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家族になる
22. ドラゴンのフルコース
本日のディナーはエリカとヴィクトル殿下にもてなして頂いた。ドラゴンのフルコースだ。私にはこの二人の関係性がよく分からない。だから、あのアレクサンドル王太子殿下も"特命"なんて言ったんだろう。第三騎士隊と第四騎士隊が引き上げた今、エリカ一人でこのブロワ領をどうにもできそうにない。だから彼女は殿下に泣きついたのだろう。城内にはヴィクトル殿下の居室もあるし、普段殿下はブロワ家の私兵と行動を共にしているそうだ。これではただの恋人とというより、もうこの家の跡継ぎだ。王子の結婚相手として侯爵令嬢の身分は申し分ないし、だったら早く婚約すればいいのにと思う。殿下としては次期国王として幼い頃から育てられたし、辺境に骨をうずめるのはやはり葛藤があるのかもしれない。
そんなことを考えつつ、給されるドラゴン肉に舌鼓をうつ。ドラゴンの肝臓のテリーヌにドラゴンテールのスープ、メインディッシュはドラゴン肉のステーキだ。どれも美味だ。一緒に出されたブロワ産の赤ワインもおいしい。少し年代物の赤を開けてくれたみたい。シモンの料理は子ども向けに少しアレンジして食べやすいものにしてある。初めて食べるドラゴン肉に興味津々だ。
「おいしい!ドラゴンって絵本でしか見たことなかったけど、おいしいんだね。」
「そうね。ドラゴンの主な生息地は隣国にあるんだけど、たまに群れとはぐれて、こちらに迷い込んでくることがあるの。」
「いやそれがリリアーヌ嬢、今はドラゴンがブロワ領にもよく出現するんだよ。実は隣国がドラゴンの聖域と呼ばれた森を開拓し始めてな。」
ヴィクトル殿下が苦々しくいった。隣国は皇帝が変わってから、かなり野心的で好戦的になったと聞いている。ドラゴンの聖域と謳われた隣国の森はとても美しい場所なのだが、最近そこに金の鉱脈が見つかった。そのためわが国との停戦を急ぎ、停戦後一気に鉱脈の開拓を始めたそうだ。もちろんドラゴンやその他の魔獣が近づかないよう、その一帯に大規模な結界を張っている。生息地を追われたドラゴンの一部が国境を越えてこちらに迷い込んでいるらしい。可能なら隣国との国境線に結界を張り巡らせればいいのだが、国境線のすべてに結界を張るにはとてつもない魔力量を要する。光属性の殿下でもまず無理だろう。
「はじめはこちらで少し残り仕事をしようと思っていたのだが、次から次へとドラゴンやらグリフォンやら上級の魔獣が出現するようになって、こちらを離れられなくなってしまってね。本当に困ったものだよ。」
そういうと少し苦笑いした。中級までの魔獣であればギルドに依頼を出して、冒険者に退治してもらうことが多いが、上級の魔獣ともなるとそうもいかない。冒険者に依頼するとしても、かなり高ランク者でないと太刀打ちできない。
「殿下には感謝してもしきれないくらいお世話になっているの。本当にありがとうございます。」
エリカがうっとりとヴィクトル殿下を見つめる。お礼というより、ドラゴンのおかげで殿下と一緒にいられてうれしいですという表情だ。殿下からしたら、いつのまにか外堀を埋められてしまって、身動きが取れない状態なのかもしれない。
「ああ、構わん。好きでやっていることだ。」
表情を変えずに、殿下が言った。
そんなことを考えつつ、給されるドラゴン肉に舌鼓をうつ。ドラゴンの肝臓のテリーヌにドラゴンテールのスープ、メインディッシュはドラゴン肉のステーキだ。どれも美味だ。一緒に出されたブロワ産の赤ワインもおいしい。少し年代物の赤を開けてくれたみたい。シモンの料理は子ども向けに少しアレンジして食べやすいものにしてある。初めて食べるドラゴン肉に興味津々だ。
「おいしい!ドラゴンって絵本でしか見たことなかったけど、おいしいんだね。」
「そうね。ドラゴンの主な生息地は隣国にあるんだけど、たまに群れとはぐれて、こちらに迷い込んでくることがあるの。」
「いやそれがリリアーヌ嬢、今はドラゴンがブロワ領にもよく出現するんだよ。実は隣国がドラゴンの聖域と呼ばれた森を開拓し始めてな。」
ヴィクトル殿下が苦々しくいった。隣国は皇帝が変わってから、かなり野心的で好戦的になったと聞いている。ドラゴンの聖域と謳われた隣国の森はとても美しい場所なのだが、最近そこに金の鉱脈が見つかった。そのためわが国との停戦を急ぎ、停戦後一気に鉱脈の開拓を始めたそうだ。もちろんドラゴンやその他の魔獣が近づかないよう、その一帯に大規模な結界を張っている。生息地を追われたドラゴンの一部が国境を越えてこちらに迷い込んでいるらしい。可能なら隣国との国境線に結界を張り巡らせればいいのだが、国境線のすべてに結界を張るにはとてつもない魔力量を要する。光属性の殿下でもまず無理だろう。
「はじめはこちらで少し残り仕事をしようと思っていたのだが、次から次へとドラゴンやらグリフォンやら上級の魔獣が出現するようになって、こちらを離れられなくなってしまってね。本当に困ったものだよ。」
そういうと少し苦笑いした。中級までの魔獣であればギルドに依頼を出して、冒険者に退治してもらうことが多いが、上級の魔獣ともなるとそうもいかない。冒険者に依頼するとしても、かなり高ランク者でないと太刀打ちできない。
「殿下には感謝してもしきれないくらいお世話になっているの。本当にありがとうございます。」
エリカがうっとりとヴィクトル殿下を見つめる。お礼というより、ドラゴンのおかげで殿下と一緒にいられてうれしいですという表情だ。殿下からしたら、いつのまにか外堀を埋められてしまって、身動きが取れない状態なのかもしれない。
「ああ、構わん。好きでやっていることだ。」
表情を変えずに、殿下が言った。
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