年下のユニコーン獣人が私の婚活の邪魔をしていたって本当ですか?!

志熊みゅう

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第二章 求婚

2. お茶会

 公爵家に出向く日、変にロレンシオに気を持たれても困ると思って、あえて瞳の色や髪の色に関係ない色のドレスを選んだ。なかなかいいものがなくて、買ったきりになっていた薄紅色のドレスを選んだ。

「きゃあ!ピンクもよくお似合いなられますね。さすがフロレンシア様。」

「ブランカ、あんまりほめないで。これちょっと24歳が着る服じゃない気がしてきたわ。」

「そうですかね。とってもお似合いですよ。それにしても、ロレンシオ様はお嬢様の説得で、ご納得されるのでしょうか?」

「まあ、やってみるしかないわよね。頑張るわ。」

 一人で向かうのが若干心細かったので、専属侍女としてブランカも連れていくことにした。彼女と馬車に乗るのは久しぶりだ。

「見えて来たわ。あれがアルバ公爵家よ。」

「うわあ、すごい。まさに白亜の豪邸。いいですね~。やっぱりここにお嫁に行くの、悪くないんじゃないです?私ついていきますよ。」

「もう、ブランカ!変なこと言わないで。」

 公爵家の門に着くと、使用人一同、並んで出迎えてくれた。前にも彼の家に遊びに行ったことがあるけど、今回のような出迎えは初めてだ。――いや、こんなことで怯んではいけない。

「スアレス子爵家令嬢のフロレンシアと申します。」

「フロレンシア様、どうぞこちらへ。おぼっちゃまが今か今かと首を長くしてお待ちになっておられます。」

 執事に屋敷を案内され、中庭のガゼボに着いた。うれしそうなロレンシオが駆け寄ってきた。

「フロレンシア、来てくれたんだね。」

 あれいつの間に"姉様"呼びやめたの?困惑していると、抱きつかれ、また首元の匂いを嗅がれた。

「ふふ、大丈夫そうでよかった。」

「ちょっと王宮夜会からほとんど時間が経っていないのよ。何かがある訳がないじゃない。」

「だって、僕心配なんだよ。分かってよ、姉様。」

 そういって、今度はまた弟みたいな瞳で見つめてくる。自分の都合のいいときだけ"姉様"呼びか。それから席について、私の気持ちをひとつひとつ丁寧に説明した。


 ――ロレンシオのことは、ずっと弟のように大切に思ってきたこと。

 ――クラウディオから婚約破棄されたばかりで、まだ気持ちの整理ができていないこと。

 ――ロレンシオには、自分より年の近い女性が合っていること。

 ――到底身分のつり合いがとれないこと。


 そこまで話すと、ロレンシオが無邪気そうに口元を綻ばせた。

「で、フロレンシア、それだけ?」

「それだけって、もう十分断る理由になっていると思うけど。」

「まず、身分は問題ないよ。うちの母上はもともと男爵家の出身だし。あと、僕は他の誰でもないフロレンシアがいい。だから、年齢も関係ない。あとは、フロレンシアにちゃんと僕が一人前の男だって認めてもらえればいいってことだよね?」

「いや、そうは言ってないでしょ。」

「怒った顔も好きだよ。フロレンシア。じゃあ、答えは保留でいい。僕、頑張るから。」

 最後までニコニコしているロレンシオが、たまらなく不穏だった。
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