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Main Story〜アルファな彼とオメガな僕。〜
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しおりを挟む顔を真っ赤にして固まって居ると、口の端にキスをして離れて行った。指で項をなぞられてピリッとした痛みが走った。
そういえば…と思い出す。意識を無くす前に強く噛み付かれた事を…崇陽さ…崇陽は項への愛撫が凄かった。
そして、情事の最中は優しく声をかけてくれる事も多かった。
改めてその事について問うてみると、あっさり答えてくれた。その時にサイドテーブルに備え付けられている引き出しを開けて、ある本を数冊見せてくれた。
『オメガが番にされて嬉しいこと』やら『オメガが番にされて興奮する事』とか『オメガがセックスの時に愛情を感じる瞬間』など『オメガ100人に聞いてみた』というシリーズの本が眼前に晒された。
しかも、他にも数冊あったがオメガに関する物ばかりだった。
僕が怖がってあまり喋ったりしないから崇陽なりに勉強していたらしい…
ちなみに僕と出会う前からオメガの身体に関するメカニズムなどは勉強していたようだ…
ただ、番った後の事はよく分からなかったようで、このシリーズの本を参考にしていたと教えてくれた。
アルファが番ったオメガの項へ執着するのは『求愛』らしい。
自分の匂いをつける、匂い付けのような役割もあるのだとか…アルファのフェロモンを纏っているオメガは愛されている証拠であるらしい…
フェロモンを色濃く纏っているという事はそれだけ愛され大切にされている証拠になり、そのオメガに対するアルファの執着心が分かるんだって…
アルファの番に何かしようとする奴は殆ど居ないらしい…特に相手のフェロモンを色濃く纏っている者ならばなおの事…
番を害されたアルファの怒りは相当なものなのだとか…
僕はどうなのだろうと思っていたら教えてくれた…アルファやベータは…近づく事を躊躇うレベルであり、一緒に行動はできない程らしい…
オメガにも多少の効果があると教えてくれた…
しかも、僕が寝ている間に何かいろいろとやっていたらしく…纏っているフェロモンも濃いらしい…
それを聞いて胸がキュンとして震えたのはオメガの本能か…それとも僕自身が本能とは関係なく惹かれ始めているからなのかは分からなかった…
普段からそんな感じだから慣れている冬樹さん以外は先ず近づいて来ないし一緒に行動なんて以ての外らしい…
クラスのオメガたちに話しかけた時に顔が強張っていた理由が分かった瞬間である。
「絡んで来た身の程知らずなオメガが居たから毎晩お前が寝てから欠かさずしている…」
という爆弾発言も頂いた。僕が寝静まってから凄い事をやってくれたものだと愕然と聞いていた…
「起きていたら怖がって逃げようとするだろう?」と言って首を傾げている崇陽に対して…
ーいえ、雰囲気に圧倒されて受け入れたと思う…
なんて怖すぎて言えるはずもなく曖昧に笑みを浮かべて受け流した…
*
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