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高校2年生編
3.修学旅行へ行って思い出を作ろうと思う。
しおりを挟むこの世界で観光地として有名な国へ向かう事になった。この世界、前世みたいに都道府県がないんだよな…でも、馬車ではなくて普通に車とかバス、飛行機まであんの…
外国とも違うし…風景は日本って感じなんだけどな…
何かパチモン感満載の有名な建物あるし…ちなみに名前もそれっぽい…
変なところで日本の文化出してくるんだよな…
BLゲームの世界観だけあって、学校や公園でもたまにセックスしてるヤツとかいるしな…ある意味、カオスだわ…
アレが前世だったら気持ち悪くて吐いてるかもしれんが…この世界では普通なので、別に何も感じてないんだよな…
慣れって恐ろしいと思う…
近い未来、俺もああなるのかもしれない…
微妙にゲームの世界観が反映されているようで、何とも言えない…
しかも、毎日1回は必ずリンを抱いてるしな…理性も獣並みなんだ!直ぐに本能に負ける!自信がある!
その俺が前世の事を持ち出し、非現実的なこの世界の事を批判するのは説得力に欠ける気がするのは気のせいではないだろう…
郷に入っては郷に従え、である。
いや、むしろこの世界に染まっている気がする…
とはいえ、流石に乱れてるリンの姿を誰にも見られたくなくて家とか絶対に見られる心配のない屋内でヤってる…
学校とか公園とかではシた事ないな…今のところはだけど…
ホテルとか宿泊先の部屋では学校行事とか関係なくヤるけど…
この身体に転生してから本能に負ける事が多くなったのも考えものである…
理性が飛ぶんだよな…リンが可愛く誘ってくるし…いや、アレが無意識なら恐ろしいんだけど…
あの可愛さ…周りが放っておかないかもしれないな…少し周りに圧力かけとくか?
実際の話、計算なのか無意識なのか…どうなんだろうな…
まぁ、どっちでも最終的には変わらないんだけど…
恐らく、旅行中も我慢できずにヤるんだろうな…と今から何とも言い難い感情に襲われている…
だって学校自体がそういう行為を禁止してない…
ゲームのユルユル設定とか要らねーから!
もう少し、俺の理性を強くしてください!と切実に願う!
まぁ、叶うことはこの先ないんだろうけど…自分の努力でも難しそうだと思ったのは仕方ないと思う…
★
何事もなく、1日目を送っている…
「ウィル様!見てよアレ!」というリンの言葉にソレを見るとどこぞで見たような建物だ…
楽しそうに支給されたパンフレットを見つつ観光地の文化に触れるという活動をしている。
これが1日目の活動な…2日目はアミューズメントパークでハメを外す事になっている。
ちなみに特級クラスは含まれていない…こんな庶民的な修学旅行ではない…
参加してないから、内容自体の把握はしていないが…その内どうだったかの感想は聞けるだろう…
それはさておき…修学旅行が終われば、班に別れてレポートを書かなくてはならない…感想文じゃダメなのか?と思わなくもないが…高校生にもなって感想文というのもおかしいよな…とも思う。
何はともあれ、各地でメモをしておく必要があるのだ…大丈夫、元社畜なめんな!既に手帳にはびっしりと文字が書かれている。
「築250年の歴史を誇る建物なんだと…」とメモを見ながら教えてやると…
「へぇ~、何か適当な設定だね~」
なんてのほほんと笑いながらメタ発言をしてくる…いや、俺も最近メタ発言を連発したんだけど…
「250年前に建て替えたらしいぞ…何でも近辺で起こった大火災に巻き込まれたようだな」
「何、そのよく分からない設定…この世界の歴史もなんか辻褄あわないし…ご都合主義ってやつ?」
「メタ発言禁止な。誰に何を聞かれているのか分からないからな…」
「え~…ウィル様がそう言うなら…分かったよ…」
というやり取りを今日は何回しただろうか…前にこういうやり取りをした時に「今度、メタ発言したらお仕置きな」って言ったんだよ…
そうしたら、何か凄~くリンが興奮して、俺も燃え上がって最終的に『お仕置き』にはならなかったから…その発言は控えている…
その辺はちゃんと学習した。
★
そして、普段通りに2日目を向かえた…若干、歩きにくそうなリンが視界に入ってくるが…皆の前ではいつもの光景そのものなので、気にした様子もない…
「修学旅行くらい我慢してやれよ」という呆れを滲ませたお言葉なら今しがた頂いた。
俺もそう思って普通にベッドへと滑り込んだんだ…夜中に夜這いされて流されたんだよ!
あんな事されたら我慢なんてできるわけがない…
何度も言うが―…理性も獣並みなんだぞ!
「ウィル様?楽しくない?」
「いや、別に…」
思いに耽っていたのが悪かったのか不安そうに上目遣いで様子を伺ってくるリンに昨晩の熱が戻って来そうになったが…
なんとか振り払う事に成功した…やればできる子!良いぞもっとやれ!
「でも、何だか…楽しくなさそうだよ?」
「戸惑ってはいるが…楽しくないわけではない」
その俺の返事に安心したのか『ふにゃ』っと笑って俺の手を引き歩き始める。リンの尻尾も嬉しそうに動いているので、俺の口元も勝手に緩む…
振り返ったリンが絶叫するまで俺の口元が緩んでいる自覚はなかったんだけどな…
その後も、問題なく過ごしてパーク内のホテルへと帰った…
*
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