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プロローグ
9. 魅了は解かれて(side ロベリア)
「公爵令嬢 アマリリス オルレアン嬢!貴様、浅ましい嫉妬心から男爵令嬢 ロベリア ラヴァル嬢への度を越えた嫌がらせを行ったそうだな。将来に国母となるに到底ふさわしくない。ここに我々の婚約を破棄する!」
ついに始まったクライマックス!卒業パーティーの断罪。私を守るように一歩前に立ち、高らかにアマリリス様に婚約破棄を告げるヴィクトル殿下。アベル様とサヴォイア先生も味方だぞ!っていうか、初めてみたなアマリリス様。
「婚約破棄に関しては承りました。今すぐサインします。」
「やけに素直だな。」
アマリリス様はあっさり婚約破棄の書類にサインした。
本来は王命で決まった婚約だから、国王のサインが必要らしいんだけど、今は外遊中だからアマリリス様のサインさえあれば、残りは王太子であるヴィクトル殿下のサインだけで、書類が完成するらしい。
「殿下、一つよろしいでしょうか?婚約破棄の理由になった"嫌がらせ"とやらについて、具体的にご教示いただけませんでしょうか?」
「まずロベリア嬢の教科書を休み時間にボロボロに破ったそうだな。それから、寮内の階段で事故に見せかけてロベリア嬢を突き落とした。あと寮に届いていた彼女の卒業パーティーのドレスをボロボロに引き裂いたそうじゃないか!」
全く動じないアマリリス様に頭にきたのか、ヴィクトル殿下が早口でまくし立てる。まあ全部実は嘘なんだけど、完全に冤罪だって証明するのは逆に難しいと思うんだよね。
「えっとそれは変ですね?まず私、彼女と同じ授業をとっていないですし、寮にも住んでませんから、そもそも面識がないんですよ。」
へ?寮に住んでいないってどういうことよ?全寮制よ、うちの学校。
「私のおばあ様がかつて学園長を勤められていたことは御存じかと思いますが、おばあ様が学園長時代に住まわれていた屋敷が学園内に残っておりまして、そこを間借りさせていただいておりました。私のバッジには寮内に入る権限がございませんから、今まで一度も入ったことがございませんのよ。」
あ、そういえばこの校章のバッジ、学園内で入室許可のある部屋の鍵が勝手にあく魔法がかかっているんだっけ。寮もそうなのか。
「お前の祖母が学園長?寮に住んでいない?でたらめを言うな!」
「でたらめではございません。ね、ロレーヌ先生。」
「ええ、オルレアン嬢の言う通りです。彼女は学園の隅の屋敷に住んでおり、寮内に入ることはできません。」
ロレーヌ先生は現在の学園長だ。事実なのだろうと、会場内がざわめいた。
「どうせ取り巻きのブロワ嬢か、サヴォイア嬢を使ったんだろう。」
「リリアーヌ様は一年以上前に失踪していますし、ネモフィラ様は三か月前から職場研修のため外泊中です。」
「ぐぬぅ」
ああ、だまっちゃった。これは旗色悪いなあ、どうしよう。他の皆も助けてよ!
「殿下、そろそろお気づきになったらどうですか?今ご自身の精神状態が普通ではないということに。」
「何を言っているんだ!」
「あなた呪われているんですよ?」
アマリリス様がそう告げた後、正直自分でもどうなったのかよく分からない。胸につけていた形見のブローチが何者かにむしり取られ、ブローチの真ん中の赤い宝石は毒々しい閃光を放った。その後、私は力が抜けてその場にへたり込んだ。
「…私は一体何をしていたんだ。」
「殿下、やっと目が覚めましたか?婚約破棄の件は確かに承りましたので。」
「い、、いや、待ってくれ。」
え、殿下どうしちゃったのよ。何が起こったのか、さっぱり分からない。
「殿下、大丈夫ですか?今度はアマリリス様に母の形見のブローチを壊されました、、ぐすん」
腕を絡ませ、瞳を潤ませ、上目遣いで見上げる。
「ぎゃああああ!バケモノ!!」
、、え?窓ガラスに映る自分をみて愕然とした。ピンクブロンドの髪は真っ白に、肌はしわしわ。この老婆が私?
「自分の生命力と引き換えに『魅了の呪い』をかけるなんて貴女も馬鹿ね。その様子だとお先短そうね!ではロレーヌ先生。」
「ここは学園内です。学園長の采配として一定の自治が認められてますゆえ、殿下にも私の指示に従って頂きます。では、ロベリア ラヴァル嬢を捕縛しなさい。呪いにかけられたものも隔離の必要がある。連れていきなさい。」
私は、その場で騎士団に捕らえられ、地下牢に放り込まれた。『魅了の呪い』って何?母さんの形見のブローチが何したっていうのよ!!
