僕の可愛いアルファ君。/俺のイケてるオメガ様。

スメラギ

文字の大きさ
37 / 45
俺のイケてるオメガ様。

08*

しおりを挟む
 
 出会いは最悪だった…。いや、まぁ、俺が悪いと言われればそうなんだが…。

 アレは神無月かんなづき様から直々にプロジェクトの引き継ぎをされ、無事に顔合わせの食事会も済ませた後のプロジェクト始動、初日の話である…。

 「ふぅんんっ…はぁっ…んっ…」

 泊りがけのホテルの部屋に鍵を閉めて・・・・・、後ろに雅輝の大きさとほぼ同じモノを突っ込み、さらに、こっそりと持ち出した俺の宝物コレクションに顔を埋めて、雅輝の発情期の姿を思い出しながら自身を慰めていた。

 「はぁ…ンっ、雅輝っ…イくっ」

 ヌチャヌチャとナカのモノを動かし、雅輝の名前を呼びながら達しそうになっていると…閉めていた・・・・・はずの扉が開いたのだ…。

 ガチャリと…ゆっくり静かにではあったが、開いたのだ…。

 後ろに嵌めた状態で口には宝物コレクションを咥えたまま固まる俺と、笑顔を張り付けたまま固まる義輝よしき…。とその後ろに居る、見た事ない裏の世界の住民みたいな人(?)とサングラス越しに目があった。

 しかも、咄嗟の事でイく事を回避できずに、射精までしてしまった…。



 「えぇっと…何かごめーんね?」
 「………最悪だ…」

 後ろから玩具おもちゃを引き抜き、宝物コレクションも口から離して、衣類を身に着け、両手で顔を覆いベッドの上で、一通りのたうち回り、動きを止めるとやがて、そう呟いた。

 強面の人は『人間』ではなく『鬼』であり…、義輝よしきの庇護鬼で泰虎やすとらというらしい…。
 義輝よしきとは違い、顔には一切、出していないが…雰囲気が居た堪れなさを醸し出している。

 「ふふ、だからごめんって…ところで雅輝って誰?」
 「俺の想い人…ちなみにオメガ…。」

 ちなみに義輝よしきは微かに俺が泊まっている部屋から妖しい声が聞こえてきたので、社内コンプライアンス的にアウトでしょって事で見に来たらしい…。

 「鍵は?」と聞いたら笑って誤魔化された…。

 絶対に確信犯だ…。酷い…。雅輝にも見られた事ないのに…というか…雅輝に見られたら物理的に消えるわ…俺が…。
 自ら消えるのか、雅輝に消されるのかは分からんが…

 どうせ消えるなら素足の雅輝に踏まれて消されたい…。

 『鬼』は五感が優れている。まぁ、第六感も凄いらしいんだけど…。

 「というか…アルファなのに後ろで感じるんだ?」

 なんて面白そうに聞かれたが、俺にとってはデリケートな問題なんだけどな…。という俺の気持ちなど義輝よしきには関係ないらしい…。

 あの問を皮切りに次々と質問をされ、誤魔化そうにも、誤魔化す事を許されず…赤裸々に語らされた。



 もう、俺のライフはゼロよ…。ってくらいにゴリゴリ削られた俺は情けない顔を晒しているに違いない…。

 「へぇ…その子も珍しいけど…君も珍しいねぇ…ふふっ、面白い」

 そう言って、いつの間に頼んだのか…ルームサービスで届いた『焼き菓子』などを摘んで食している。
 俺の視線に気づいたのか…「食べる?」なんて聞かれたので、首を横に振る。
 すると、何を勘違いしたのか「あぁ、安心してよ。ちゃんと代金は払うから」などと言われたが…寧ろ、その代金なんてどうでも良い…。

 「なら、何なのさ?」
 「俺の秘密は誰にも言わないでほしい…」
 「あ、そっちか…。うん。その辺りは大丈夫だよ。周りに言い触らすような下衆な真似はしないから。『約束』してあげるよ。泰虎やすとらも、他言はしないように。」
 「あぁ…分かった」

 そう言って今度は優雅にお茶を飲んでいる。『鬼』にとって『約束』とは特別な意味を持つ。容易に『約束』と口にする事はない『鬼』が『約束』と口にしたので、その辺りの心配はないだろう…。

 
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

さかなのみるゆめ

ruki
BL
発情期時の事故で子供を産むことが出来なくなったオメガの佐奈はその時のアルファの相手、智明と一緒に暮らすことになった。常に優しくて穏やかな智明のことを好きになってしまった佐奈は、その時初めて智明が自分を好きではないことに気づく。佐奈の身体を傷つけてしまった責任を取るために一緒にいる智明の優しさに佐奈はいつしか苦しみを覚えていく。

アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました

あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」 穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン 攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?   攻め:深海霧矢 受け:清水奏 前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。 ハピエンです。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。 自己判断で消しますので、悪しからず。

過保護な義兄ふたりのお嫁さん

ユーリ
BL
念願だった三人での暮らしをスタートさせた板垣三兄弟。双子の義兄×義弟の歳の差ラブの日常は甘いのです。

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている

キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。 今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。 魔法と剣が支配するリオセルト大陸。 平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。 過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。 すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。 ――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。 切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。 全8話 お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

僕の恋人は、超イケメン!!

BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?

処理中です...