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中学編
2.発情期の準備
しおりを挟むあぁ、そうだ…忘れていたが―…『婚礼の儀』の後に、リンに嫌がらせをしていた奴らが居たので、リンを害する不届者を俺は即座に排除した。
その際に自分の人脈を駆使した。誰も嫌だとは言わなかった…寧ろ番を護るその姿に感銘を受けたとか何とか謎の事を言われたくらいだった。
まぁ、その甲斐があってなのか、一切リンに嫌がらせをしなくなった。
「そこまでしなくても―…いや、凄~く嬉しいけどさ!」
リンは驚いてそう言っていたが、俺の心が穏やかではなくなり、落ち着かなくなる事を伝えれば「ウィル様!素敵!エッチしたい!」と抱きついて来て押し倒されたのも記憶に新しい…
まぁ、我慢なんて出来ずに、ご要望通りにシたんだけど…理性の脆さも獣並みだと痛感している…
話を戻すが、排除するその際に除名され『狼のウィル』になっていたので、なめられてるかと思いきや、そうでもなかった事がせめてもの救いだ…
寧ろ、『狼のウィル』になった事により、さらに人脈が広がったと言っても過言ではないはずだ。
リンと『婚礼の儀』をした後から俺に気安く話しかけてくる奴の方が増えた。
番であるリンが俺の雰囲気を緩和してくれているのも影響しているのだと思う…
『狼のウィル』になった事で知った事が幾つかある…先ず、『純血』である事に拘っているのは殆んどがその一族の両親や祖父母、曾祖父など代々一族を継いできた者たちであり、長男やら次男くらいだ。三男からは別段『純血』である事に拘っている様子もない。
まぁ、稀に『純血』に拘っている奴もいるが、殆んどがソレに該当しないという事…
簡単に言えば、一族を継がない者は『純血』だ。『混血』だ。と騒がないし、見下したりとかしない…殆んどがフレンドリーと言ったところか…
つまり、俺の人脈が広がったのはリンの存在だけでなく、『純血の狼族』の次男という肩書きが消え『混血の狐族』へ婿入りし『狼のウィル』になった事による効果もあるのだろう…
まぁ、相変わらず昼飯はいつもの場所でリンと共に食べるのだが…
変わった事は学校側からの配慮が働いた事により、リンの席が俺の隣になった事と、リンと今まで以上に引っ付いて一緒にいる事くらいか…
変わった事と言っても…殆んど変わってないんだけどな…
それと、全く知らなかったんだが、番同士は中学や高校関係なく同じクラスになり、席も隣同士にする決まりがあるらしい…これはリンも知らなかったようで凄く驚いていた。
公式設定にはそこまでゲーム背景が書かれていなかったようだ。やはり、ゲームその物の世界ではなく、似た世界であり、現実である事を理解しておく必要があるだろう。
そして、現実と言えば―…もうすぐリンは発情期を向かえるようだ。
こちらを刺激する発情フェロモンの香りが日に日に強くなってきている。
ちなみに項に噛みついて跡を残したので俺以外を誘惑する事は一切ない。番だけを誘惑する匂いと言えば良いのか?付け足すならば、リンは俺のフェロモンだけに反応するようになっている。
発情期の時に必要であろう物は全て揃えている。その間の食事は本館から俺の元実家の使用人だった内の1人である『純血の熊族』の者が持ってきてくれる話になっている。飲料水など日持ちする果物などは寝室に備え付けてある冷蔵庫に詰め込んだり、サイドテーブルに置いてある…必要な物は既に寝室に詰め込んであるので心配ない…寝室から出るのはお風呂など、軽食を取りに行く時くらいとなるだろう。
洗濯も元使用人がやってくれる話だったが…何か嫌だったので俺がやると宣言した。そういう事もあり、別館の中へ他者が入ることは発情期が終わるまで全くない。発情期じゃなくても殆んどないんだけどな…
まぁ、別館と言っても普通の一戸建てだから豪華絢爛な元実家の屋敷みたいな物ではない…
後、誤解しないように付け足しておくと…この『純血の熊族』は、あの『混血の熊族』と一緒にしてはいけない。全くの別モノだ。『混血』に限らず『純血』の中にもピンからキリまでいる…という事だ。
★
そして、さらにあれから数日たった頃…中学3年の冬…後少しでクリスマスという時期に俺は朝から別館を追い出された。発情期を間近に控えた番の嫁は巣作りをするらしい…恐らく、今日がその日…本当の意味で初夜になるだろう。もしかしたら、もう既に発情し始めているのかもしれない…
俺のスマホにリンから連絡があったら即帰り、リンと共に最低でも1週間は別館に籠る事になる。
発情期とはいえ、まだまだ未熟な身体なので、子どもを出産するには命に関わる危険が高い。
なので、避妊薬を服用する事になる…これは嫁側ではなく旦那側が1日に1回は必ず服用する決まりだ。
嫁側はただでさえ発情して少なからず身体に負担がかかっている…その上、薬など…というわけだ。確かに旦那側も嫁側の発情フェロモンで発情するが、身体の負担は嫁側とは比べるまでもなく格段に軽い。
命に関わる危険が低くなるまで身体の成長を待つ必要があり、それまでの間の発情期は避妊薬を服用する義務がある。
それを踏まえ、避妊薬を飲んだ俺は本館にお邪魔して、急ぎの仕事だけをパパっと済まし、他者に回せるものは全て押し付けたが、「いよいよですね!頑張って下さい」と応援つきで快く引き受けてくれた。
仕事を割り振った後、リンから連絡が入るまでの空白の時間…暇になったので、連絡が来るまで庭をブラブラと探索していたのだった…
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