとする。

「何も話してないですよ?」

咲、、、、バレバレだよっ!

「本当に何にもないから!」

おい日和。斜め上見るな。目をそらすな。

「何にもないって、、、、」

杏、言葉に覇気がねぇ。てか、、、

「もしかしてあいつらが手ぇ出してきたのか!?」

あいつらとは、杏をいじめ、襲おうとしていた

クラスメイトたちである。

「ち、ちがうよ。あの人たちは私のことすら見

なくなったよ!」

「そうか、、、」

脅しといて良かったぁ。

「じゃあ一体、、、何の話題かだけ教えてくれ

よ」

「え、えぇっと。先輩?についてですよ。ね、ね

ぇ?」

コクコクコクコク。

理奈の声に合わせ、すげぇ勢いで頭振ってるし。

「俺について?」

「はい!」

理奈が微笑を浮かべる。、、、、作り笑いである。

「まぁ、どうでもいいか。また聞くわ」

「「「「ふぅ」」」」

そんなかよ。

「ところで俺がここにきた理由。あんのか?これ」

「あ、時斗様は、、、、、商品です!」

咲?

「今からババ抜きするんですけど、商品がないと面

白くないじゃないですかぁ」

理奈、オボエテロヨ。

「まぁ、時斗が商品だったら、やってもいいかなっ

て」

よくねぇよ!

「時斗君。必ずしや、邪悪な手から救い出すから

ね!」

日和、、、、。ダークはお前らだろっ!

ということで、ババ抜きがスタートした。

ルールは特殊。ジョーカーを持ってたやつが勝ちと

いう、いつもと反対である。

「なぁ、商品が俺って、俺は何すればいいんだ?」

「「「「でー、、、、遊びに行く」」」」

「そんなことでいいのかよ、、」

もっと深刻なやつかと思ったぜ。

べ、別に告白とか!想像してなんかないんだから

な!

ババ抜きがスタートして五分、早々に決着がつこう

としていた。

杏対理奈である。

咲と日和は早々に終わってしまった。

こいつらにならなくてちょっと安心したぜ。

暴走されたら困るからな。

と、

「わーーーい!」

歓喜の声と一緒に、杏が舞い踊る。

崩れ去る理奈。

杏が勝ったようだ。

「時斗、明日、私の家ね!」

そう言ってスマホで地図を送られる。最近流行って

んのか?

「って、家!?」

「家だよ?」





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