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No.17 別れの時
しおりを挟む「体、見つかってよかったね。」
『ありがとな。見つけてくれて。』
「犯人はやっぱり、前にこの学校にいた教師で決まりらしい。犯行動機は
和桜が美人だから綺麗なままにしてあげたくて。
とか意味分かんないこと言ってるんだって。」
『マジか。だから、ことあるごとにめっちゃ構ってきたのか。思ったより気色悪いわ。』
「ほんと。そんな理由でとか、ありえない。」
『てかさ、よく葬式に参列できたよな。俺の家族になんて話したんだ?』
「なんか、友達で一すって言ったらOKだった。」
『ノリ軽くね?一応葬式だぞ?』
「いやいや、ちゃんと丁寧に言ったって。でもさ、理科準備室以外でも会話できるんだね。」
『まあ、ここに体があるからな。てか、火葬されたらもう喋れなくなんのかな?』
「えー。やだな。いっぱい喋ろ。トイレの個室だからいっぱい喋ってもバレないよ?」
『トイレの個室ってなんかやだな。』
「まぁまぁ、ここが一番ベストだったんだから。一人でブツブツ喋ってたら僕不審者だよ?」
『まあ、たしかに。…ねえ、泣く?』
「はい?」
『俺死んだら泣く?』
「うーん。」
『泣かないか。お前、意外と神経図太いもんな。』
「いや、泣くけど。」
『ん?泣くん?』
「うん。泣く。」
『の割には今は泣いてないけどな。』
「人前では泣かない主義だから。」
『ここ、トイレ。人はお前しかいないけど。』
「君がいるじゃん。」
『俺、人じゃないし』
「僕の中では君も人にカウントすんの。」
『んー。じゃあ、俺がいなくなったら泣く感じ?』
「まあ、そういうことになるよね。」
『ちえっ。泣き顔見れないじゃん。』
「見れなくていい。」
『…あのさ。』
「うん?」
『…。』
「え?なに?」
『いや、えーっと。』
「なに?言ってよ。」
『俺のこと絶対に嫌いにならないって約束できる?』
「できるけど、なんで?」
『あの、そのー。』
「はやく。」
『…っ、好きだから。』
「え?」
『お前のこと。』
「今なんて⁉︎」
「え?ちょっと?なんで急にいなくなるの?」
「え?いやいやいや、嘘だよね?え?そういうこと?もう、いないの?それとも僕が見えてないだけ?ねえ、返事してよ。」
「そういうことなんだ。もう、いないんだね?」
「最後に言い逃げとかずるくない?てか、今戻ってきたら泣いてあげるんだけどな。」
「はあ、トイレでお別れとか最悪すぎる。
君って最後まで、自分勝手だよね。
勝手に現れて、僕を事件に巻き込んで、勝手に消えちゃった。」
「あ一あ。トイレでは泣きたくなかったのにな。」
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