ついに始まったクライマックス!卒業パーティーの断罪。私を守るように一歩前に立ち、高らかにアマリリス様に婚約破棄を告げるヴィクトル殿下。アベル様とサヴォイア先生も味方だぞ!っていうか、初めてみたなアマリリス様。
「婚約破棄に関しては承りました。今すぐサインします。」
「やけに素直だな。」
アマリリス様はあっさり婚約破棄の書類にサインした。
本来は王命で決まった婚約だから、国王のサインが必要らしいんだけど、今は外遊中だからアマリリス様のサインさえあれば、残りは王太子であるヴィクトル殿下のサインだけで、書類が完成するらしい。
「殿下、一つよろしいでしょうか?婚約破棄の理由になった"嫌がらせ"とやらについて、具体的にご教示いただけませんでしょうか?」
「まずロベリア嬢の教科書を休み時間にボロボロに破ったそうだな。それから、寮内の階段で事故に見せかけてロベリア嬢を突き落とした。あと寮に届いていた彼女の卒業パーティーのドレスをボロボロに引き裂いたそうじゃないか!」
全く動じないアマリリス様に頭にきたのか、ヴィクトル殿下が早口でまくし立てる。まあ全部実は嘘なんだけど、完全に冤罪だって証明するのは逆に難しいと思うんだよね。
「えっとそれは変ですね?まず私、彼女と同じ授業をとっていないですし、寮にも住んでませんから、そもそも面識がないんですよ。」
へ?寮に住んでいないってどういうことよ?全寮制よ、うちの学校。
「私のおばあ様がかつて学園長を勤められていたことは御存じかと思いますが、おばあ様が学園長時代に住まわれていた屋敷が学園内に残っておりまして、そこを間借りさせていただいておりました。私のバッジには寮内に入る権限がございませんから、今まで一度も入ったことがございませんのよ。」
あ、そういえばこの校章のバッジ、学園内で入室許可のある部屋の鍵が勝手にあく魔法がかかっているんだっけ。寮もそうなのか。
「お前の祖母が学園長?寮に住んでいない?でたらめを言うな!」
「でたらめではございません。ね、ロレーヌ先生。」
「ええ、オルレアン嬢の言う通りです。彼女は学園の隅の屋敷に住んでおり、寮内に入ることはできません。」
ロレーヌ先生は現在の学園長だ。事実なのだろうと、会場内がざわめいた。
「どうせ取り巻きのブロワ嬢か、サヴォイア嬢を使ったんだろう。」
「リリアーヌ様は一年以上前に失踪していますし、ネモフィラ様は三か月前から職場研修のため外泊中です。」
「ぐぬぅ」
ああ、だまっちゃった。これは旗色悪いなあ、どうしよう。他の皆も助けてよ!
「殿下、そろそろお気づきになったらどうですか?今ご自身の精神状態が普通ではないということに。」
「何を言っているんだ!」
「あなた呪われているんですよ?」
アマリリス様がそう告げた後、正直自分でもどうなったのかよく分からない。胸につけていた形見のブローチが何者かにむしり取られ、ブローチの真ん中の赤い宝石は毒々しい閃光を放った。その後、私は力が抜けてその場にへたり込んだ。
「…私は一体何をしていたんだ。」
「殿下、やっと目が覚めましたか?婚約破棄の件は確かに承りましたので。」
「い、、いや、待ってくれ。」
え、殿下どうしちゃったのよ。何が起こったのか、さっぱり分からない。
「殿下、大丈夫ですか?今度はアマリリス様に母の形見のブローチを壊されました、、ぐすん」
腕を絡ませ、瞳を潤ませ、上目遣いで見上げる。
「ぎゃああああ!バケモノ!!」
、、え?窓ガラスに映る自分をみて愕然とした。ピンクブロンドの髪は真っ白に、肌はしわしわ。この老婆が私?
「自分の生命力と引き換えに『魅了の呪い』をかけるなんて貴女も馬鹿ね。その様子だとお先短そうね!ではロレーヌ先生。」
「ここは学園内です。学園長の采配として一定の自治が認められてますゆえ、殿下にも私の指示に従って頂きます。では、ロベリア ラヴァル嬢を捕縛しなさい。呪いにかけられたものも隔離の必要がある。連れていきなさい。」
私は、その場で騎士団に捕らえられ、地下牢に放り込まれた。『魅了の呪い』って何?母さんの形見のブローチが何したっていうのよ!!
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